幻立喰・ソへの階段
(2011年5月31日更新)
V-TECHを装着して一世を風靡した1999年モデルのCB400SUPER FOUR。スペンサーのCB750Fみたいなシルバーとブルーが印象的でした。 あれからもう10年以上の月日が経過しているんですね。
あのカラーリングとスタイリングと音にやられちゃった人、結構いるんじゃないでしょうか? まさみちゃんもその1人でした。まさみちゃん元気かなあ。
まさみちゃんというのは(以下省略)。まずは下の写真を見て下さい。このコラム11回目にしてバイク初登場です。
さて、3枚の写真のうち、ノーマルのCB400SUPER FOURはどーれだ。
そうなんです。人間の記憶とは結構あやふやなものなのです。
例えば新しいお店が出来たとします。では、その前なにがあったのか? よく行っていたお店や、印象深いお店ならともかく、毎日漫然と前を通っていただけとなると、意外に思い出せないものです。
そのくせ、小学2年生の時、排便後おしりを拭いたら、粗悪なチリ紙(当時はトイレットペーパーは一般的ではなかった)に穴が開きバームクーヘンの年輪のように爪の間にびっちりウ○コが詰まって、どんなに洗ってもきれいに取れず、そういう日に限って晩ご飯がカレーだったとか、そういうことは臭いまで鮮明に記憶しています。だって人間なんだもの。
身近な例では、WEB Mr.bike編集部のTさん(ピンクの大統領ではない方)は、打てば響く状態な物識り博士なのです。
が、単純作業である精算の仕方を覚えられず、毎月毎月隣席のA編集部員に聞いています。
ひょっとして彼一流のコミュニケーション術なのか、おちょくっているのか、本当に覚えられないだけなのか、真実は定かではありません。
N編集長も時々コネクタの具合が悪くなるようで、何度も通った道でも「ここ通るの初めて」とつぶやき、いよいよ壊れちゃった……と側近や秘書や経理のおばちゃん(すべて同一人物)をあわてさせます。
このように、人間の記憶力には相当な個人差もあるのです。
激読者と豪語しておられる浅草KドヤのY口さん、たいへんお待たせいたしました。ここからやっとこさ本題に入ります。読んでますか? ホントに読んでますか??
先日、新宿で所用を済ませ時計を見れば午後2時。昼飯時の混雑も緩和されたほどよい立喰・ソタイムです。
新宿で立喰・ソとなれば、まずは誰もが思い浮かべる超A級メジャー店のKAをはじめとして、面白メニューだけではないレベルの高いチェーン店HH、焼きソバ、五目ごはんもセットになった意味不明な三色定食で満腹になれるKO、そば、つゆとも上品な味のSI、肉天もざるも値段が同じという摩訶不思議な老舗NS、その筋の方もときどきいらっしゃるKM、ソースカツ丼もあるSI、ぷりぷりなそばと揚げたて天ぷらのHJ、そばはぼそぼそなのにもちもちという旨いんだかまずいんだかわからない食感がクセになるAO、甲州街道沿いのチェーン店EDなどなど、チョイスするだけでも枚挙に暇がございません(←言葉の使い方あってますか?)。
キラ星の如く居並ぶ立喰・ソから「しばらく行ってない」と、選ばれたのはアソコでした。
いつの間にかとてもきれいに整備された思い出横町に抜ける地下道を通り、でっかいユニクロの角を右に曲がればもうすぐそこ。
「アソコは天ぷらがいい仕事してるんだよねふふふ」(←「天ぷらの仕事」ねえ。ということは某大手チェーンの口内が切り傷だらけになりそうな固天ぷらは、ニート天ですね)と、グルマンアンクルを気取って浮かれてたら、アソコを通り過ぎちゃったみたいで松屋の前まで来てしまいました。
踵を返して、戻るとあっという間にユニクロ角に到着。
再度トンボ返りで引き返すも発見できず。さすが新宿駅前、結構な人通りできょろきょろしていると「邪魔だ! このぴーっ者が!!」という視線がちくちくちくちく刺さりますので、立ち止まることもできません。
結局4往復もして導き出した結論、アソコは「なくなっちゃった」ということでした。
ここで、再び冒頭の話に戻ります。
で、アソコはどこにあったの?
