CBR250R/CBR250R<ABS> 449,400円/499,800円(3月18日発売)
★ホンダ CBR250R 車両解説
グローバル時代の新型CBR250R登場
国際協力で生み出されたベーシック・スポーツ
ホンダは昨年の10月27日、タイホンダで生産する本格的なロードスポーツ「CBR250R」を日本国内でも発売を開始すると発表した。以来多くの方が待ち望んだであろうその日、3月18日がやってきた。
ちなみにCBR250Rの開発は、日本とタイによる共同研究で行われ、タイホンダにとっては同社で生産する最大排気量、かつ初の本格的なロードスポーツモデルとなる。
これまでも、海外で生産され国内販売されたモデルが無かったわけではないが、アメリカ産のゴールドウイングを除けば、小型スクーターがメイン。国内の主力となるモデルを海外で生産するというのは「いよいよその時代が来たか」の感が強い。
というより、今後ますます常態化する“グローバル時代”にあっては、好むと好まざるとにかかわらず、モノの生産は労働力の安い海外で生産するのが当たり前になる、ということだ。どこで作ろうとホンダ・ブランドである以上はホンダ・スピリット溢れるマシンであることを期待しよう。
ちなみにCBR250Rという名称が冠せられている以上は、ヒストリー的なモノを付け加えておくと、源流は1986年4月に発売開始された水冷4ストロークDOHC4バルブにカムギヤトレインを採用したCBR250FOURに端を発しているといえるだろう。まさに’60年代のGPレーサーを彷彿とさせるスペックだったが、そういった凝ったメカニズムのマシンをも受け入れられたのが当時のバイクブームのすさまじさだったと言える。
このCBR250FOURはレプリカブームの一端を担うスポーツバイク(当時はまだスーパースポーツという呼称は使われていなかった)として登場したが、わずか1年足らずの翌’87年3月には、ハーフカウルからフルカウルへ、シートも前後分離タイプに、リアにはディスクブレーキ、ペダルもジュラルミン製に変更されるなどでさらに先鋭化。’88年、’89年とカラーリングもまさにレプリカそのものへと毎年の如く進化して全盛期を迎える。
1990年3月、ついにレーサーレプリカ“RR”のネーミングを冠したCBR250RRに発展する。キャブレターからエキゾーストまでをほぼ一直線に配置したレーサーのようなエンジン、最高出力回転数は15,000rpm。フレームもレーサーゆずりのアルミ製LOW CENTER OF GRAVITYという低重心指向のツインチューブフレームを採用。このCBR250RRは’94年型まで発展して、CBR250のヒストリーは終わっている。
とざっとCBR250の変遷を取り上げたが、これだけを見ても分かるとおり、新型CBR250Rは生まれ変わって復活したCBR250、というより、まさにグローバル時代という新しい時代を迎えて登場した完全なニューモデル、としてのCBR250Rととらえるべきだろう。これからバイクに乗り始めようという方々にとってはそういう“昔話”もあるんだよ、程度のつながりとしておきたい。
★HONDAプレスリリースより (2011年3月15日)
新型のロードスポーツモデル「CBR250R」を発売
Hondaは、市街地の走行から郊外のツーリングまで、幅広い用途で扱いやすい新型の軽二輪ロードスポーツモデル「CBR250R」を、3月18日(金)に発売します。
今回、車体色に存在感と迫力を強調するダークネスブラックメタリックを追加。従来から設定しているキャンディープロミネンスレッド、パールサンビームホワイトの2色と合わせ、全3色の展開としています。
より多くのお客様に、スポーツモデルを所有する喜びや操る爽快感と楽しさを提供するために、メーカー希望小売価格は44万9,400円(スタンダードタイプ)とお求めやすい価格を実現しています。
CBR250Rの開発にあたっては、エントリーユーザーからベテランまでの幅広いお客様の期待に応えるとともに、世界各国の市場に適合するサイズや嗜好に合うスタイリングなどを反映したグローバルモデルの確立という高い目標を掲げました。開発の指針を“Sport Quarter for One World, CBR250R”とし、新開発のトラス構造フレームと軽量・コンパクトな水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ・単気筒250ccエンジンを搭載。また、VFR1200FやCBR1000RRで採用している、Hondaのフルカウルスポーツモデルの最新デザイン理論「マス集中フォルム」を基に、ダイナミックかつスポーティーなスタイリングを実現し、所有する喜びと操る楽しさを高い次元で両立しています。
なお、国内向けCBR250Rの生産は、グローバルモデルの125ccスクーターPCXの生産で実績があるタイホンダマニュファクチュアリングカンパニー・リミテッドにて行います。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- 7,000台
- ●メーカー希望小売価格
- CBR250R スタンダード
- 449,400円(消費税抜き本体価格 428,000円)
- CBR250R<ABS>
- 499,800円(消費税抜き本体価格 476,000円)
