1990 VMAX1200(国内仕様)
ヤマハのオーバーナナハン解禁第一弾
1990年、ヤマハのオーバーナナハン解禁第一号として2月1日から国内発売が開始されたモデルがVMAXであった。
許認可権を握っていた運輸省(現国土交通省)は「大きなカウルが付いていないし、ハンドルも高い。だからスポーツバイクではないから問題ない」と言ったとか言わなかったとかいう笑い話もあった。
オーバーナナハンは解禁されたが、当時はまだまだ上限100馬力の自主規制時代であったため、欧州仕様と同様にVブーストは未搭載の最高出力97㎰/7000rpm、最大トルク11・3㎏-m/6000rpm仕様となった。
国内仕様のキャブレター、イグナイター、ファイナルギア比は、低中速域での加速を重視した専用のセッティングがなされ、騒音対策のためマフラーは開口部が小径の新設計となった。
外観ではシートベルトの装着と、190㎞/hスケールのメーターが国内専用の特徴である。
国内仕様はフルパワーではないため、軽視されがちな傾向もあったが、リミッターの効く180㎞/hまでであれば遜色ないセッティングであり、89万円という価格は、100万円オーバーの逆輸入車よりも安く、メーカー保証も万全など、VMAXが身近な存在になったことは間違いない。
国内仕様は12月6日に車体色がシャイニーブラックからブラックメタリック2に変更されたが、見た目はほとんど同じ。 その後1992年まで変更なく販売された。
●エンジン型式:水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブ●総排気量(内径×行程):1198cm3(76×66mm)●最高出力:97ps/7000rpm●最大トルク:11.3kg-m/6000rpm●圧縮比:10.5●変速機:5段リターン●全長×全幅×全高:2300×785×1175mm●軸距離:1590mm●乾燥重量:264kg●燃料タンク容量:15L●タイヤ前・後:110/90-18 61H・150/90-15 MC74H●発売当時価格:890,000円