幻立喰・ソになったことは間違いなさそうですが、どこにあったのか釈然としません。確か白い看板に緑と黄色の線が入っていたような……その前にアソコの名前なんだっけ??
とりあえず写真と人混みに流されながらカメラを構えるも、はて? どこを撮ればいいのかがわからず、適当に何枚か撮って引き揚げました。 動きながら、適当に撮った写真はブレブレのボケボケで使い物になりませんでした。
- バ☆ソ
大幅に予定を変更し、西口地下街のC11で大好物のハムカツカレー(激安450円!)を食べて、とぼとぼ家に戻って立喰・ソ帖を引っ張り出してみれば、アソコの名前(←その昔「アソコは英語でなんて言いますか?」ってやりませんでしたか。正解はもちろんThat’sです)は「一茶」でした。
メモには「そば屋の独り言」というサイトを開設しているとありましたので、URLを叩いて(←電気先生がよく言うんですが、カッコよくないですかこの言い方)みましたが「指定されたファイルが見つかりません」というアラートが出ただけでした。
ついでにネットで検索したところ、2010年12月23日に閉店したとのことでした。残念無念柿八年。
アソコの味(←「もう、一茶って書けよ!」と三村風にツッコミ入れてください)ですが、そばは茹でも冷凍ではなく生。アソコは生だったんです。つゆは関東立喰系標準のしょうゆ湯(その名の通り、まるでおゆに醤油を入れただけの辛いおつゆ)ではなく、きちんとダシの味と香りがする上品なタイプ。温かいそばも、冷やしも両方いけました。
冷やしたぬきを食べたのは2006年6月30日のことでした。
ぷりぷりの生そばにやや辛いおつゆに少なめの揚げ玉。きゅうり、わかめにカニカマまで入って、おまけにねぎ入れ放題。これで360円(かけそばは200円)と、大都会新宿とは思えない、盛りと価格と味で衝撃を受けました(たぶん)。
大衝撃を受けた割に次の訪問はなんと2009年4月20日。
いただきましたかき揚げそばの揚げたてサクサクの大きなかき揚げには、なんとエビが6尾も入っていながらの350円。かけそばは230円になっていましたので、やや値上げしていましたがそれでも衝撃的な価格でした。
で、幻立喰・ソになってしまい、三度目の衝撃を受けたのでした。
こんなことならもっと早く行けばよかった。こんな失敗を何度も何度も繰り返しています。立喰・ソどころではなく、私の人生そのものにおいてですが。ははははっ……はあっ……ふう。
■立喰・ソNEWS その1
品川駅にオープンしたecuteサウスになんと老舗の名店常磐軒が吉利庵(きちりあん)として復活しました。
私自身はまだ確認に行っていませんが、流行のおしゃれ系に大変身したようで、このコラム第一回目でお伝えした逸品おこのみそばが復活することはないでしょう。
でも、あじさい茶屋系ではなく常磐軒復活とは驚きを通り越してもっと驚きました。いずれにせよ嬉しい話題です。品川蕎麦日記というブログもあります。駅そば屋さんの開店準備の記録にもなっておりますので、立喰・ソキッズはぜひ。
■立喰・ソNEWS その2
タモリ倶楽部で鉄道アフレコをやっていました。たいへん素晴らしい楽しい企画でした。
そのうちの1本京急品川駅でのアフレコにおいて当協会T理事から「ダーリンハニーの吉川さん(土屋礼央さんだったかも?)が『えきめんやのおばちゃんが“そばですかうどんですか”と聞くんですが、忙しくなると“そばですよね”と断定するんです』と言っていたが私の体験によれば“つゆは関東風ですか、関西風ですか?”と聞かれる方が多いが、いかがなものか」と、物言いがつきました。この問題はいずれ検証せねばならないでしょう。
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