VFR800F 1,350,000円(2月13日)
★ホンダ VFR800F 車両解説
ハイグレード・スポーツツアラー「VFR800F」に新色を追加して発売
「VFR」の血統は、1986年4月に発売されたVFRシリーズ、VFR750F、VFR400R、VFR400Zに始まる。1982年のVFシリーズ、VF750SABRE、VF750MAGNA、そしてVF750Fの発売で’80年代のV4エンジン攻勢への口火を切ったホンダが、V4時代の隆盛を決定づけたのがVFRシリーズだった。その後、V型エンジンはレースでの活躍を背景に過激レプリカ時代へと発展していくのだが、それはまた別項にて。
ここでは、VFR(オーバー750)に関連するその後の流れを追ってみると、1998年4月にV型4気筒、781ccエンジンを搭載する「ホンダ VFR」が発売される。「’99年10月より国内で新たに導入される小型二輪自動車の排出ガス規制に適合する排出ガス浄化システムを採用したモデル」と説明されていた。ベースとなったのは世界各地のスーパーバイクレースで活躍していたRVF/RC45のエンジンだったが、スーパースポーツ(当時はレーサーレプリカと称された)とはまた別の、来たるべく新しい時代の要求を先取りするマシンの姿で登場した。
環境の時代の到来だ。VFRの排出ガス浄化システムの切り札として新開発されたのがPGM-FIシステム(電子制御燃料噴射装置)だった。このPGM-FIシステムは、専用にプログラムされたECU(エレクトロニックコントロールユニット)の働きによって、様々な運転状況に応じ理想的な空燃比の混合気を供給する事で、燃焼過程での有害物質の低減を図るというもの。そしてエキゾーストエアインジェクションシステム(二次空気導入装置)も同時に採用し、エアを排気ポートに送り込み排出ガス中の未燃焼ガスHC、COを排気管内で再燃焼させるもので、HC、COの低減を図っていた。
これで分かるとおり、VFRは卓越した運動性能だけでなく、年々厳しくなっていく排出ガス規制に適合する環境性能も兼ね備えた大型ロードスポーツモデルとして’90年代を先取りするマシンだったのだ。その後、2000年1月に三元触媒システム“HEC3”(Honda Evolutional Catalyzing System 3)を採用するなどのマイナーチェンジを受け、さらなる環境時代のハイテクマシンとしての姿を印象づけている。
2002年1月、VFRはフルモデルチェンジを受ける。ホンダのV型4気筒エンジンでは初のバルブ制御システム“V4 VTEC”(Variable Timing & Lift Electronic Control System)エンジンを、基本骨格は引き継ぎながらも剛性の見直しなどが行われたアルミツインチューブフレームに搭載。PGM-FIの更なる熟成やイリジウムプラグの採用などとともに世界最高水準の環境性能を謳うモデルとして登場した。
2004年1月にはカウル類のエッジやシャープなラインを強調、またホイールカラーや車体ロゴも変更するなどのマナーチェンジ。車体色もイメージカラーとして引き継がれてきたイタリアンレッドからデジタルシルバーメタリックへと変更。
2006年2月には、ABSを標準装備するとともにリアサスにプリロードアジャスターを装備。新色のパールコスミックブラックも追加している。カラーといえば、2006年12月にトリコロールイメージのカラーリングを施された「VFR・スペシャル」が限定200台で発売されている。その後、国内での“ハイテクのショールームマシン”の重責は、2010年3月に発売されたVFR1200Fにバトンタッチしていた。
昨年4月には、2006年発売のモデルをベースにアップトゥデートしたモデルに発展している。さらなる熟成を図ったエンジンを新デザインのカウル類を備えた車体に搭載。大きな変更点としては、リアフレームを従来のスチール製からアルミ製へと変更。スイングアーム、フロントフォーク、ホイールなども新設計、エンジンサイドに装備していたユニークなラジエーター配置を一般的な前面配置へ、マフラーも従来のセンター2本出しを右1本出しとするなど、内容的にはほぼフルモデルチェンジといえる変更が行われた。
今回、この新型VFR800Fに新色の「パールグレアホワイト」を追加して発売した。
★HONDA プレスリリースより (2015年2月6日)
スポーツツアラーモデル「VFR800F」に新色を追加し発売
Hondaは、スポーティーな走行と快適なロングツーリングを楽しめるスポーツツアラーモデル「VFR800F」※1に、新色のパールグレアホワイトを追加し、2月13日(金)に発売します。
今回、フューエルタンクやカウル類のカラーリングに上質感のあるパールグレアホワイトを採用することで、洗練されたイメージとしています。これにより、カラーバリエーションは、現行のヴィクトリーレッド、ダークネスブラックメタリックと合わせて3種類となります。
VFR800Fは、水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ・V型4気筒エンジンの熟成を図るとともに、車体の軽量化、空力性能を追求した新形状のカウリングやトラクション・コントロール・システム(TCS)などを採用し、2014年4月に発売しました。また、ツーリングに便利なETC車載器とグリップヒーターを標準装備するなどで、ベテランユーザーに支持を得ているスポーツツアラーモデルです。
※1 受注生産車。「Honda二輪ETC標準装備車取扱店」で販売します。使用するにあたり、セットアップ、セットアップ費用、および決済用のETCカードが必要となります。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- 200台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- 1,350,000円(消費税抜き本体価格 1,250,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
★主要諸元
車名型式 | EBL-RC79 | |
---|---|---|
VFR800F | ||
発売日 | 2015年2月13日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.140×0.750×1.210 | |
軸距(m) | 1.460 | |
最低地上高(m) | 0.135 | |
シート高(m) | 0.809/0.789 | |
車両重量(kg) | 242 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L) | 28.7(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※3 | |
18.9(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※4 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 3.2 | |
エンジン型式 | RC79E | |
水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 781 | |
内径×行程(mm) | 72.0×48.0 | |
圧縮比 | 11.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 78[105]/10,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 75[7.6]/8,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 21 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.846 |
2速 | 2.062 | |
3速 | 1.578 | |
4速 | 1.291 | |
5速 | 1.111 | |
6速 | 0.965 | |
減速比1次/2次 | 1.939×2.687 | |
キャスター(度) | 25°30′ | |
トレール(mm) | 95 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 180/55ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド(アルミツインチューブ) |
※2 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※4 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。