1993年 ZZR1100(D1)
高まる人気に応え、超高速域での安定性や信頼性、耐久性の向上とともに、さらなる乗りやすさと快適さなどを追求しフレームを一新して1992年のケルンショーでデビューしたのがD型。
エンジンの基本構造はC型と同じだが、内部のパーツを変更し、他の部分も大幅に改良が行われた。外観上で一番解りやすいC型との変更点は、正面ラムエアの導入口が2つになったこと。
燃料タンクも21から24リットルと大容量化されて航続距離がさらにアップ、合わせて要望の高かった燃料計も追加された。
あまり詳しくない人が見れば、C型とそれほど大きな違いがなさそうに見える。つまり、初代からのZZRコンセプトとデザインは継承しつつ内部をリフレッシュしたということは、ZZR1100が陳腐化してのモデルチェンジではないということの証でもあった。
車体色は曲線のグラフィックとなったエボニー×パールティールグリーン、メタリックバイオレットロイヤル×キャンディサンゴッドオレンジ、エボニー×ジュピターグレーマイカ。北米仕様はキャンディワインレッド。北米仕様のみZX-11のエンブレムが立体となっている。
●エンジン型式:水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量(内径×行程):1052cc(76×58mm)●最高出力:147ps/10500rpm ●最大トルク:11.2kg-m/8500rpm ●全長×全幅×全高:2165(ドイツ、ギリシャ、フィンランド、ノルウエー、スウェーデン、スイス向けは2180)×730×1205mm ●軸距離:1495mm ●乾燥重量:233kg ●燃料タンク容量:24L●タイヤ前・後:120/70ZR17·180/55ZR17
カウルのサイドにグラフィックが追加され、イメージが変わったD2だが、グラフィック以外D1からの変更はない。
この年からカタログは欧州向け(最下段左)はZZR600と、北米向け(最下段右)はNINJAシリーズ(ZX-11、ZX-7、ZX-7R、ZX-6、600R、500、250R)と一体のシリーズカタログとなった。
車体色は派手な色使いのエボニー×キャンディワインレッドとパールティールグリーンメタリックノクターンブルーと、対照的に落ち着いたソリッドカラーのキャンディワインレッド、パールグリニッシュブラックの4色。北米仕様はソリッドのパールグリニッシュブラック。
1995年 ZZR1100(D3)
D型になってから初のモデルチェンジをおこなったのがD3。欧州の騒音規制強化に対応するために、エキパイ内部構造変更、防音材の増加、ドリブンスプロケットの丁数変更、フロントフォークとキャブセッティングの変更と、ミッションのシフトタッチ感を改良するなど徹底した対策が行われた。タコメーター内にあったセカンドトリップメーターは廃止され、新たにデジタル時計に装換された。
車体色は一見単色にも見える落ち着いたグラフィックとなったパールプラッシュブラックマイカ、メタリックソニックブルー、キャンディワインレッド。北米仕様はパールプラッシュブラックマイカ。
1996年 ZZR1100(D4)
リアカウルに入った1100の文字が立体エンブレムに変更されている他はD3から変更のないD4。
カラーはグラフィックのないシックなルミナスウインドウズグリーンとキャンディカーディナルレッドのみとなった。北米仕様の車体色も同一。
1998年 ZZR1100(D6)
それまでの単色からアンダー部分がシルバーのツートーンカラーになり、カウルのサイドにKLEENの文字が入った触媒付モデルも誕生。北米仕様はエボニーのみ。