装備の増加で重くなったこともあり、ボア、ストロークを変更し、バルブの大径化、油圧式バルブ調整機能を追加した新エンジンでパワーアップ。エンジン搭載位置の変更、フロント16、リア15インチ化、フロントフォークの大径化など車体にも改良が加えられ、大柄ながらクイックで軽快なハンドリングが実現した。トップモデルのアスペンケイドは、新たにカセット付オーディオ、インターコムを標準装備。エアサス用の内蔵コンプレッサーはアウトプットバルブ付で、ホースをつなげばタイヤへの空気補給も可能。車体色はPEARL SATURN RED×CENTURY BROWN METALLIC、PREMIUM BEIGE METALLIC×GRACE BROWN METALLIC、PEARL SIREN BLUE×ACHILLES BLACK METALLICの３色。インターステイツは、CANDY WINEBERRY RED、PEARL SIREN BLUE、SENIOR GRAY METALLICを、ノンカウルのGL1200はCANDY WINEBERRY REDをラインアップ。

この年からノンカウルのスタンダードモデルであるGL1200ゴールドウイングは設定されず、インターステイツ（CANDY WINEBERERY RED、STARSHINE SILVER METALLIC、TELSTAR BLUE METALLICの3色）、アスペンケイド（PEARL VINTAGE RED×MAHOGANY RED METALLIC、SATELLITE BLUE METALLIC×SPIRAL BLUE METALLIC、SANDY BEIGE METALLIC×GRACE BROWN METALLICの3色）のさらに上級版となるリミテッドエディションが追加された。リミテッドエディションでは電子制御式のフューエルインジェクションシステム、オートレベライザー付：リアエアサス、4スピーカーオーディオシステム、インターコム、クルーズコントロール、補助灯、トランク内のバニティミラーなどが装備され、さらなるゴージャス化が進んだ。車体色はSUNFLASH GOLD METALLIC×VALIANT BROWN METALLIC。

1986年型はリミテッドエディションがアスペンケイドSE-iと名称を変更したが、ほとんど変更がなく装備はそのまま引き継がれ、新たにカセットがドルビー付のサウンドシステムとなり、リアフェンダー形状が変更された。車体色はPEARL SPLENDOR IVORY×CAMEL BEIGE METALLIC。写真はホンダコレクションホールの保存車。

アスペンケイド（TWILLIGHT BEIGE METALLIC×MAHOGANY RED METALLIC、PEARL MERLIN BLUE×SPIRAL BLUE METALLIC、TROPHY SILVER METALLIC×TEMPEST GRAY METALLIC）と、インターステーツ（CANDY WINEBERERY RED
、BLACK）のオプション設定であるステレオシステムも同様にグレードアップされた。

GL1200の最終モデルとなる1987年型は、再びアスペンケイドとインターステートの2グレードになり、最上級モデルのSE-iは設定されなかった。主な変更点はシート形状、材質の変更。アスペンケイドで標準装備されたサウンドシステム、パッセンジャーフロアーボード、パッセンジャーアームレストなど。車体色はTWILLIGHT BEIGE METALLIC×MAHOGANY RED METALLIC、PEARL MERLIN BLUE×SPIRAL BLUE METALLIC、TROPHY SILVER METALLIC×TEMPEST GRAY METALLIC。インターステートはPEARLY BEIGE METALLIC、AMETHYST GRAY METALLICの2色。

ちなみにアスペンケイドという名称について。辞書にも出ていないこの言葉は、GL1200の最上級仕様を開発するにあたり、なにか特徴的な名称を付けたいとアメリカで調査を行なった。そのときに知ったのが毎年ニューメキシコ州のソルド（Ruidoso）という町で毎年開催されていた「アスペンケイドラリー」だった。有名なハーレーの一大イベントであるスタージェスとは対極にあるような、比較的上品なライダーが集う当時のバイクイベントとしては珍しいものでGLの最高級モデルにはぴったり、そしてアスペンケイドという語感もよかった。そこでラリーの主催者と交渉し使用許可を取り付け、お礼にアスペンケイドを一台進呈したそうだ。肝心のアスペンケイドの語源だが、アスペン（樹木、もみじ？）とケード（列になっての行進）の造語とのこと。道理で辞書には出ていない訳だ。