MT-03 556,200円(10月10日発売)
★ヤマハ MT-03 車両解説
YZF-R3にスポーツ・ネイキッド仕様の兄弟車、MT-03が登場
多くのヤマハファン待望のニューモデルとしてYZF-R25が国内発売開始されたのは2014年12月。新設計のダイヤモンドタイプフレームに、249ccの排気量を持つ水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載しての登場だった。最高出力は、27kW(36PS)/12,000rpm、最大トルク23N・m(2.3kgf-m)/10,000rpmを発揮。250フルカウルスポーツクラスの最後発モデルとしてトップレベルの性能を誇っていた。
足回りでも600ccクラスに匹敵するφ41mmのインナーチューブ径を持つ剛性の高いフロントサスに、リアにはモノクロサスが組み合わされ、余分なクオリティとしてではなく、必要にして十分な路面追従性と乗り心地を両立させるための採用と説明されていた。
なによりも、YZF-Rシリーズ一族の血統を色濃く感じさせるスタイリングが秀逸で、“マスフォワードシルエット”を構成する逆スラントの2眼ヘッドランプや切れ上がったテールなど、YZF-RシリーズのDNAを色濃く持って開発されたニューモデルだった。
2015年4月に、このYZF-R25シリーズのグローバルモデルとして開発されていたYZF-R3 ABSが国内でも発売されることになった。車体は、YZF-R25とほぼ同一で、エンジンの基本構成も変わらず。YZF-R25のエンジンのボア66.0mmに対して68.0mmへ拡大し(ストロークは44.1mmと変わらず)、余裕のパワーを生み出す排気量320ccとされていた。最高出力は31kW(42PS)/10,750rpm、最大トルクは30N・m(3.0kgf・m)/9,000rpmへとそれぞれアップ。その他のメカニズム面での変更は、6速ミッションの各ギア比を再設定したこと、足回り面でもタイヤサイズは同一としながら、対応スピードレンジを「S」からミシュラン製の「H」レンジタイヤへとアップグレードした程度。またYZF-R3では、ABSを標準装備するモデルのみのラインナップとなっていた。
今回、YZF-R25にネイキッド仕様のMT-25がラインナップされたのと時を同じくして、このYZF-R3 ABSにもネイキッド仕様のMT-03が発売された。MT-25と同様、エンジンの出力などは同一で、搭載される軽量ダイヤモンドフレームや足回りも基本はYZF-R3と共通。最大の特長といえるネイキッドスタイルのデザインは、14リットル入りの燃料タンクサイドに設けられた樹脂製カバーやラジエターシュラウド、そして個性的なチーターの目をイメージさせるLEDポジションランプが採用されたヘッドライト周りなどにより、個性的ながらもスッキリとしたスポーツモデルにまとめられている。
★YAMAHA プレスリリースより (2015年8月25日)
軽量コンパクトな車体で人気の“MT シリーズ”の新製品
「MT-03」「MT-25」新発売
ヤマハ発動機株式会社は、軽量コンパクトな水冷・直列2気筒エンジンを搭載する“MTシリーズ”の新製品、「MT-03(エムティ ゼロスリー)」と「MT-25(エムティ ツーファイブ)」を2015年10月10日より発売します。
「MT-03」「MT-25」は、<大都会のチーター>をコンセプトに開発し、「MT-09」「MT-07」など“MTシリーズ”共通のシャープで躍動感ある独創的なスタイリングに仕上げました。また、「YZF-R3/R25」をプラットフォームに「MT-03」は320cc、「MT-25」は250ccのエンジンを搭載しました。
製造は、当社のグループ会社PT.Yamaha Indonesia Motor Manufacturing(YIMM)が行います。
- <名称>
- 「MT-03」
- <発売日>
- 2015年10月10日
- <メーカー希望小売価格>
- 556,200円(本体価格515,000円/消費税41,200円)
- <カラーリング>
- ・マットシルバー1(マットシルバー)
- ・ブラックメタリックX(ブラック)
- ・レッドメタリック7(レッド)
- <名称>
- 「MT-25」
- <発売日>
- 2015年10月10日
- <メーカー希望小売価格>
- 523,800円(本体価格485,000円/消費税38,800円)
- <カラーリング>
- ・マットシルバー1(マットシルバー)
- ・ブラックメタリックX(ブラック)
- ・レッドメタリック7(レッド)
- <販売計画>
- 4,000台(年間、国内)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(消費税)、登録に伴う諸費用は含まれません。
- 《主な特徴》
- 1)高揚感のあるフィーリングを生み出す軽量エンジン
- エンジンは、水冷・直列2気筒・DOHC・4バルブ・FI(フューエルインジェクション)で、コンパクトな燃焼室内で混合気の縦渦(タンブル)を積極的に生成させ、素早い燃焼促進による優れた出力・トルク特性を引き出します。高精度で作動する直押し式の吸排気バルブ、強度に優れた浸炭コンロッド、低振動に貢献するアルミ製鍛造ピストンなどを投入しています。排気系には2-1のエキゾーストパイプとショートマフラーを採用、車体中央下部に寄せてコンパクトに配置することで重量マスの集中を図っています。
- 2)軽量フレームとロングリアアーム
- 剛性バランスに優れた軽量ダイヤモンド型フレームを採用しています。エンジン懸架4ヵ所のうち3ヵ所をリジッドとし、エンジンケースを車体の強度部材として機能させ軽量化に繋げました。左右非対称のリアアーム長は573㎜とロング設計で、コーナーや加減速時においてはリアアームの対路面角度の変化率が少なく、駆動力が効率よくリアタイヤに伝わります。
