ゴールドウイング F6B 2,214,000円(12月5日発売)
★ホンダ ゴールドウイング F6B 車両解説
ゴールドウイング F6Bの出力をアップし、電動リバースも採用
ホンダのフラグシップ、ゴールドウイングシリーズの歴史は長い。1974年に水平対向4気筒SOHC2バルブ、排気量999ccエンジンを搭載してデビューして以来なので、なんと40歳だ。その歴史だけで本が1冊出来てしまうほどだが、ざっと紹介しておくと、1980年にエンジンを1,085ccへとアップ。さらに1984年には水平対向4気筒時代の最大排気量となった1,182ccまで拡大。1988年にはフルモデルチェンジにより、エンジンも水平対向6気筒SOHC2バルブ、排気量1,520ccへと発展。この1500時代から国内の型式認定を得て国内発売が開始されている。
1980年の1,085cc時代から、生産は米国のホンダ拠点であるホンダ・オブ・アメリカ・マニファクチャリング(HAM)で行われ、海外生産車両を輸入販売する魁けとなった。また同時にクルマの方でもスペシャリティーカー「アコードクーペ」(アコードの派生機種)を日本に輸入販売したことで話題となっている。2011年10月以降ゴールドウイングの生産は、国内に戻され、熊本製作所が生産にあたっている。
その後ゴールドウイングは、国内でもほぼ毎年イヤーモデルとして販売されてきている。1990年にはアメリカでの生産10周年を記念した特別仕様車を発売。1994年にはゴールドウイングの20周年を記念した特別仕様車も発売している。1996年にはゴールドウイングをベースに本格的なクルーザーとしたワルキューレを発売。このモデルは2001年モデルまで継続発売された。
2001年8月、水平対向6気筒SOHC2バルブエンジンの排気量を1,832ccまでアップした1800ゴールドウイングの時代が始まる。三元触媒の「Honda Evolution Catalyzing System 3」(HECS3)を採用して世界最高水準の環境性能を実現、フレームも新設計のアルミフレームを採用。そして国内専用仕様として、量産二輪車世界初の電動式光軸調整機能付のディスチャージ式ヘッドライトや、間欠機能付電動ワイパー、Honda Ignition Security System(H・I・S・S)という盗難抑止システムなどを採用していた。
1800時代もほぼ毎年イヤーモデルが登場したが、2004年には、低価格設定のゴールドウイングUSパッケージをタイプ設定。通常モデルが3,150,000円のところUSパッケージは2,614,500円だった。2005年にはゴールドウイング30周年記念モデル。2007年には二輪車用エアバッグシステムを搭載したタイプを追加設定。2008年にはビルトインタイプのナビゲーションシステムを導入。また、2004年にはゴールドウイングの水平対向6気筒エンジンを搭載するメーカー純正カスタムマシンといえるRUNEが発売されている。2012年12月発売の2013年モデルでは、車体色に新たにデジタルシルバーメタリックを採用したモデルを追加、従来からのパールフェイドレスホワイトに加え2色の展開となっていた。
ゴールドウイング F6Bは、ゴールドウイングのユーザー層を拡大するために、若い世代にも受け入れられそうなロー&ロングフォルムのスタイリングと、軽量化、そしてなによりコストダウン努力により、頑張れば手の届く価格設定として2013年2月に発売開始されたモデルだ。ゴールドウイングシリーズの一員でありながら200万円を切るプライス(199万5千円)での登場は大いに話題となった。ただ2013年12月のカラーチェンジを期に、価格が若干ながら上がって200万円を超えてしまったのは残念。
また、2014年4月には、ゴールドウイングシリーズのさらなるバリエーションモデルとして、F6Bの兄弟車といえるF6Cが登場している。2013年の東京モーターショーに登場した“マッスルクルーザー”だ。ゴールドウイングシリーズの水平対向6気筒、1832ccエンジンと基本骨格を継承、フロントからリアにかけて流れるように下がっていく“トライアングルフォルム”のクルーザースタイルを特長としている。ゴールドウイングに比べ75kgの軽量化と、価格もF6Bの登場時と同様、200万円を切る199万8千円の低価格設定だった。
今回のF6Bのモデルチェンジでは、カラー&グラフィックの変更だけではなく、なんと出力もアップ。最高出力は従来モデルの80kWから87kWへ、最大トルクも161N・mから167N・mへと強化された。また、ゴールドウイングよりも軽量とはいえ、392kgの車体重量を持つF6Bにも電動リバースシステムが採用され、より使い勝手の向上が図られたのは嬉しいニュースだろう。
★HONDA プレスリリースより (2014年11月13日)
大型二輪クルーザー「ゴールドウイング F6B」の出力特性の向上を図り
電動リバースシステムを新たに採用し発売
Hondaは、爽快な走りを楽しめる1800ccのスタイリッシュな大型二輪クルーザー「ゴールドウイング F6B」の最高出力と最大トルクの向上を図るとともに、電動リバースシステムを新たに搭載し12月5日(金)に発売します。
今回のゴールドウイング F6Bは、さらに力強く爽快に、より快適で取り回しやすいモデルを目指し開発しました。
エンジンは、最高出力値を従来モデルの80kWから87kWへと高めるとともに、最大トルク値も従来モデルの161N・mから167N・mへと向上させています。また、出力特性の変更に合わせ、より力強いエキゾーストサウンドを生み出すマフラーを採用しています。なお、出力特性を高めながら60km/hの定地走行テストの燃費値は、従来モデルの21.0km/Lから21.8km/Lへと向上を図っています。
新たな装備としては、狭い場所での方向転換などで取り回しやすさに寄与する電動リバースシステムを採用。さらに、高速道路のツーリングにおける快適な走行に配慮したクルーズコントロールを採用しました。また、ゴールドウイング発売40周年記念のエンブレムを、フロントカウル部とインストルメントパネル、メインキーに採用しプレミア感を高めています。
車体色は、マットビュレットシルバーとアトモスフィアブルーメタリックの2種類を設定しています。
※ゴールドウイング F6Bは受注生産車となります。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- 150台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- ゴールドウイング F6B 2,214,000円(消費税抜き本体価格 2,050,000円)
- ※価格(リサイクル費用含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
★主要諸元
車名型式 | EBL-SC68 | |
---|---|---|
ゴールドウイング F6B | ||
発売日 | 2014年12月5日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.605×0.945×1.255 | |
軸距(m) | 1.690 | |
最低地上高(m) | 0.125 | |
シート高(m) | 0.725 | |
車両重量(kg) | 392 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費(km/L) | 21.8(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | 3.3 | |
エンジン型式 | SC47E | |
水冷4ストローク水平対向6気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 1,832 | |
内径×行程(mm) | 74.0×71.0 | |
圧縮比 | 9.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 87[118]/5,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 167[17.0]/4,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスター式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 25 | |
クラッチ形式 | 湿式多板ダイヤフラムスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.375 |
2速 | 1.454 | |
3速 | 1.068 | |
4速 | 0.843 | |
5速 | 0.685 | |
変速比 | 1.591/1.028×2.750 | |
キャスター(度) | 29°50′ | |
トレール(mm) | 109 | |
タイヤサイズ | 前 | 130/70R18M/C 63H |
後 | 180/60R16M/C 74H | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |