兵庫県の明石(あかし)市。バイク乗りの間ではカワサキのお膝元として知られる。しかし、一般的には日本の標準時(JST)が定められた東経135度の「子午線の町」ということで有名だ。今から100年前、日本で初めて子午線標識が立てられたのが明石だった。
旧石器時代の人類と見られる「明石原人」などの化石が発見されるなど、100万年近い大昔まで遡ることができる明石の歴史だが、近世以降は町へと発展。江戸時代には小笠原家10万石の城下町として栄える。
1919年には全国で81番目、兵庫県下では4番目の市として市制を実施。1960年以降は企業の進出や阪神都市圏からの人口流入などにより、住宅都市・産業都市として著しく成長。現在、人口約30万人の中堅都市で、2002年には特例市(政令都市、中核市に続く都市制度)に指定されている。
東と北が神戸市、西は加古川市などに隣接する東西に伸びたカタチの明石市は面積49.25km2。そのほとんどの部分が神戸市に接しており、1955年のいわゆる「昭和の大合併」の対象となったが、住民投票による反対多数で不成立。以降、独自の行政を貫く誇り高き町である。