1986年1月 セロー225(1KH)
ホワイト×フォレストグリーン
ホワイト×ファイヤーレッド
329,000円
ホワイト×ファイヤーレッド
ホワイト×フォレストグリーン
上が1985年、下が1986年のカタログ。見比べて揚げ足取りではなく、苦労の跡を読み取ってください……
「奈良のシカ」事件
セローとはカモシカ(イメージはヒマラヤカモシカ)であり、タンクにカモシカをモチーフにしたデザインが描かれた。
ところが初期型に描かれたツノは役割を終えた地デジカのアンテナをさらにふやしたようなタイプで、某動物愛護団体から「これでは奈良のシカだ」と指摘されたとか、されなかったとか。
そこでこっそり訂正したというのが定説になっている(真偽の程を以前関係者にしつこく聞いたことがあるが、「まあ、そのあたりは、ね。ほら、いろいろあるから。そっとしておいてね」と、目が笑っていなかった……)。
カタログは写真の入れ替えのみで基本的な構成は変わっていないが、今日のようにデジタル技術が発達していなかった当時、倒木を乗り越えている写真は、微妙に腕の位置を変えてツノが見えないようにするなど苦労の跡が忍ばれる。
ちなみにセロー25周年を記念し開設中のヤマハ公式サイトセローヒストリー(これを見れば、わざわざこのコーナーを見る必要がない……なんていわないでください)でも、最初期型の奈良セローは黙殺? 状態。
初の特別仕様車
セロー初のスペシャルエディションは、白×青の専用カラーで、キャリパーなどをチタニックグレー、ハンドルクラウンなどをバフクリア仕上げ、ゴールドホイールの外装で登場。
オフ走破性を高めた3段階ダンピングアジャスタ付フロントフォークを始め、転倒時のダメージを軽減するハンドルグリップエンド、小型バッグが装着出来るアルミハンドルブリッジにステンメッシュでカバーされたテフロンチューブフロントブレーキホースを装着した。
計画販売台数は1200台だが、台数限定扱いではなかった。ハンドルグリップエンドの装着により全幅は20mm増加している。
セローベースの兄弟モデル
セローをベースにしたエンデューロモデル。エンジンは排気量に変化はないが最高出力を22psに、最大トルクを3.1kg-mにパワーアップし、セミエア式のフロントフォーク、サスストロークの増加、ウインカーの廃止などを行ないオフの走破性を高めた。輸出専用で国内販売はされなかった。
●エンジン型式:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ●総排気量(内径×行程):223cc(70×58mm)●最高出力:22ps/7500rpm●最大トルク:3.1kg-m/7000rpm●全長×全幅×全高:2095×865×1200mm●軸距離:1360mm●乾燥重量:96kg●タイヤ前・後:2.75-21・3.50-18●燃料タンク容量:7.9L●発売当時価格:輸出車
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