GSX-S1000 ABS/GSX-S1000F ABS 1,115,640円/1,166,400円(7月6日発売)

★GSX-S1000 ABS/GSX-S1000F ABS 車両解説

スズキの“ストリートスポーツ”に旗艦GSX-S1000シリーズが誕生

先のモーターサイクルショーで国内デビューし、多くのバイクファンの注目を集めたスズキの新型スポーツモデル、GSX-S1000 ABS/S1000F ABSがいよいよ発売開始される。スーパースポーツ、GSX-R1000をベースとしたエンジンを、これまたGSX-R1000をベースにさらに開発を進めたフレームに搭載したスポーツモデル。“GSX-R”というサーキット指向のスーパースポーツに対して、こちら“GSX-S”はワインディングを制する「高揚感のある加速と走りを楽しめる」ストリートスポーツだ。

スズキが強調していたのは「GSX-S1000 ABS/S1000F ABSは、ストリートでのエキサイティングな走りのために生まれました」ということだった。スーパースポーツ、GSX-R1000をベースに開発がスタートしたのは周知の事実だろう。それ故、サーキット指向の強烈な走りをそのまま引き継いでいると捉えられたくない、それが開発者たちの強い思いとなっていた。「走る」「曲がる」「止まる」を高いレベルで実現するのはスーパースポーツも同じだが、戦うフィールドが違えばおのずとその質は違ってくる。

エンジンは、GSX-R1000のものをベースに再開発している。だが、単純にベースにといっても、GSX-S1000 ABS/S1000F ABS用に選んだのは最新モデルのエンジンではなかった。実際に各世代のGSX-R1000をアップハンのネイキッドスタイルにしてテストするなど、ネイキッドスポーツとの相性を調べた結果、よりトルクフルで中低回転域も重視する2005年~2008年のモデルに搭載されたエンジンに白羽の矢が立ったという。

フレームも基本はGSX-R1000から開発が始まっているが、ストリートでのよりしなやかな特性を実現するべく剛性を中心に見直しが行われ、さらにはエンジンもデザインの一部として重要な役目を果たすネイキッドならでは、で最終決定の直前でエンジンハンガー部のリデザインなども行われたという。

このように、スタート地点こそGSX-R1000だが、ほぼ全てに渡って再開発が行われ、GSX-R1000の遺伝子がそのままのカタチで伝わっているのは、唯一スイングアームくらいなのだそうだ。

ネイキッドのGSX-S1000 ABS。カラーは2色。「グラススパークルブラック/キャンディダーリングレッド」。
GSX-S1000 ABS。「トリトンブルーメタリック」
フルカウルのGSX-S1000F ABS。「グラススパークルブラック/キャンディダーリングレッド」。
GSX-S1000F ABS。「トリトンブルーメタリック」。

★SUZUKI プレスリリースより (2015年6月18日)

スズキ、新型ロードスポーツバイク
「GSX-S1000 ABS」、「GSX-S1000F ABS」を発売

スズキ株式会社は、高揚感のある加速と軽快な走りを楽しめる新型ロードスポーツバイク「GSX-S1000 ABS」、「GSX-S1000F ABS」を7月6日より発売する。

「GSX-S1000 ABS」、「GSX-S1000F ABS」は、スーパースポーツバイク「GSX-R1000」(海外向けモデル)のエンジンをベースとした直列4気筒エンジンを搭載。高回転域の出力特性を損なうことなく、力強い低中速トルクにより街中やワインディングロードでの高揚感のある加速を楽しめる特性とした。また、軽快にライディングを楽しむため、軽量フレームをはじめとした小型・軽量な車体を新開発した。街中からワインディングまでの多様な走行シーンにおいて軽快でニュートラルなハンドリングと、アップハンドルによる前傾の少ない乗車姿勢を実現した。

「狩りをする野獣」をコンセプトにデザインされた、低く構える野獣を想起させるボディ形状を採用し、「GSX-S1000F ABS」には高速走行や長距離ツーリング時の快適性を高めるフルカウル(風防)を装着した。3段階※1から選択可能なトラクションコントロールや、レンサル社製アルミハンドルバー、ブレンボ社製ラジアルマウントフロントブレーキキャリパー、ABSを標準装備とし、スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけでエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」をスズキの二輪車で初めて採用した。
※1 1(低)/2(中)/3(高)の3段階(解除可能)

