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エンタメ

第67湯「鬼怒川・川治周辺の温泉」の巻

 みなさん、お久しぶりでございます。もしかしたら毛野ブースカ死亡説が流れていたかもしれませんが、元気にやっております。
 令和元年の昨年は6月にスズキのVストローム250、8月にホンダのモンキー125でツーリングインプレを書かせていただいたが(記事はこちらから)、このコラムは2回しか書けなかった。アームズマガジンのお仕事や度重なる台風などのせいで、ゴールデンウィーク以降はツーリングインプレ以外ではまともに400Xでツーリングができなった。その結果、入湯数があまり増やせなかったのだ。本来ならこんなはずじゃなかったのだが致し方ない。

 年が明けて令和2年、年度末進行が終わって無罪放免になり、ようやく出かけられるタイミングがやってきた。連休が取れれば行く先の選択肢は増えるのだが今回は日帰り。当初は久しぶりに伊豆方面に向かおうと思ったのだが、あいにく天候がよろしくない。ツーリングマップルを見ながら日帰りで行けるところを探ったところ、栃木県の鬼怒川・川治方面が浮上してきた。伊豆方面同様、鬼怒川・川治方面もしばらく行っていない。前回行ったのがジェベル200に乗っていた頃なので15年以上も前だ。意外と入っていない温泉もあり、天候も問題なさそうなので鬼怒川・川治方面に向かうことに決定した。

 出発当日の天気は曇り。気分が高まっているせいか予定よりも早く起きてしまった。久しぶりのみしゅら〜んなので忘れ物がないか入念にチェックして出発。国道20号線を通って首都高に乗り東北自動車道を目指す。東北自動車を走るのは去年のVストローム250で福島県に行って以来だ。流れのいい東北自動車を走り、佐野SAで定番の佐野ラーメンを食べて腹ごしらえ。さっぱり系のスープは朝食にもイケる。

 宇都宮ICから日光宇都宮道路に入り、土沢ICで下車。日光観光の玄関口である今市を通過して国道121号線を北上すれば鬼怒川方面に到着する。なお、土沢ICから今市内に抜けて鬼怒川方面に向かう道はちょっと複雑なのだが、今市ICで下車すれば問題なく国道121号線を鬼怒川方面に進めるので、初めての方はそちらをお薦めする。

佐野SA
東北自動車道下り佐野SAで食べた佐野ラーメン。だいたい朝に立ち寄ることがほとんどなのだがつい食べたくなってしまう。

 なんとか国道121号線に入って鬼怒川方面に進む。東武ワールドスクウェアの前を通過してほどなく鬼怒川温泉に到着した。鬼怒川温泉と言えば熱海温泉や有馬温泉、草津温泉、別府温泉などと並ぶ日本を代表する温泉街だ。実際に行ってみると、廃業している宿泊施設などが多く斜陽な雰囲気が漂う。しかし東京から近くて手頃に行ける場所として幅広い層の方々が訪れている。今回訪れたのは東武鬼怒川線・鬼怒川公園駅近くにある「鬼怒川公園岩風呂」だ。

 国道121号線を通って温泉街を通過し、鬼怒川にかかる橋を渡って右側に見える鬼怒川公園駅の真上に目的地が見えるのだがアプローチ方法がわからない。いったん川治方面に走って踏切を渡り、線路沿いの小道を走って駅方面まで戻ったところで目的地の入り口があった。実際には手前の鬼怒川温泉駅から線路沿いに走ってくるとアクセスしやすい。鬼怒川温泉「鬼怒川公園岩風呂」は栃木県日光市藤原にある日帰り入浴施設だ。入湯料は510円。内風呂と露天風呂がそれぞれ1つずつあり、露天風呂は広く開放感があってゆったりできる。お湯は無色透明でちょっと熱め。サラッとした肌触りで湯疲れせず、朝風呂にちょうどいい感じ。数時間走ってきた身体がほぐれていく。やっぱり温泉はいいぜ!

