2014年9月30日 

■「誰も体感したことのない加速力の提供」をテーマに
最高出力約300馬力のスーパーチャージャーマシン Ninja H2R 誕生


 昨年の東京モーターショーのカワサキブースで、電動3輪バイクとともに注目を集めたスーパーチャージャーエンジン。そのスーパーチャージャーエンジンを搭載する超弩級マシンがついにデビューした。

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 その名もNinja H2R。あの2ストローク3気筒、748.2ccエンジンを搭載した“ジャジャ馬”750SS MachⅣの別名「H2」を、これまた一時代を築き上げたビッグネーム「ニンジャ」と組み合わせた、まさにこれ以上ないエポックなネーミングで登場するこのマシン、排気量998ccから最高出力300馬力を発生。まさに「誰も体感したことのない加速力」を提供してくれるという。
 
 以下、カワサキが発表したリリースから、その誕生秘話をお伝えしよう。
 

●Ninja H2R誕生

「誰も体感したことのない加速力の提供」。これが、Ninja H2Rの開発の出発点だったという。カワサキが掲げる理念のひとつ「Fun to Ride」。様々なモーターサイクルの楽しみ方があるなかで、加速力は大きなファクターを占めているとカワサキが考えたところから物語は始まった。
 
 Ninja H2Rは、リッタークラスのスーパースポーツモデルと同等のコンパクトなエンジンに、スーパーチャージャーを組み合せることで300馬力以上の高出力を実現。そのパワーのキーファクターであるスーパーチャージャーは、川崎重工業 (KHI)グループの一員である“ガスタービン&機械カンパニー”による技術移管のもと、さらにモーターサイクル用に適応、発展させた完全自社製のスーパーチャージャーが開発された。
 
 また、スーパーチャージャーだけでなく、エンジン本体の設計や車体設計にもカワサキグループカンパニーの最新技術とノウハウが随所に採用されているという。例えば、超高速域での安定性を確保するために配されたCFRP(カーボンファイバー)製のアッパーとロアウイング。これらはカワサキの“航空宇宙カンパニー”のノウハウによって形状選定から開発が行われた。また、アッパーフェアリングの中央部先端に誇らしげに輝く「カワサキリバーマーク」(長年、KHIグループで使われてきた「川」の字をデザインしたカワサキマーク。モーターサイクルでは、1960年代のW1などに使用されている)が、グループ一丸となって開発に当たった証とされている。
 
 そして、マシンの名称には、モーターサイクル史に残るカワサキのパフォーマンスアイコン、2台の名が冠せられた。ひとつは、2ストローク748.2cm3トリプルという圧倒的なエンジンから生み出される強烈な加速力で世界にセンセーションを巻き起こした、750SS Mach IVの別名『H2』。「誰も体感したことのない加速力の提供」を掲げたモデルに、これ以上に相応しい名前は無いだろう。
 
 そしてもう一つが、言わずと知れた『Ninja』。今やカワサキの屋台骨という存在となったNinjaというビッグネームと組み合わせている。
 

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●KEY FEATURES
 
「過去経験の無い加速の実現」

 殆どのライダーが経験したことの無い速度と加速を体感させるには、可能な限りのPOWERが不可欠。そのためより多くのPOWERを求められるエンジンは、得てして排気量増大の一途を辿り、本来のパフォーマンスの源泉である軽量コンパクトとは、欠け離れた存在となってしまう。“最高出力300馬力”、“排気量998立方センチメートル”、“直列4気筒のエンジンサイズ”これらの相反する開発要件を満たすためにカワサキが選んだ選択肢、それがスーパーチャージャーだった。
 

「自社開発されたスーパーチャージャー」

 Ninja H2Rで採用されたスーパーチャージャーは、川崎重工グループの英知を結集。すなわちガスタービン&機械カンパニー、航空宇宙カンパニー、および技術開発本部からの支援を受けたモーターサイクル&エンジンカンパニーの設計者によって設計された。自社開発過給機に求められたスペックは、Ninja H2Rの開発目標そのもの。スーパーチャージャーエンジンこそが、KHIのエンジニア達が提供したかった強烈な加速を達成するための鍵だった。
 

「シャーシ設計理念」

 Ninja H2Rのシャーシに求められたのは、サーキットでの超高速域においても挙動に不安を感じさせず安定性を確保できる事。そしてさまざまな回転半径の複雑なコーナーに対しても、純粋にライディングが楽しいと思わせる旋回性能。
 