- 3)市街地での機敏な走行に適したライディングポジション
- 市街地での機敏な走行性を支えるライディングポジションとしました。やや幅広なバーハンドルは、高さや前後のポジションに加え、垂れ・絞り角など総合的検証を経てバランスさせ、自然な操舵フィーリング、機敏な走行性を支えます。またネイキッドならではの前方の開放感が楽しめます。(ご参考:ハンドル位置は「YZF-R3/R25」比較で手前に約19㎜、約39㎜高く設定)
- 4)俊敏な走りをイメージさせるヘッドライトとLEDポジションランプ
- 俊敏な走りを印象づける新デザインの1灯H4ヘッドライトをステアリングマウントにて装備しました。ヘッドライト上部左右には、LEDポジションランプを設け、内側に導光体を配しているので灯火時はアイライン風のイルミネーションとなって輝き、存在感を強調しています。
- 5)機敏さを印象づける燃料タンク&エアーシュラウドデザイン
- ネイキッドらしさと凝縮感のある樹脂製タンクカバーを備える14ℓ燃料タンクを採用。ニーグリップ部、タンク本体、ラジエターシュラウドの3つの部分がそれぞれ独立しながら、ひとつの塊となっており、アップライトなハンドルポジションとあいまって軽快感に貢献。また“MT”シリーズの特徴であるエアーインテークアイコンを採用しました。
- 6)ボディの凝縮感を印象づけるアシストグリップ、その他
- 左右別体のアルミダイキャスト製アシストグリップを採用しました。握り易さ、質感、そして凝縮感あるボディを印象づけています。また、コンパクトなアンダーカウル、“MT シリーズ”同形状のバックミラーなどが特徴です。
- 「MT-03」「MT-25」フィーチャーマップ
- ・マルチファンクションメーター
- ・新デザインH4ヘッドライト
- ・41㎜径インナーチューブ採用フロントサスペンション
- ・アルミ鋳造ホイール
- ・前後17インチタイヤ(「MT-03」はミシュラン製、「MT-25」はIRC製)
- ・2ポットキャリパー採用ディスクブレーキ(フローティングマウント)
- ・水冷4ストローク直列2気筒FI
- ・DOHC直押し式4バルブ
- ・鍛造ピストン、DiASilシリンダー
- ・オフセットシリンダー
- ・アンダーカウル
- ・アップライトなバーハンドル
- ・機敏さを印象づけるタンクカバー
- ・ヘルメットホルダー
- ・アルミ製アシストグリップ
- ・LEDテールライト
- ・モノクロスサスペンション
- ・ロングリアアーム
- ・中空アクスル(前後)
- ・ヒールガード(「MT-25」はホール入り)
- ・ダイヤモンドフレーム
★主要諸元
車名型式 | EBL-RH07J〈JBK-RG10J〉 | |
---|---|---|
MT-03〈MT-25〉 | ||
発売日 | 2015年10月10日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.090×0.745×1.035 | |
軸距(m) | 1.380 | |
最低地上高(m) | 0.160 | |
シート高(m) | 0.780 | |
車両重量(kg) | 165 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 34.6〈33.5〉(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
24.4〈26.2〉(WMTCモード値 クラス3、サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | H402E〈G401E〉 | |
水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 320〈249〉 | |
内径×行程(mm) | 68.0〈60.0〉×44.1 | |
圧縮比 | 11.2〈11.6〉 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 31[42]/10,750〈27kW[]36PS/12,000〉 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 30[3.0]/9,000〈23[2.3]/10,000〉 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | T.C.I.(トランジスタ式) | |
潤滑油方式 | 強制圧送ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 2.4 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.500〈2.666〉 |
2速 | 1.823〈1.882〉 | |
3速 | 1.347〈1.454〉 | |
4速 | 1.086〈1.200〉 | |
5速 | 0.920〈1.037〉 | |
6速 | 0.800〈0.920〉 | |
変速比 | 3.043/3.071 | |
キャスター(度) | 25°00′ | |
トレール(mm) | 95 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70-17M/C 54H〈54S〉 |
後 | 140/70-17M/C 66H〈66S〉 | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果からの計算値。