鬼怒川公園岩風呂
東武鬼怒川線・鬼怒川公園駅の上に「鬼怒川公園岩風呂」がある。まさに駅チカ温泉だ。駐車場は温泉の敷地内にある。
鬼怒川公園岩風呂
鬼怒川温泉「鬼怒川公園岩風呂」。鬼怒川温泉という立地から平日にもかかわらず多くの方が訪れていた。

 「鬼怒川公園岩風呂」で一服したところで時間は午前11時15分。午前中にあと1〜2湯入れそうだ。次に目指すのは国道121号線沿いにある川治温泉の「薬師の湯」。鬼怒川温泉から20分ほどで川治温泉に到着。川治温泉の温泉街を通過して野岩(やがん)鉄道・会津鬼怒川線「川治湯元駅」方面に向かい、鬼怒川方面に道を下って川沿いに目的地はあった。川治温泉「薬師の湯」は栃木県日光市川治温泉にある日帰り入浴施設だ。入湯料は700円。野岩鉄道の鉄橋下にあり、近くにキャンプ場が併設されている。混浴風呂が3月31日までリニューアル工事のため営業休止と玄関に張り紙がしてあった。ちょっと残念だが仕方ない。やや小さめの内風呂のみで、お湯は無色透明。適温でキシキシした肌触り。ぜひとも混浴露天風呂に入ってみたかった。

薬師の湯
鬼怒川温泉の次に訪れた川治温泉の「薬師の湯」。残念ながら混浴露天風呂はリニューアル工事中だった。
鬼怒川
上栗山温泉に向かう途中にあった鬼怒川の川面はエメラルドグリーン色で、雪解けの季節からか水量は豊富だった。

 川治温泉に入ったところで時間は午後0時10分。昼食までにもう1湯入れそうだ。川治温泉からさらに国道121号線を北上して湯西川温泉に向かう前に、国道121号線から県道23号線に入り、川治ダムを通過して川俣温泉方面にある上栗山温泉「開運の湯」に向かうことにした。鬼怒川沿いに走る県道23号線は交通量が少なく快適に走れる。豊かな自然に恵まれたこの周辺はダムが多く、雪解け水のせいかダムは満水状態。暖かくなるともっと気持ちよく走れるだろう。川治温泉から約40分ほどで上栗山温泉に到着した。

開運の湯
上栗山温泉「開運の湯」。「番台なしで営業中」の看板が立っており、私が滞在中に入浴に来た方はいなかった。
開運の湯
湯舟に満たされた源泉かけ流しの鉄の臭いがする緑褐色のお湯。ちょっと熱めだが、それが却って心地いい。

 上栗山温泉「開運の湯」は栃木県日光市上栗山にある日帰り入浴施設だ。入湯料は510円。入口近くに「番台なしで営業中」の看板が立っていた。訪れたのが平日の昼間だったので無人で営業しているようだ。中に入ると料金箱があり、そこに入湯料を入れるかたちだ。内風呂のみだが、この地域では珍しい湯舟には鉄の臭いがする緑褐色のお湯で満たされていた。湯温は源泉かけ流しでちょっと高めだが、泉質とあいまって心地いい熱さだ。このお湯をしばし独り占め。あまりの気持ちよさに上がりたくなくなってしまった。長湯したくなるお湯だ。

開運の湯
大きな窓からは初春の日差しが入り込み、つい時間を忘れてしまう。久しぶりに「当たり」の温泉に入った。
開運の湯
上栗山温泉を出たら晴れて気温も上昇してきた。予報よりも天気がよくなり気分も盛り上がる。山の木々は冬から春になろうとしていた。

 私好みのお湯に久々に出会って気分上々。外に出ると晴れ間が広がり気温も一気に上昇した。いいお湯に出会った時はなぜか天気が良くなるんだよな…。上栗山温泉から県道23号線を川治温泉方面に戻り、今度は湯西川温泉に向かう。温泉が立ち並ぶこの地域は連湯するのにピッタリだ。今回は湯西川温泉の入口にある「道の駅 湯西川」にある「湯の郷」に入ることにした。

 道の駅に到着すると時間は午後2時。お腹が減ってきており、温泉に入る前に道の駅で昼食を食べることにした。館内にある食堂のメニューを見ていたら「川治ダムカレー」と「湯西川ダムカレー」が目に飛び込んできた。即決即断。量の多い「湯西川ダムカレー」をチョイス。まさにダムのように切り立った大盛ごはんと、道の駅オリジナルの湯西川ダムのダムカードがおまけでついてきた。ダムカレーを食べるのは初めて。切り崩しながら食べるごはんと、お母さんの手作り感のある具だくさんのルーはどこか懐かしい味がしておいしかった。

