窓から差し込こんでくる、柔らかい朝日で眼が覚めた。窓を開け、朝の清々しい空気をゆっくりと吸い込む。
なんて気持ちのよい朝なんだろう。
空には雲ひとつない。今日も、昨日に負けないぐらい空いっぱいに青空が広がっている。
さあ~今日もバイクを楽しむぞ!
昨晩、レイチェルとは朝8時に駐車場で会う約束をした。
体育会系の私は5分前集合、が基本。だから7時50分にはチェックアウトを済ませて、駐車場に向かうのだった。
ホテルから一歩外に出ると冷たい空気が顔に突き刺さる。早朝の白馬はさすがに肌寒く、ジャケットのファスナーを上までしっかり締める。
- 眼前にドン! と雪山が現れる、なんという美しさ。晩秋ならではだ。
駐車場に眼をやるとレイチェルは既に、VT400Sの脇に立っている。
「ごめん、ごめん、お待たせしました」
「全然待ってませんよー。おはようございます!」
さわやかな笑顔でレイチェルに元気よく迎えられる。
実に気持ちの良い素敵な女の子である。
「レイチェル! 今日も一日楽しいタンデム旅にしよう!」
「はーい!」
VT400Sのキーを回し、セルスイッチを押す。
明け方には氷点下まで冷え込んだというが、VTのエンジンは一発で元気よく眼を覚ます。
「レイチェル! 今日は白馬を楽しむからね」
「はーい!」
国道148号を走って白馬駅までまず走ることにした。
山の中腹にあるホテルを出発すると、朝のウォーミングアップに丁度よいワイディングとなる。
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