レイチェルと足早にホテルのフロントに向かう。

ホテルに入ると、フロントフロアーは最上階まで吹き抜けになっていて、思わず叫びたくなるような開放感だ。

子供のように興奮している私を見て、チェックインは祥ちゃんがまとめてしてくれることになった。

普段、学生の面倒をみている山本先生としては、誰かに面倒を見てもらえるのは、至福の幸せである。チェックインを済ませた祥ちゃんから部屋の鍵を渡された。もちろんのこと、レイチェルとは別の部屋です。

夕食の時間まで時間があったので、いつもの日課のランニングをすることにした。ホテルのスタッフに手頃なランニングコースを聞いたが昼にクマが出たらしく、

「クマに気を付けてください」と一言言われた。

その一言で、小心者の私はホテルの駐車場をぐるぐる回り、いつもの日課を済ましたのでした。

お腹が減ったぞ！

減った！　減った！　と声をそろえながら、レイチェルに祥ちゃん、編集部の青ちゃんと、カメラマンの忍ちゃんが集まってきた。

1時間のランニングを済ませ、胃袋が唸っている。

よし！　今夜は食うぞー！

食堂に入ると、すぐに眼に入ってくるのが、寿司！　天ぷら！　ステーキ！のコーナーだ。

板前さんやコックさんが、目の前で調理している。

その他の料理も、和洋中と充実している。

デザートもばっちりだ！

料理が豊富なので、眼が踊る！

食いしん坊は、食にどん欲です。しかし、アーチェリー選手として現役を継続するためには、トレーニングのみならず体重の維持にも気を使う。

そこで、バイキング料理の楽しみ方にも山本流がある。

器は、皿を使わずに小鉢にする。

今夜は九つの小鉢にした。

これによって、食べ過ぎが防げる。大皿に盛ると、食べた量を忘れやすいが小鉢にすると忘れにくい。料理の取り方にも工夫する。

まずは旬のものを入れる。この時期ならば、秋の味覚のキノコ料理だろう。そして、野菜料理を取り、魚料理を取る。

すると、空いてる小鉢もひとつかふたつとなる。そこに、鳥肉料理を入れると比較的全体のカロリーを抑えることができる。

トレーニングに励んでも、48才ともなると基礎代謝が下がり脂肪が付きやすいので、食べるものにも気を使わないと、選手の身体は維持できないのです。

楽しく人生を過ごすには、工夫と努力が必要なんです。

みんなも美味しそうな料理をたくさん取ってきました。

では、レイチェルお願いします。

「はーい！」

では、「いただきまーす！」

美味しいものを食べてる時はいい顔になる。

みんなで食べれば、なおさら美味しい。

白馬までの道のりを語れば、話題にも事欠かない。

今夜は、長い夜になりそうな予感がする。（続く）