 腹がいっぱいになったところで館内にある温泉に向かった。湯西川温泉「湯の郷」は国道121号線沿いにある野岩鉄道・会津鬼怒川線「湯西川温泉駅」に直結した「道の駅 湯西川」内にある日帰り入浴施設だ。入湯料は510円。受付は2階にあり、綺麗な館内には眼前に男鹿川を望む広々とした内風呂が1つ、少し小さめの露天風呂が1つずつ用意されている。源泉かけ流しのお湯は無色透明でごくわずかに硫黄臭がする。適温で肌触りは柔らかい。旅の途中で立ち寄るにはちょうどいい感じだ。

湯西川ダムカレー
「道の駅 湯西川」で食べた湯西川ダムカレー(900円)。ボリューム満点なうえにダムカードまで付いてくる。ダムマニア以外にもお薦めの逸品だ。
湯の郷
「道の駅 湯西川」内にある「湯の郷」の内風呂。ダムカレーと温泉の相乗効果(?)で建物の外観を撮影するのをすっかり忘れてしまった…。

 「湯の郷」を出たところで時間は午後14時40分。すでに4湯入っており、次で本日のラストにすることにした。ラスト5湯目は、国道121号線をさらに北上して野岩鉄道・会津鬼怒川線「中三依(なかみより)駅」近くにある中三依温泉「男鹿の湯」にすることにした。湯西川温泉から走ること30分ほどで目的地に到着した。
 中三依温泉「男鹿の湯」は栃木県日光市中三依にある日帰り入浴施設だ。料金は600円。私より年下の夫婦が切り盛りしているらしく、場内にはコテージやBBQ場が併設されている。館内はアジアンテイストな装飾品がセンスよくレイアウトされ落ち着いた雰囲気が漂う。内風呂のみで窓からはのどかな景色が広がる。お湯は無色透明で適温。肌触りは優しく長湯したくなるお湯だ。
 帰ろうとすると玄関先で奥さんが「湯加減はいかかでしたか?」と聞いてきたので「バッチリでした!」と答えたら、ご主人が「いちばん風呂でしたよ」と言っていた。私はいちばん風呂に入る機会が多いので嬉しかったが、帰宅してからあらためてHPを見たところ、訪れた日は冬季休業が開けてすぐで、営業開始時間が15時からだったのだ。日帰り入浴は土日のみらしく、この時は事前情報なしで訪れたのでタイミングよかった。

男鹿の湯
野岩鉄道・会津鬼怒川線「中三依(なかみより)駅」近くの中三依温泉「男鹿の湯」。冬季休業から開けたばかりなところをお邪魔した。
男鹿の湯
館内だけではなく浴室もお洒落な雰囲気が漂う。滑らかなお湯が特徴。この日はいちばん風呂だった。

 中三依温泉に入ったところで時間は午後4時になろうとしていた。本日の湯巡りはここで終了。5湯入ったので成果は充分だ。国道121号線を戻って湯西川温泉、川治温泉、鬼怒川温泉を通り、帰りは大沢ICから日光宇都宮線に乗り、東北自動車道を走って帰宅した。今年は新型コロナウイルスの影響もあって外出自粛モードだが、終息に向かったらロングツーリングに出かけたい。それまでじっくりツーリングシーンを妄想しよう。

 ■ブースカ的独断温泉評価(5段階評価)

●鬼怒川温泉「鬼怒川公園岩風呂」★★★★★ 電車でも気軽に立ち寄れる駅チカ温泉。


●川治温泉「薬師の湯」★★★★★ 混浴露天風呂が再開したらもう一度入湯してみたい。


●上栗山温泉「開運の湯」★★★★★ 山奥に佇む知る人ぞ知る名湯とはまさにこれ。


●湯西川温泉「湯の郷」★★★★★ 気軽に立ち寄れて温泉だけではなく食事も楽しめる。


●中三依温泉「男鹿の湯」★★★★★ 営業日時限定なので宿泊してお湯を楽しみたい。


毛野ブースカ

月刊アームズマガジン』の編集ライター。バイクに乗り始めてから温泉が好きになり、現在までの温泉踏破数は816湯。湯巡りツーリングの相棒はホンダ・400X。ちなみにマイカーはスズキのエスクードだ。


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2020/04/09掲載