YZ250X 706,320円
★ヤマハ YZ250X 車両解説
ヤマハが新型2ストエンデューロマシン、YZ250Xを発売
ヤマハのモトクロッサー、YZシリーズが一斉に2016年モデルとなった。
4ストロークモトクロッサーのYZ450FやYZ250Fがビッグマイナーチェンジでさらに戦力アップしたのが大きな特徴だが、さらに今回は、YZ250Fにヤマハの創業60周年を記念した「60周年記念カラー」車が登場したのと、2ストロークモトクロッサー、YZ250をベースにエンデューロマシン、YZ250Xをラインアップしたのがトピックだろう。
YZシリーズをベースに“Real cross-country machine”をコンセプトに掲げ、クロスカントリー主体のエンデューロ用に開発したモデルだ。昨今のエンデューロレース人気にヤマハとしても本腰を入れて対応しようという現れだ。
ベースとなったYZ250の2ストロークエンジンだが、燃焼室形状が独自に再開発され、圧縮比を8.9から7.9へと下げ、あわせて排気ポートタイミングと、YPVSバルブ作動特性も変更、全閉・全開の切り替え時のエンジン回転数レンジを広く取ることで、なだらかにバルブを作動させ、低速から高速域まで良好な繋がり特性としているという。エンデューロで求められる扱いやすい高速の伸び特性を実現するための見直しだ。
またエンデューロでの走行に考慮して、深い轍でもチャンバーと路面が干渉することを抑える形状の専用チャンバーを開発したほか、ワイドレシオミッションの採用、専用セッティングを施した前後サスを定評の軽量アルミ製セミダブルクレードルサスとマッチングさせ、高い走破性、旋回性、直進安定性などに寄与しているという。
専用CDIユニットの採用や、エンデューロ用18インチリアタイヤ、実戦で役に立つサイドスタンド、給油タイミングを確認しやすいリザーブコック付き燃料タンクなども採用された。
★YAMAHA プレスリリースより (2015年6月5日)
2ストロークのエンデューロ用モデル「YZ250X」を新たにラインナップ
競技用「YZシリーズ」2016年モデルを発売
ヤマハ発動機株式会社は、オフロードでの競技専用モデル「YZシリーズ」の2016年国内仕様を2015年8月20日より発売します。
4ストロークエンジンを搭載する「YZ450F」「YZ250F」は、エンジン・車体関連に新たな仕様を織り込み戦闘力を向上させました。また、「YZ250F」には、当社創業60周年の記念カラーを設定、1970年代の北米におけるAMAモトクロスシーンを彷彿させるイエローにスピードブロックパターンをあしらいました。2ストロークエンジンを搭載する「YZ250」「YZ125」「YZ85LW」「YZ85」は、いずれもグラフィックを変更しました。
また新製品として近年人気のエンデューロ用モデルとして2ストロークの「YZ250X」を発売します。
なお、本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2015年6月5日から11月10日(「YZ250F」60周年記念カラーは6月5日から7月末日)の期間限定で予約の受付を行い販売します。
- <名称>
- 「YZ450F」「YZ250F」「YZ250F 60周年記念カラー」「YZ250」「YZ250X」「YZ125」「YZ85LW」「YZ85」
- <発売日>
- 2015年8月20日、「YZ250F 60周年記念カラー」車は2015年10月20日
- <車両本体販売価格>
- YZ450F 896,400円(本体価格 830,000円/消費税66,400円)
- YZ250F 745,200円(本体価格 690,000円/消費税55,200円)
- YZ250F 60周年記念カラー 756,000円(本体価格 700,000円/消費税56,000円)
- YZ250 695,520円(本体価格 644,000円/消費税51,520円)
- YZ250X 706,320円(本体価格 654,000円/消費税52,320円)
- YZ125 594,000円(本体価格 550,000円/消費税44,000円)
- YZ85LW 367,200円(本体価格 340,000円/消費税27,200円)
- YZ85 356,400円(本体価格 330,000円/消費税26,400円)
- <カラーリング>
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)、YZ250F 60周年記念カラーはライトレディッシュイエローソリッド(イエロー)
- <販売計画>
- 500台(シリーズ合計)
- ※YZシリーズ各モデルは、国土交通省の認定を受けていませんので、ナンバープレートを取得できません。また道路を走行できません。道路を走行すると道路交通法及び道路運送車両法の違反となります。私道、寺の境内、海辺、堤防上、農道、林道など道路の形態を整えていないところでも、人や車が自由に出入り出来るところは道路とみなされます。
- 保証(クレーム)の対象外製品となります。
- 「YZ250X」主な特徴
