シルキーシックスと呼ばれる静かでなめらかでパワフルな水冷水平対向6気筒1520ccのニューエンジンと、さらなる低重心化と高剛性化により快適な乗り心地と軽快なハンドリングを実現したダブルクレードルフレームでフルモデルチェンジ。車体と一体にデザインされた集中ロックシステムのサイドバックやトランク、前後連動ブレーキシステム、クルーズコントロール、コンプレッサー内蔵のエアサス、ヒーター付のベンチレーションシステム、電動ボリュームが付いたAM/FM付カセットステレオ、セルモーターによるバックギアなど装備も充実。生産はアメリカのオハイオ工場で行なわれ、アコードクーペ（5,000台）と共に500台が輸入され、ホンダから国内で正規販売が開始された。これが事実上のオーバーナナハン第一弾でもあった。※以下は1999年北米仕様のパートを除きすべて国内仕様に基づきます。

前年の販売計画台数を完売し、好評を持って迎えられたゴールドウイング。1989年型はカラーを変更して700台が輸入された。価格も変更なし。

1990年型ではウインドスクリーン中央に三段階で風量調整可能なベンチレーションシステム、マフラーの熱を利用したフットウオーマーダクトー、60mm可動式パッセンジャーズステップボード、透過光式照明内蔵スイッチ、15mm低下したシート、スポイラー風な発光ダイオードのハイマウントストップランプ、ウインカー連動のコーナーリングランプ、スペシャルキー、専用のツートーンカラーを採用したゴールドウイングSEが登場。エンジンヘッドカバーのロゴもGL1500/6から1500　6CYLINDERとなった。ゴールドウイングは1989年モデルが併売された。

当初は神奈川県警、愛知県警などの高速交通機動隊に配備されたが、その大きさと見栄えから本格的な交通取締り用ではなく、もっぱらパレードや展示などで活躍した。皇宮警察でもそれまで使用していたGL1100の代替えとして儀礼用のサイドカー（黒）が採用されている。海外ではサウジアラビアに輸出されたようだが詳細は不明。

1980年にGL1100の生産を開始したHMA。米国生産10周年を記念したアニバーサリーエディション。ゴールドの専用色で、製造証明番号を打刻したシリアルプレートが取り付けられている。ゴールドウイングの設定はなくなり、以後1500の国内仕様はゴールドウイングSEのみに。カタログもGOLDWING GL1500からGOLD WING SEの表記となった。発売当時価格：2,005,000円。

1992年型は車体色をシックなブラックZに変更。価格は2,150,000円にアップ。

オプション設定であったパッセンジャーシート側のスピーカーを標準搭載し、4スピーカーシステムとなった。車体色は1992年型と同じブラックZだがグラフィックが異なる新色。発売当時価格：2,230,000円。

シンプルなニューカラーのパールグレイシャーホワイトを60台限定で発売。1993年型と同じ仕様ながら価格は2,130,000円と大幅にダウンしている。

初代GL1000から数えて誕生20周年を記念したアニバーサリーモデルを発売。スペシャルキー、ワッペン付スペシャルインナーバッグが付属し、シリアルナンバー入り記念エンブレム、大型二輪市販車としては世界初の間欠機能とウオッシャー付の電動式ワイパーを装備したほか、30mm低下したシートとサイドカバー形状の変更で足着き性の向上、サスセッティングの変更により路面追従性のさらなる向上が行なわれた。車体色は初めて2色が設定された。

20周年記念車で採用された電動ワイパーや低シートなどを標準装備化しながら、価格は1994年型と同じ2,130,000円と事実上の値下げ。翌年の1997年型では、メーター部分やインジケーター、スイッチにISO規格の絵表示を追加。外観上は車体色も含め1996年型とほぼ同じで、価格も変更なし。

1998年型ではマルチリフレクターヘッドライト、ニューデザインに変更されたフロントホイールカバー、マフラー、エンジンガードにホールド感を高めた新形状シート、1500の文字を鋳出し化したシリンダーヘッドカバー、ホワイトメーターパネル、クリアレンズウインカーなどでマイナーチェンジ。

排出ガス規制に対応すべくキャブレターの改良と、エキゾースト・エアインジェクションシステム（二次空気導入装置）を新たに採用。車体色は大理石風模様のツートーンとなった。

ゴールドウイングのメインターゲットは国内ではなく、もちろん海外であり北米、欧州で人気が高い。写真はホンダコレクションホールで保存されているGL1500 GOWLDWING SEの北米仕様。基本的な装備はそれほど大きな差はないが、ワイパーがなく、リアの2本アンテナが外観上の特徴。メーターはもちろんマイル表示。1999年モデルはホンダの創業50周年を記念したエンブレムを前後に装着。国内仕様は通常1色のみの設定だが、1999年型ではCANDY SPECTRA RED×CANDY DARK RED、PEARL MERCED GREEN×DARK GRAY GREEN、TWILGHT SILVER×DARK SILVER、GLACÉ WHITE×METALLIC GRAYの4色がラインアップされていることからも、人気の高さが伺える。

1500の最終型となる2000年型は、エンジンヘッドカバーをバフ掛けした後、クロームメッキを施して高級感を演出したほか、メーターパネルが黒地に白文字となった。価格は変更なし。