2月23日から25日まで、マレーシア・セパンサーキットで行われた2015年2回目のプレシーズンテストは、M・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が一発タイム、ロングランともに、まるでお約束のように図抜けた速さと高水準の安定感を披露。おそらく誰もが想像しているとおり、まったく死角のない最強っぷりを見せつけてスケジュールを終了した。
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♪もうどうにもとまらない♬ | HRC開発室室長の国分信一さんです。 |
今回のテストでは、ヤマハファクトリーのギアボックスが、ダウンシフト側も<シームレス>化されたことにも大きな注目が集まった。前回の当欄の予想が的中した恰好だが、バレンティーノ・ロッシ曰く
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こないだ36歳になりました。 | 今年は体調もバッチリ。 | |
着々と連日テストを実施。 | プロジェクトリーダーの津谷さんです。 |
さて、ホンダ、ドゥカティ、スズキ、ヤマハと触れてきたので、アプリリア陣営にも少しだけ触れておこう。 |
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グレシーニレーシングがチームを運営するアプリリアファクトリーのマシンだが、両ライダーのうちアルバロ・バウティスタが、良いとはいわないにしてもまあそこそこは健闘しているのに対して、もう一方のライダー、マルコ・メランドリは三日間ずっと最下位。今回のテストに開発目的で参加していたヤマハのテストライダー中須賀克行よりもさらに下を行く、ちょっと目をあてられないというか、かなり酸鼻を極めるような状態にある。 |
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「バウ乗り」は健在。 | ||
ピットで彼の表情を見ていても、茫然とするあまりちょっと瞳孔が開いているような気配もある。メランドリと長年親しい交流のある、イタリア人のベテラン記者との会話でも、モトクロス等の雑談には応じるものの、今回のテストやMotoGPの話になるととたんに口を閉ざすのだとか。その記者曰く「ほら、あの2008年のときと同じだよ」というので思い出したのだが、そういえばたしかに彼がドゥカティに移籍してデスモセディチGP8に苦戦していたときも、今のようにやや瞳孔が開いた表情をしていた。 |
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ともあれ、次はカタールで開幕直前のナイトテストが3月14日から16日まで行われる。このテスト、わたくしは少し休憩をさせていただくので、次回のお目もじは開幕戦カタールGPとなります。では、それまでしばらくのあいだ、ごきげんよう。 |
※第17回小学館ノンフィクション大賞優秀賞と、2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞した西村 章さんの著書「最後の王者 MotoGPライダー 青山博一の軌跡」(小学館 1680円)は好評発売中。西村さんの発刊記念インタビューも引き続き掲載中です。どうぞご覧ください。 ※話題の書籍「IL CAPOLAVORO」の日本語版「バレンティーノ・ロッシ 使命〜最速最強のストーリー〜」(ウィック・ビジュアル・ビューロウ 1995円)は西村さんが翻訳を担当。ヤマハ移籍、常勝、そしてドゥカティへの電撃移籍の舞台裏などバレンティーノ・ロッシファンならずとも必見。好評発売中です。 |
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