YZ250F 745,200円
★ヤマハ YZ250F 車両解説
4ストモトクロッサー、YZ250Fが2016年モデルに、60周年記念カラー車も登場
YZ450F/YZ250Fの4ストローク・モトクロッサー兄弟は、2012年にフルモデルチェンジが行なわれている。この時のモデルの最大の特徴は、新設計フレームが採用されたことだった。縦、横、ねじれの剛性バランスを一新するため、タンクレールをそれまでの2ボックス断面型から、3ボックス断面型へと変更し、リアアーム取り付け部周りの形状、エンジン懸架部分の仕様変更も行った。また、新設計のフレームに合わせて、フロント周りのねじれ剛性のアップも図られた。エンジン面でもピストン周りの軽量化、吸気・排気系の変更などが行われた。
そして’13年モデルでは、このシーズンからMFJ国内競技規則の変更に適合させる新型サイレンサーの採用が行われた。YZ250Fでは、カラーリング面でも新デザイングラフィック採用のフロントカウル・エアスクープ、シャープなイメージを強調するホワイトカラーのリアフェンダー、そして従来はシルバーだったハンドルバーのカラーを精悍なブラックへと変更している。また、YZ450Fでは同様の変更他、F.I.のセッティングが簡単にできる「Power Tuner」も同梱されることになった。
2013年10月には、戦力大幅アップの’14年モデルが登場している。YZ250Fでは、前方吸気、後方排気と、YZ450Fと同じシステムの新エンジンを採用。ループ状に取り巻く新型のエキゾーストパイプや、ニューグラフィックの採用など一目で分かる新型へと変身した。YZ450Fでも、250と同様エンジンをループ状に取り巻く新型のエキゾーストパイプや、新設計のアルミ製バイラテラルビーム・フレームの採用など一目で分かる新型に変身となった。
2014年8月発売の2015年モデルでは、F.I.マッピングの変更と整備性の向上がYZ450F、YZ250Fに共通で行われ、450ではさらにエンジン懸架ブラケット材質・形状変更が行われ、250では前後にニューパターンタイヤが採用されていた。
今回は、戦力をさらにアップさせるビッグマイナーチェンジといえるもので、YZ250Fでは、エンジンおよび車体周りの細かな熟成を図ることで競争力をさらにアップさせようという変更となった。“リブ配置”構造と呼ばれる新形状の軽量ピストンの採用、最新の熱処理を施し、特に高回転域での信頼性を向上、トルクのリニア感を支えるクランク&バランサーの最適化、この他クラッチ、ミッション系の変更、サイレンサーブラケットの変更による軽量化、YZ450Fと同様φ270mmの大径ディスクブレーキの採用などが行われた。
また、今回のモデルチェンジに合わせて、YZ250Fにヤマハの創業60周年を記念したカラーモデルが登場している。懐かしい’70年代のAMAモトクロスシーンを彷彿させるイエローに黒のスピードブロックパターンをあしらったデザインだ。
★YAMAHA プレスリリースより (2015年6月5日)
2ストロークのエンデューロ用モデル「YZ250X」を新たにラインナップ
競技用「YZシリーズ」2016年モデルを発売
ヤマハ発動機株式会社は、オフロードでの競技専用モデル「YZシリーズ」の2016年国内仕様を2015年8月20日より発売します。
4ストロークエンジンを搭載する「YZ450F」「YZ250F」は、エンジン・車体関連に新たな仕様を織り込み戦闘力を向上させました。また、「YZ250F」には、当社創業60周年の記念カラーを設定、1970年代の北米におけるAMAモトクロスシーンを彷彿させるイエローにスピードブロックパターンをあしらいました。2ストロークエンジンを搭載する「YZ250」「YZ125」「YZ85LW」「YZ85」は、いずれもグラフィックを変更しました。
また新製品として近年人気のエンデューロ用モデルとして2ストロークの「YZ250X」を発売します。
なお、本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2015年6月5日から11月10日(「YZ250F」60周年記念カラーは6月5日から7月末日)の期間限定で予約の受付を行い販売します。
- <名称>
- 「YZ450F」「YZ250F」「YZ250F 60周年記念カラー」「YZ250」「YZ250X」「YZ125」「YZ85LW」「YZ85」
- <発売日>
- 2015年8月20日、「YZ250F 60周年記念カラー」車は2015年10月20日
- <車両本体販売価格>
- YZ450F 896,400円(本体価格 830,000円/消費税66,400円)
- YZ250F 745,200円(本体価格 690,000円/消費税55,200円)
- YZ250F 60周年記念カラー 756,000円(本体価格 700,000円/消費税56,000円)
- YZ250 695,520円(本体価格 644,000円/消費税51,520円)
- YZ250X 706,320円(本体価格 654,000円/消費税52,320円)
- YZ125 594,000円(本体価格 550,000円/消費税44,000円)
- YZ85LW 367,200円(本体価格 340,000円/消費税27,200円)
- YZ85 356,400円(本体価格 330,000円/消費税26,400円)
- <カラーリング>
- ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)、YZ250F 60周年記念カラーはライトレディッシュイエローソリッド(イエロー)
- <販売計画>
- 500台(シリーズ合計)
- ※YZシリーズ各モデルは、国土交通省の認定を受けていませんので、ナンバープレートを取得できません。また道路を走行できません。道路を走行すると道路交通法及び道路運送車両法の違反となります。私道、寺の境内、海辺、堤防上、農道、林道など道路の形態を整えていないところでも、人や車が自由に出入り出来るところは道路とみなされます。
- 保証(クレーム)の対象外製品となります。
- 「YZ250F」主な変更点と特徴
2016年モデルのYZ250Fは、エンジン・車体への細かな熟成を図ることで競争力をさらに向上させました。ピストンからコンロッド、クランクまで原動機系を基本から見直し、サスペンションのセッティング変更と相まって、コーナー脱出での加速感や中高回転域のフィーリングを一層高次元へ引き上げました。
- 1)“リブ配置”構造の新設計軽量ピストン
- 軽量化を図るため新設計の鍛造ピストンを採用しました。ロス低減を図る2本リングは継承し、①ピストン天面厚の薄肉化、②ピストン裏面リブ追加、③フラット天面による新燃焼室、などが新たな特徴となっています。
- 裏面“リブ”構造は強度・耐久性に貢献、天面厚を現行比で31%薄くし、ピストン質量は現行比10.4g軽量となり駆動ロス低減に繋がります。新燃焼室は、タンブル効果を高め素早い燃焼による優れた燃焼に寄与。ピストンピンも、新ピストンにあわせて全行を短縮し軽量化、さらにフリクションロス低減を図るDLCコートを施しています。これらの相乗効果が優れたトップエンドパワー、オーバーレブ特性に貢献します。
- 2)新熱処理を施したコンロッド
- コンロッドは、材質・形状は現行同様ですが、最新の熱処理を施し、とくに高回転域での信頼性を備えています。大端部にはスラストワッシャーを追加し、クランクとコンロッドの摩擦によるロスの低減を図りました。
- 3)“トルク”のリニア感を支えるクランク&バランサーの最適設計
- クランクのカウンターウエイトの増量、およびバランサー率を最適化し、振動発生の方向とクランク慣性力をバランスさせて“トルク感”が伝わる特性としました。あわせてバランサー取り付け位相も変更しました。これらにより、幅広い回転域で優れたトルク感を引き出し、かつ低振動化を達成しています。
- 4)クラッチ、ミッション系の変更
- ギアチェンジの伝達ロスを少なく、滑らかなシフト操作性と作動性を達成するため、ボスクラッチ、シフトストッパーレバーを2016年YZ450Fと同様の仕様としました。
- 5)サイレンサーブラケット変更による軽量化(2016年YZ450F同仕様)
- サイレンサーの懸架ブラケットは、材質を現行のキャスト品から、形状を最適化したプレス鋼板製にすることにより、現行比で約156gの軽量化を行いました。
- 6)φ270大径ディスクブレーキ
- 2016年YZ450F同仕様の大径φ270フロントブレーキを採用。これに新型ブレーキパッドを組み合わせ、コーナー進入時の高い制動力とコントロール性を引き出しました。
- 7)サスペンションセッティングの変更
- サスペンションは前後とも減衰感を感じられる方向にセッティングを変更しました。現行のディメンションとジオメトリーはそのまま継承していますが、ギャップのあるコーナー進入から、旋回、コーナー脱出にいたるまで、サスセッティングを徹底的に見直し、さまざまなシーンでの戦闘力に磨きをかけました。
- 8)その他の変更
- ・ピストンクーラーのノズル⾓最適化による冷却性能向上(運転時は現行比で約10℃低減)
- ・スムーズなレブリミッターフィーリングをもつECUセッティング
★主要諸元
車名型式 | - | |
---|---|---|
YZ250F | ||
発売日 | 2015年8月20日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.165×0.825×1.280 | |
軸距(m) | 1.475 | |
最低地上高(m) | 0.325 | |
シート高(m) | 0.965 | |
車両重量(kg) | 105 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費(km/L) | -(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | - | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 77.0×53.6 | |
圧縮比 | 13.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | キック式 | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 0.9 | |
燃料タンク容量(L) | 7.5 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.143 |
2速 | 1.750 | |
3速 | 1.444 | |
4速 | 1.222 | |
5速 | 1.041 | |
減速比1次/2次 | 3.352/3.846 | |
キャスター(度) | 27°5′ | |
トレール(mm) | 118 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M |
後 | 100/90-19 57M | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |