こちらの動画が見られない方、もっと大きな画面で見たい方は、YOUTUBEのサイトで直接どうぞ。「http://youtu.be/tuxLQzodWuk」」 | ニューカラー&グラフィックとなった2015年モデルのGSR250。9月18日にはフルカウル仕様のGSR250Fが発売される。 |
750クラスといってもいいほど押し出しの強いボディに、
ちょっと可愛くしたB-KINGフェイスのGSR250
初めて乗った時からGSR250は魅力的なオートバイだと思ってきた。それから何度となく乗ってきたが、その印象は変わらなかった。そして、今回乗ってもそうである。
大きめの車体がGSR250の特徴だ。250という排気量らしからぬ立派な車体。数値をみても400ccネイキッドと変わらない。こう書くと、ネガティブにとらえてしまう人もいるかと思う。けれど、乗ってからの印象はこれがポジティブになる。
まず、大きめだけど足つきがいいこと。身長170cmで、両足のカカトがあと少しで届く、現代的な体型の人は同じ身長でも地面に足裏がベタつきすると思う。
だから、装備重量がライバルに比べてやや重くても跨っていて不安に感じることがない。重いといっても、兄貴分のグラディウス400 ABSやGSR400 ABSより20kg以上軽い。
大きさゆえにタンデムした時にシート上の余裕がある。みっちり窮屈な感じがないから、ライダーだけでなく、後ろに乗った人もゆったり乗れるのがいい。さらに“オートバイを操っているぞ”感がある。車体がこじんまりしていると、取り回しは楽だけど、乗った姿の迫力が弱くて、操作して乗り回す征服感が小さいじゃない。
もちろん、小さくコンパクトな車体もメリットは大きい。運動エネルギーが小さくなるので、操作が軽快で、小柄な人にも扱いやすい。スポーツ度が高いモデルほど軽い方が楽しいのは事実。これは、ライダーが各々でどう捉えるかになるのだけれど、GSR250の場合大きいということがそれほどデメリットには感じられないのだ。ちょうどいい“大きさ”だと思える。
おへその高さくらいにグリップ位置がくるアップハンドルは手前の絞りが適度にあって、手が届きやすい距離でありながら、上半身、下半身とも自由度が大きいから快適。
ライダーの身長は170cm。250とは思えないこの車格。ゆったりと乗れるエンジン特性とともに、リターンライダーにも好評な理由の一因だろう。 |
『この水冷並列2気筒エンジンが気持ちいいんだ』
180°クランクでピストンが交互に上下していて、不等間隔爆発ながらバランスがいいので、高回転までスムーズに回り、滑るように車速が伸びていく。トルクは低回転から高回転までフラットに出てきて、気むずかしいところがなく、どういう状況でも優しく扱いやすい。
混雑した都市部でも、郊外を流しても、苦手な場面がない。日常的な交通の流れの中で、積極的にスロットルを開いて、唸るように回さないと物足りないワケでもなく、5速や4速の低く目の回転数でクルージングするのも心地よい。ギアチェンジを頻繁にしなくても、そのトルクのおかげで走れてしまう。しゃかりきにならなくていいゆったりした巡航が可能。それでいてスロットルを開ければ、最近の250モデルと比べ遜色ない加速と速さを持っている。
ソフトな当たりのサスペンションも、このエンジンが生む速度で、へこたれるようなこともなく、ダンピングも効いていて、乗り心地は良好。成り立ちや見た目の印象以上にコーナーリングが得意だ。コーナー進入では適度なセルフステアが入って軽くピタッと寝て、フロントタイヤはみるみる向きを変えていく。街中でよくある低速コーナーでも、重さを感じさせない軽快さで、不安定な感じがなく、思ったようにコーナーをクリアできてしまう。
この身のこなしと、その時の安定感と、気持ちいいエンジンが組み合わさっているから、GSR250に乗る度に「いいね!」と思ってしまう。
個性的なデザインは好き嫌いが分かれるかもしれないけれど、乗り味はなかなかの完成度。飛び抜けて話題となる部分はまったくないけれど、買い物から遠くまでのツーリングまでバランスのとれた汎用性がある。
(試乗:濱矢文夫)
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