 通常、高速安定性を容易にするにはロングホイールベースにする事で簡単に達成することが出来るが、旋回性能が損なわれてしまうマイナス面がある。Ninja H2Rは、開発目標とされたコンパクトなエンジンパッケージという利点を最大限活用し、最適化された軸間距離を採用し、相反する特性を高次元に融合させることが可能となった。
 
 Ninja H2Rに採用された新設計のトレリスフレームは、サーキットでの高速ライディング時の安定性と柔軟性を確保するため、最新の解析技術をもって開発されている。搭載されるスーパーチャージドエンジンの超弩級のパワーを受け止め得るフレーム剛性を確保することは勿論、高速域での安定性とコーナリング時の柔軟性、フル制動時にも揺るぎない姿勢制御等にも貢献している。
 

「エアロダイナミクス(空気力学)」

 空力解析技術の進歩は、レースマシンや航空機、新幹線などの分野と同様、あまり身近に感じられるものではないが、実際、それはバイクの運動性能に多大な影響を与えている。Ninja H2Rは、超高速域においても常にライダーの制御下におさめた走行が可能なように空気抵抗と空力特性を両立させている。空気力学を考慮しながら、ライディングをも制御するカワサキ独自の技術革新の具現化といえる。航空機や車両という別事業カンパニーを持つ川崎重工ならではのアドバンテージといえるだろう。
 

「Ninja H2Rの造形、そして融合する技術の結晶」

 常にパフォーマンスリーダーであり続けるカワサキブランドのフラッグシップとしての責任を背負ってきたNinja。そして登場当時、驚愕の加速力にセンセーションを巻き起こしたH2。その両方の名を冠するにふさわしい大胆なデザインのキーワードは「力強さ」。カワサキブランドのフラッグシップとしての存在感、その驚異的なパフォーマンスを想起させるスタイリングでなければならない。Ninja H2Rの機能美はボディーワークの随所に垣間見える。
 
 超高速においても走行安定性を確保するために空気力学的デザインがなされたカウリング。性能向上と熱の放散、より大きな冷却効果も得て300馬力のエンジン出力を発揮させる事に貢献している。また、ラムエアーダクトは過給器に新鮮な空気をもたらすよう理想的に配置されている。
 
 さらにNinja H2Rは、カワサキがこれまで世に送り出したどのモデルよりも質感の高い仕上げ、特別にNinja H2Rのために開発されたハイテクミラーリング仕上げのブラッククローム塗装を採用している。
 

『Ninja H2Rからのメッセージ』

『モーターサイクル・テクノロジーは、時代と共に高度になりつづけています。しかし、カワサキの理想は、高度なテクノロジーを使ってライダーの主体性を奪い、便利で快適なだけのマシンを作ることではありません。「高性能なマシンを自在に操り、ライディングを楽しむ」こと、ライダーの単純かつ、根源的な欲求を満たすことがNinja H2Rにとっての使命ではないかと考えています。モーターサイクル・テクノロジーが時代と共に進化するようにカワサキイズムも進化しています。ライダーの単純かつ、根源的な欲求を満たすこと。制御しにくいじゃじゃ馬を馴らすことから、サラブレッド、それを誰しも乗りこなせること、すなわち「高性能なマシンを自在に操り、ライディングを楽しむ」ことに価値観の転換があるのです。』(カワサキのリリースより)
 
 Ninja H2Rの存在そのものが、カワサキからライダーへのメッセージだ。
「Built Beyond Belief」2014年、カワサキはもう一度世界中にセンセーションを巻き起こす。
 

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●SPECIFICATIONS Ninja H2R

■エンジンタイプ:スーパーチャージド水冷4ストローク4気筒 ■排気量:998cm3 ■過給器タイプ:セントリーフューガル式スクロールタイプ ■最高出力:約300PS ■フレームタイプ:トレリス構造 ■タイヤ:F 120/600R17(レーシングスリック)、R 190/650R17(レーシングスリック)
 
※本モデルはクローズドコース・モデルです。
※本モデルは量産車です。(発売開始時期未定/価格未定/仕様は変更する可能性有り)
※一般公道走行仕様車をEICMA(ミラノショー)で公開予定です。
 
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●Ninja H2R スペシャルサイト:http://www.ninja-h2.com/
●カワサキ http://www.kawasaki-motors.com/