●「GSX-S1000 ABS」、「GSX-S1000F ABS」の主な特長
エンジン・車体
・「GSX-R1000」のエンジンをベースとした水冷直列4気筒998cm3エンジンは、鋭敏なスロットルレスポンスと高揚感のある加速を実現。
・ 軽量フレームをはじめとした新開発の小型・軽量な車体による軽快でニュートラルなハンドリングと、アップハンドルによる前傾の少ない乗車姿勢。
 
装備
・3段階※1から選択可能なトラクションコントロールは、前後輪の速度、スロットルポジション、クランクポジション、ギヤポジションの各センサーの情報により、リヤタイヤのホイールスピンを検出した際、速やかにエンジン出力を低減。エンジン出力をより効率よく路面に伝達することが可能となり、より快適なライディングを楽しめる。※2
・滑りやすい路面状況や過度なブレーキング等によるホイールのロックを一定範囲内で回避する電子制御式ABS※3を標準装備し、前輪には強力な制動力を発揮するブレンボ社製ラジアルマウントフロントブレーキキャリパーを装備。
・ハンドルが固定される中央部を大径化したテーパー形状による力強さと所有感を感じさせるレンサル社製アルミハンドルバー。
・スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターを回転させてエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能とした。
 
※2 トラクションコントロールは、あらゆる条件下で後輪のスリップ(スピン)を完全に制御したり転倒を防止するものではない。
※3 ABSは、ライダーのブレーキ操作を補助するための装置であり、制動距離を短くするための装置ではない。また、コーナリング中のブレーキングによる車輪の横滑りはコントロールすることができない。
 
デザイン
・「狩りをする野獣」をコンセプトに、低く構える野獣を想起させるボディ形状を採用。「GSX-S1000 ABS」のLEDポジションランプは牙を表す形状とし、「GSX-S1000F ABS」のフルカウルは低くシャープな形状のノーズ部分と前傾したサイドパネルで構成。ポジションランプは牙を表す形状とし、「GSX-S1000F ABS」のフルカウルは低くシャープな形状のノーズ部分と前傾したサイドパネルで構成。
・車体色は、青「トリトンブルーメタリック」、黒/赤「グラススパークルブラック/キャンディダーリングレッド」の2色を設定。
●年間目標販売台数
「GSX-S1000 ABS」、「GSX-S1000F ABS」合計720台
 
●メーカー希望小売価格
「GSX-S1000 ABS」、1,115,640円 「GSX-S1000F ABS」1,166,400円
※ 価格(リサイクル費用を含む)には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
 
●発売日
2015年7月6日

★主要諸元※1

車名型式 EBL-GT79A
GSX-S1000 ABS〈GSX-S1000F ABS〉
発売日 2015年7月6日
全長×全幅×全高(m) 2.115×0.795×1.080〈1.180〉
軸距(m) 1.460
最低地上高(m) 0.140
シート高(m) 0.810
車両重量(kg)※2 209〈214〉
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L)※3 23.8(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※4
19.2(WMTCモード値 クラス3-3-2 1名乗車時)※5
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) 3.1
エンジン型式 T719
水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 998
内径×行程(mm) 73.4×59.0
圧縮比 12.2
最高出力(kW[PS]/rpm)※6 107[145]/10,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)※6 106[10.7]/9,500
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 フルトランジスタ式
潤滑油方式 圧送式
潤滑油容量(L) 3.4
燃料タンク容量(L) 17
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.562
2速 2.052
3速 1.714
4速 1.500
5速 1.360
6速 1.269
減速比1次/2次 1.553/2.588
キャスター(度) 25°
トレール(mm) 100
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
190/50ZR17M/C 73W
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク ABS
油圧式シングルディスク ABS
懸架方式 テレスコピック式(インナーチューブ径41mm)
スイングアーム式
フレーム形式 ダイヤモンド

※1 主要諸元は道路運送車両法による型式指定(認定)申請書の数値です。(シート高を除く)
 ※2 装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります。
 ※3 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
 ※4 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
 ※5 WMTCモード値は、発進・加速・停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
 ※6 エンジン出力表示は「PS/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は、「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。
〈 〉内は、GSX-S1000F ABSの値です。