2016年モデルの新製品「YZ250X」は“Real cross-country machine”をコンセプトに掲げ、クロスカントリー主体のエンデューロ用に開発しました。YZ250直系の水冷2ストローク250ccエンジンとアルミ製フレームのプラットフォームはそのままに、性能パーツのポテンシャルをエンデューロでの走破性に適用。「YZ250の仕様違い」を超えた高性能が特徴となっています。長年のYZ250開発で得た数々のデータをもとに、そのノウハウをエンデューロでの走破性に応用しました。
- 1)高速での優れた伸び特性を備える水冷2 ストロークエンジン
- 現行YZ250の水冷2ストローク250ccのハイポテンシャルを、クロスカントリーを主体としたエンデューロでの走破性に適用したエンジンを採用しました。主な特徴は、燃焼室形状・圧縮比・排気タイミング・YPVS作動特性などの変更、専用CDIユニットなどです。これらの効果で、オープンエリアでの競技で扱いやすく、伸びのある特性となっています。
- 2)燃焼室形状、排気系の仕様
- 燃焼室容量は、ヘッド側形状変更により、YZ250の21.5ccから23.6ccに、圧縮比は8.9から7.9となっています(YPVS全開時)。あわせて排気ポートタイミングと、トルク谷を解消するYPVSバルブの作動特性を変更。全閉・全開の切り替えエンジン回転数レンジを広くとり、なだらかにバルブを作動させ低速から高速域までの良好な繋がり特性としました。エンデューロで求められる、扱いやすい高速伸び特性を引き出すポイントです。
- 3)轍走行での走破性にも貢献する専用チャンバー
- 深い轍走行などで、チャンバーと路面との干渉を抑える専用チャンバーを採用しました。YZ250に比べ、横方向と上下方向を細くしながらレイアウトを調整し、良好な排気効率と轍での走破性に貢献させています。
- 4)ワイドレシオミッションの採用
- クロスカントリーを主体としたエンデューロでの走破性を狙い5速ワイドレシオミッションを採用しました。1~2速はYZ250を踏襲しつつ、3~5速をワイドレシオ化。L/T比(ロー・トップ比)はYZ250の2.0から2.3としました。
- 5)専用セッティングを施した前後サスペンション
- YZ250ベースの前後サスペンションは、クロスカントリーを主体としたエンデューロでの走破性を基準に、減衰力セッティングを施しています。減衰感が伝わるセッティングで、ガレ場から高速まで、さまざまな状況で高い走破性を支えます。バネ定数はYZ250の仕様を継承、モトクロスコースのような場面での走りにも対応できるものとしました。
- 6)アルミ製セミダブルクレードルフレーム
- YZの開発で長年培ったノウハウを凝縮した軽量アルミ製セミダブルクレードルフレームを採用しました。ヘッドパイプ部はLP鋳造、タンクレール部には鍛造、ピボットまわりは強度に優れる押出し材を配置し、最適なバランスを備えます。専用セッティングしたサスペンションとのバランスが、高い走破性に貢献。旋回性、直進安定性、挙動安定化、ライダー疲労低減、ブレーキング時の車体安定感などさまざまな効用に繋がっています。
- 7)その他特徴
- ・高速での遅角特性を最適化した専用CDIユニット
- ・エンデューロ用18インチリアタイヤ
- ・クロスカントリーを主体としたエンデューロの実戦で役立つサイドスタンド
- ・給油タイミングを確認しやすいリザーブコック付燃料タンク
- ・前後ディスクブレーキ
★主要諸元
車名型式 | - | |
---|---|---|
YZ250X | ||
発売日 | 2015年8月20日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.185×0.825×1.290 | |
軸距(m) | 1.485 | |
最低地上高(m) | 0.360 | |
シート高(m) | 0.970 | |
車両重量(kg) | 104 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費(km/L) | -(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | - | |
水冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 66.4×72.0 | |
圧縮比 | 7.9~9.4 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
燃料供給装置形式 | キャブレター | |
始動方式 | キック式 | |
点火方式 | CDI(コンデンサ放電式) | |
潤滑油方式 | 混合給油 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 8.0 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 1.928 |
2速 | 1.533 | |
3速 | 1.312 | |
4速 | 1.050 | |
5速 | 0.840 | |
減速比1次/2次 | 3.000/3.571 | |
キャスター(度) | 27°40′ | |
トレール(mm) | 122 | |
タイヤサイズ | 前 | 90/90-21 54M |
後 | 110/100-18 64M | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |