ここ数年BMWのGSが地球規模で売れている。ドイツのメーカーにとってまさにドル箱(!?)。特にスペイン、イタリアなどラテン諸国でその人気はすさまじく、GSとそれ以外では“ナンパ成功率”も違うというから、オトコとしては黙ってはいられない。ここ数年、四輪でもそうだが、いわゆるクロスオーバーセグメントのクルマの価値基準として、街に溶け込むスムーズなエクステリア、高速道路ではスポーツセダン顔負けの走り、しかもオフロードではハッタリではなくしっかり芸当ができるマルチパーパス性こそ「本物のクロスオーバー(?)」とされている。
その点でGSは四輪各車がベンチマークにしたんじゃないの? というぐらい多才。街中で逞しく自然の雄大さに負けないデザイン、どこでも納得の走りを見せる。なにより30年続けたGSという暖簾の重みも「乗って安心、買って愉悦」と満足中枢を直撃する。
クルマはともかく、バイク界を俯瞰してみるとGSが属するセグメントのライバルも指をくわえて見ていたわけではない。トライアンフにタイガー、ビュエルにユリシーズ、KTMにアドベンチャー、そしてドゥカティはムルティストラーダを送り込んだ。
ざっくりまとめるとトラ、ドカ、ビュエルはロード系をアレンジしたダートも走れる系。このグループにCB1300SFが入っても同じペースで林道を通過できる感じだ。そしてKTMのアドベンチャーは、舗装路以上にダートではラリーDNA全開の走りを満喫できる。より軽くロード色を打ち出すか、ある部分オフを楽しめる仕様か。
GS目線でみればある意味GSへのカウンターであり、サブカル的持ち味で勝負しているのが解る。どれも一長一短あるが、セールス的、ムーブメント的に風を巻き起こしているか、と問われればGSのそれに肉薄するまでにはいたっていない。
ところがここで紹介するドゥカティの新型ムルティストラーダ1200Sは、GSじゃないまた別の何か、を探し求める人にムルティストラーダ時代到来を高らかに告げる力作だったのである。
- 一番最初のイメージスケッチがこれ。オフブーツを履き首にはネックブレース。デザイナーも相当オフ好きに違いない。タイヤなんかブロックパターンだ。そして最後までこのスタイルを踏襲するように開発がすすめられたているのが解る。
■ エンジン:水冷4ストロークL型2気筒DOHCデスモドロミック4バルブ■ボア×ストローク:106×67.9mm■総排気量:1198.4cm3■圧縮比:11.5■最高出力:75kW[102HP]/6000rpm■最大トルク:111.7Nm[11.4kgm]/6000rpm■変速機:6速リターン■全長×全幅×全高:2150×1400×825mm■ホイールベース:1530mm■シート高:825mm■タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17 190/55ZR17■タンク容量:20L■乾燥重量:192kg[車両重量220kg]■車体色:赤、白、黒■価格:219万円
■問い合わせ:ドゥカティジャパン ℡03-3794-5001 http://www.ducati.co.jp/
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