SUZUKI 2011 GSX-R600試乗見出し

2011 SUZUKI GSX-R600
Moto Mapから発売されるGSX-R600のカラーは3色。イメージカラーといえる白/青(GLR:Metallic Triton Blue / Glass Splash White)、そして白/黒(JDT:Metallic Mat Black No.2 / Pearl Mirage White)、黒(YVB:Glass Sparkle Black)のラインナップに。
こちらの動画が見られない方はYOUTUBEのサイトhttp://www.youtube.com/watch?v=H1rzp2h4-scで直接ご覧ください。
全ての動きに角がなく、コントロールしやすさを得ながら、確実に速くなったGSX-R600

シートに座ると、そのコンパクトさから“600”ということを強く感じる。足つきは良く(身長170cm)、ハンドルグリップは低めながら適度な角度で、後で整体に行きたくなるようなポジションにはならない。何の抵抗もなく自然になじんだ。もし好みに合わないならば、ステップに位置を3段階に調節できる機能がある。

走り出して低い回転数で流しているときは前モデルとあまり変わらないようだったエンジンは、ミッドレンジから速度の伸びが早まり、1万回転を超えると力強さを増して、乗っているボクと車体を矢のように進ませる。そこから高回転の甲高い音と、振動を伴ってレブリミットまで気持ち良く加速。右手の動きと直結したような高レスポンス。

スロットルを戻して再び開けていく時などギクシャクするようなこともなく、コーナーの脱出から、シフトアップしていくとシームレスに後輪へパワーが伝わっていくようだ。クロス気味のミッションを変速しながら常に高回転域を保って、周波数の高い音に包まれ走るのが楽しい。これぞスーパースポーツ600!

軽量化をなしてホイールベースが少し短くなった車体は、クイックな旋回に磨きがかかって、安定性も高い。動きに無駄なところがなく、常にライダーの良きしもべとして動いてくれる。ブレンボのモノブロックキャリパーを採用したブレーキは強烈に効くので、減速しすぎに注意(笑)  フロントにショーワ製BPFを採用したサスペンションの動きはスムーズかつ的確。前ブレーキを残しながらのターンインが気持ちよく決まる。

スズキ竜洋コースの長いストレートで、ヘルメットを隠す最小限の大きさのスクリーンに収まるように、伏せていると速度計の数字は簡単に270km/hを超えていく。スタビリティは良好で、安心して飛ばせた。

全ての動きに角がなく、コントロールしやすさを得ながら、確実に速くなっている。開発に携わった方の「速さに結びつく全ての部分をブラッショアップした」という言葉が素直に納得できた。

(試乗:濱矢文夫)
SUZUKI GSX-R600
GSX-R1000のトレードマークである縦型デュアルヘッドライトレイアウトを継承。エアロダイナミクスも向上させ、高い配光性能と軽量化のためにデザインされたヘッドライトは従来型の1,900gから1.338gと562gの軽量化。リフレクターは明るさを求めた大型のものを採用、高い配光ビームの12V55Wロー、12V65Wのハイビームの組み合わせ。
SUZUKI GSX-R600
メーター周りはGSX-R600とGSX-R750でベースは共通。ただしレッドゾーンがGSX-R750では約14,200rpmから、GSX-R600では約15,200rpmから始まる。インストルメントパネルには2010年型のGSX-R1000と共通の多機能タイプを採用。ギアポジションインジケーターは従来型を継承。ストップウォッチとラップタイマーが新たに組み込まれ、液晶パネルが拡大された。
SUZUKI GSX-R600
シートベース部分は一見綾織カーボンのように見えるが、樹脂表面の凹凸形状で表現している。
SUZUKI GSX-R600
エッジの効いたテールセクションにはLEDテールライトがビルトインされている。リアターンシグナルはシートカウルの上部を包み込むような形状に。跳ね上がったコンパクトなテールエンドが印象的。
■SUZUKI GSX-R600 車両概要

排気量を除くと違う部分を見つける方が大変、などと冗談さえでてしまうGSX-R600とGSX-R750。しかし実際に細かく見れば多くの部分で異なるのだが、その違いを見るためにもあえて両車をまとめて紹介してしまうことをまず初めにお断りしておく。

2011年モデルのGSX-Rシリーズは、ニューフレームの採用によりホイールベースを短縮して旋回性能をアップ、ブレンボ製のモノブロックブレーキキャリパーの採用などによりストッピングパワーの増強、そして中低速トルクのアップ、という3本の柱で開発されたという。そしてもうひとつ、これこそが2011年モデルの“数値で分かる進化”といえるものに軽量化があげられる。

従来型と比較して、装備重量はGSX-R600で約9kg、GSX-R750で約8kgという大幅な軽量化を達成している。わずか10kgにも足らず、などと言う無かれ。モデルチェンジごとに熟成に熟成を重ねてきたスーパースポーツモデルで、軽量化を行うことの厳しさは並大抵のことじゃなかったはず。その中での10kgは驚異的とすら言える。そこら辺が「トップパフォーマー」の座を常に意識してきたスズキのスーパースポーツモデル故の厳しさであり素晴らしさだろう。

外装関係では必要強度の再検討などによる変更で3.4kg軽量化。その他フレームで1.35kg、スイングアームで0.9kg、フロントフォークで600が1.04kg、750が0.86kg、エキゾースト周りで600が1.7kg、750が1.1kg、そしてエンジンコントロールモジュール(ECM)をタンク下に移動するなどによりハーネスの短縮で0.25kgの軽量化を実現するなど、徹底した重量の削減が行われた。

新設計となった車体周りでは「軽量・コンパクトさを重視した車体設計を行い、新設計のパーツは十分な機能を確保しつつ、重量を抑えることを優先して開発」されたという。

従来型より15mm短いホイールベースによりハンドリング性能をアップ、2010年のGSX-R1000と同様のビッグピストンフロントフォーク(BPF)の採用、そして新たにブレンボ社製モノブロックフロントブレーキキャリパー採用、が車体周りでは大きな特長となっている。

新開発となったフレームは、軽量化に重点を置いたアルミキャストツインスパーフレームで、5つのセクションから構成されている。各セクションごとに肉厚の最適化を図り、フレーム全体で1.35kgの軽量化を実現。最も薄いセクションでは、肉厚を3.5mmから3.0mmに落としている。シートレールも、跨ぎやすさを考慮して、より幅を狭くしている。

旋回性能を上げるためにホイールベースの短縮が目標とされたが、フレームなどのレイアウトを見直すことでホイールベースの短縮を実現している。スイングアームは従来長を確保。

フロントサスは、ショーワ社製の倒立テレスコピック式ビッグピストンフロントフォーク(BPF)を採用。φ41mmのインナーチューブ、アウターチューブを含め、フォークアッセンブリー全てが新設計だ。BPFを採用することにより、各フォークレッグにフォークスプリングを移動させ、オイルに完全に浸かるようにしている。これにより「フォークオイルの泡立ちが減り、さらに安定した減衰性能を確保している」という。減衰力とスプリングプリロードはフルアジャスタブル。

BPFはまさにレース技術のフィードバックといえるもので、圧縮開始時の低速における減衰性能を特に大幅に改善しているという。タイトなS字カーブで方向を変える時などにダイレクトな操作感が得られ、コントロール性の高いハンドリングを実現、ブレーキング時も高い安定性を誇る。コーナーでリーンする時などでも、ライダーの意志に対してほぼリニアに反応してくれる。スムーズな操作フィーリングとともに、高い路面追従性と旋回性にも貢献している。

リアサスペンションでは、スプリングプリロード、伸側・圧側減衰力ともフルアジャスタブルだ。圧側減衰は、細かな設定を可能にするハイ・ロースピードの2ウェイアジャスタブルタイプを採用。

従来モデルと同じ長さを確保したスイングアームだが、デザインは見直され、同時に0.9kgの軽量化を図られている。クッションレバーは従来型の鍛造アルミニウムからプレスアルミニウムに変更。また、アームはダイキャストとプレート材から鋳物に変更され、軽量化に貢献。

ブレーキシステムは、フロントに新設計のブレンボ社製モノブロック鋳造アルミニウム合金キャリパーを採用。高い剛性と軽量を特徴とするラジアルマウントの4ピストンキャリパーだ。ディスク径はφ310mm。

リアは、GSX-R1000と共通のNISSIN製小型、軽量キャリパーを採用。高いブレーキ性能を発揮し、ブレーキシステム全体を再開発したことで、ブレーキフィーリングをアップさせている。従来型と比べて0.262kg軽量化。ディスクは径φ220mm。

フロントに採用されたラジアルマウントのブレンボ社製軽量モノブロック対向4ピストンキャリパーは、ピストンサイズをφ32/30mmからφ32/32mmに変更。ブレンボのロゴ部分を含み見た目にもこだわったデザインとしている。マウンティングボルトは中空タイプとし、軽量化。フロントブレーキシステムは、従来型と比較して0.405kg軽量化された。

ライディングポジションは、15mm短くなったホイールベースからハンドルバーもライダーのヒップポイントに近く、やや低い位置に取り付けられている。この新しいライディングポジションにより、ライダーの高い快適性と、自由な動きを実現。さらにハンドルバーは従来モデルより1°広い角度で取り付けられている。

電子制御式ステアリングダンパー採用は従来型と同様。高速域で減衰力を増加させ、低速域では減衰力を減少させることで、安定性とシャープなハンドリングを両立させている。燃料タンク形状は、サーキットでのタックイン、スポーツライディング、街乗り、快適さがより重要になる長距離走行など、さまざまな走行状況を考慮に入れながら設計し直されたという。

GSX-R750で810mmのシート高は従来型と変わらずだが、GSX-R600は810mmでクラスで一番低いシート高となった。シート先端部は、跨ぎやすく、ニーグリップがしやすいスリムな形状に。腰を自由に移動させることができ、またハングオン時に膝の角度も決めやすいという。フロントシート底の厚みを減らし、よりコンパクトなピリオンシートを採用することで、シート部の重量も0.244kg軽量化された。

3段階に調整可能なフットペグで、ライディングポジションに自由度を与えてくれる。従来型と比較して0.053gの軽量化と、各コンポーネントの軽量化も図られている。

フロントアクスルシャフトは直径25mmから22mmに小径化し、0.046g軽量化。締め付け構造も、インサイドアクスルスクリュー+中空ボルト型からアウトサイドアクスルスクリュー+ナット型に変更。

このフロントアクスルの小径化により、ハブとベアリングのサイズも小さくなり、全体として0.21kgの軽量化に結びつけている。同様にホイールもハブ部分のみ、アクスルサイズに合わせて小径化された。サイズ自体は従来型と同様の17M/C x MT3.50だ。

リアアクスルの直径も28mmから25mmに小径化。ハブとベアリングのサイズも、小径されたリアアクスルに合わせて縮小。スプロケットドラムを含め、GSX-R750では0.24kgの軽量化となった。GSX-R600は0.19kgの軽量化。ホイールサイズはこちらも従来型と同様の17M/C x MT5.50だ。

タイヤはフロントが120/70ZR17M/C(58W)サイズのチューブレス(ブリヂストン)、リアは180/55ZR17M/C(73W)チューブレス(ブリヂストン)。

SUZUKI GSX-R600

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