YZF-R3 ABS 631,800円(4月20日発売)
★ヤマハ YZF-R3 ABS 車両解説
余裕の320cc、42馬力エンジンを搭載したYZF-R3 ABSを国内発売開始
多くのヤマハファン待望のニューモデルとしてYZF-R25が国内発売開始されたのは2014年12月。新設計のダイヤモンドタイプフレームに、249ccの排気量を持つ水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブエンジンを搭載しての登場だった。最高出力は、27kW(36PS)/12,000rpm、最大トルク23N・m(2.3kgf-m)/10,000rpmを発揮。250フルカウルスポーツクラスの最後発モデルとしてトップレベルの性能を誇っていた。
足回りでも600ccクラスに匹敵するφ41mmのインナーチューブ径を持つ剛性の高いフロントサスに、リアにはモノクロサスが組み合わされた。余分なクオリティとしてではなく、必要にして十分な路面追従性と乗り心地を両立させるための採用と説明されていた。
なによりも、YZF-Rシリーズ一族の血統を色濃く感じさせるスタイリングが秀逸で、“マスフォワードシルエット”を構成する逆スラントの2眼ヘッドランプや切れ上がったテールなど、YZF-RシリーズのDNAを色濃く持って開発されたニューモデルだった。
今回は、このYZF-R25シリーズの兄貴分、YZF-R3 ABSが国内発売されることになった。車体は、YZF-R25とほぼ同一で、エンジンの基本構成も変わらず。YZF-R25のボア66.0mmに対して68.0mmへ拡大し(ストロークは44.1mmと変わらず)、余裕のパワーを生み出す排気量320ccとしている。最高出力は31kW(42PS)/10,750rpm、最大トルクは30N・m(3.0kgf・m)/9,000rpmにそれぞれアップ。メカニズム面での変更は、その他に6速ミッションの各ギア比を再設定したことと、足回り面でも、タイヤを同一サイズながら、対応スピードレンジを「S」からミシュラン製の「H」レンジタイヤへとアップグレードした程度。またYZF-R3では、ABSを標準装備するモデルのみのラインナップとなっている。
さて、このYZF-R3 ABSと弟分のYZF-R25だが、車両本体価格で3万円しか違わない(ABSモデル比較)ので、リターンライダーの足慣らしや、初心者の入門スポーツモデルとしてメリットの多い軽二輪版のYZF-R25を取るか、それとも車検のある400クラスとなっても、より本気の走りを目指せるYZF-R3 ABSを取るか、ヤマハファンにとっては、“嬉しい悩み”が増えたと言うところだろう。
★YAMAHA プレスリリースより (2015年2月23日)
日常の扱いやすさに、優れた走行性能を追求したグローバルモデル
「YZF-R3 ABS」新発売
ヤマハ発動機株式会社は、320cm3の水冷・直列2気筒エンジンを搭載した新製品「YZF-R3 ABS」を2015年4月20日より新発売します。
「YZF-R3 ABS」は、「YZF-R25」をベースに排気量をアップし、日常域での扱いやすさはそのままに、より優れた走行性能が楽しめるモデルとして開発しました。主な特徴は、1)320ccエンジンによる高揚感あるフィーリング、2)爽快な走行フィーリングを支える軽量フレームとロングリアアーム、3)YZF-RシリーズのDNAを受け継ぐスタイリング、4)快適なライディングポジション、5)ブレーキ操作をサポートするABS※1(アンチロックブレーキシステム)などです。
製造は当社のグループ会社PT.Yamaha Indonesia Motor Manufacturing(YIMM)が行います。
※1 ABSは、車輪に付けられたセンサーがスリップを感知すると、ブレーキを制御して車輪のロックを抑制します。また、制動距離を短くしたり、転倒を回避するシステムではありません。コーナー等の手前では十分に減速し、コーナリング中の急制動を避けてください。
- <名称>
- 「YZF-R3A」
- <発売日>
- 2015年4月20日
- <メーカー希望小売価格>
- 631,800円(本体価格585,000円、消費税46,800円)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(消費税)、登録に伴う諸費用は含まれない。
- <カラーリング>
- ・ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー/シルバー)
- ・ブラックメタリックX(ブラック)
- ・ビビッドレッドカクテル1(レッド/ホワイト)
- <販売計画>
- 1,000台(年間/国内)
- 「YZF-R3 ABS」フィーチャーマップ
- ・マルチファンクションメーター
- ・2眼逆スラントヘッドライト
- ・41㎜径インナーチューブ採用フロントサスペンション
- ・アルミ鋳造10本スポークホイール
- ・フロント2ポットキャリパー採用ディスクブレーキ(フローティングマウント)
- ・水冷4ストローク直列2気筒FI
- ・DOHC直押し式4バルブ
- ・鍛造ピストン、DiASilシリンダー
- ・オフセットシリンダー
- ・浸炭コンロッド
- ・1軸偶力バランサー
- ・低操作荷重クラッチ&6速ミッション
- ・クランク慣性マス(モーメント)最適設計
- ・スポーティなセパレートハンドル
- ・ハンドル切れ角34度
- ・LEDテールライト
- ・左右非対称ロングリアアーム
- ・ミシュラン製Hレンジタイヤ(前後)
- ・モノクロスサスペンション
- ・軽量で剛性バランスに優れたダイヤモンドフレーム
- ・ABS(アンチロックブレーキシステム)
- ・ショートマフラー
- ・冷却水配管のシンプル設計
- ・ヘルメットホルダー
★主要諸元
車名型式 | EBL-RH07J | |
---|---|---|
YZF-R3 ABS | ||
発売日 | 2015年4月20日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.090×0.720×1.135 | |
軸距(m) | 1.380 | |
最低地上高(m) | 0.160 | |
シート高(m) | 0.780 | |
車両重量(kg) | 169 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 34.6(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
24.4(WMTCモード値 クラス3、サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | H402E | |
水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 320 | |
内径×行程(mm) | 68.0×44.1 | |
圧縮比 | 11.2 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 31[42]/10,750 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 30[3.0]/9,000 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | T.C.I.(トランジスタ式) | |
潤滑油方式 | 強制圧送ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 2.4 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.500 |
2速 | 1.823 | |
3速 | 1.347 | |
4速 | 1.086 | |
5速 | 0.920 | |
6速 | 0.800 | |
変速比 | 3.043/3.071 | |
キャスター(度) | 25°00′ | |
トレール(mm) | 95 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/70-17M/C 54H |
後 | 140/70-17M/C 66H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果からの計算値。