※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません。
- =CBR250Rの主な特長=
- ●ダイナミックでスポーティーなスタイリング
- スタイリングは、Hondaのフルカウルスポーツモデルの最新デザイン理論「マス集中フォルム」を基に、流麗でありながらダイナミックなフォルムを実現しています。アッパーカウルは、左右に設けたエアアウトレットにより、ライダーに適度な走行風を導くとともに、走行中の車体の切り返し性の向上にも寄与しています。ミドルカウルは、エンジンの冷却性能を向上する高効率なエアマネジメント機構を持たせながら、美しいサーフェスデザインを実現しています。アンダーカウルは、エンジン下部と触媒装置(キャタライザー)周辺に走行風を導く構造としながらスタイリッシュなデザインとしています。
- ●力強く扱いやすい出力特性と高い環境性能を両立した新開発エンジン
- エンジンは、新開発の水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ・単気筒250ccエンジンを搭載しています。DOHCエンジンを搭載する二輪車では世界初※1となるローラーロッカーアームを採用するとともに、オフセットシリンダーによってフリクションを低減させています。電子制御燃料噴射装置(PGM-FI※2)に加え、O2センサーの採用やマフラー内に装備した触媒装置(キャタライザー)との相乗効果により、高い環境性能を実現しています。これらの技術を採用することで、低回転域から高回転域まで力強く滑らかな出力特性と、49.2km/L(60km/h定地走行テスト値)の低燃費を実現しています。
- ●軽快なハンドリングと操縦安定性を実現したトラス構造の新開発フレーム
- フレームは、しなやかさと高い剛性を両立したトラス構造のダイヤモンドフレームを採用しています。軽量・コンパクトなフレームを新設計とすることで、スポーツモデルとしての軽快なハンドリングと操縦安定性を実現しています。
- ●車体色
- 車体色は、Honda伝統のトリコロールをイメージしたパールスペンサーブルー、鮮やかなキャンディールビーレッド、精悍なアステロイドブラックメタリックの3色を、スタンダードとABSタイプそれぞれに設定しています。
- ●その他の主な特長
- ・250ccクラスのロードスポーツモデルとしては世界初※3となるコンバインドABSをタイプ設定。
- ・スタイリッシュなデザインの新設計前・後アルミキャストホイール。
- ・スピード、水温、オド/トリップ、時計など豊富な情報を表示するインストルメントパネルの液晶表示部。
- ・専用のUロック※4や雨具などを収納できるピリオンシート下のユーティリティースペース。
- ※1、3 Honda調べ(2011年3月時点)
- ※2 PGM-FI(Programmed Fuel Injection System)は、Hondaの登録商標です
- ※4 別売
★主要諸元
車名型式 | JBK-MC41 | |
---|---|---|
CBR250R〈ABS〉 | ||
発売日 | 2011年3月18日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.035×0.720×1.125 | |
軸距(m) | 1.370 | |
最低地上高(m) | 0.145 | |
シート高(m) | 0.780 | |
車両重量(kg) | 161〈165〉 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費(km/L) | 49.2(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 2.5 | |
エンジン型式 | MC41E | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 76.0×55.0 | |
圧縮比 | 10.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 20[27]/8,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 23[2.3]/7,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 13 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイル・スプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.3333 |
2速 | 2.117 | |
3速 | 1.571 | |
4速 | 1.304 | |
5速 | 1.115 | |
6速 | 0.962 | |
減速比1次/2次 | 2.807×2.714 | |
キャスター(度) | 25°30′ | |
トレール(mm) | 98 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70-17M/C 54S |
後 | 140/70-17M/C 66S | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※〈 〉の数値はコンバインドABS仕様