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コカ・コーラ ゼロ サーキットクイーンの訪問で記念撮影。無論学園には自前のキャンギャルなどいるわけもない。
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明けて決勝当日。三重県鈴鹿サーキットは快晴の日曜日を迎えた。朝から気温は急上昇。ワシワシと鳴くクマゼミの声、立ちこめる草いきれのなかを2番ピットへと向かう。今年こそ完走ゴールに向かって……胸が弾んだ。
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ところが、ピットに入った途端、空気が張り詰めていた。とても不穏な感じ。シーンとしていた。置かれているマシンのフロントのカウルが取り払われている。学生達と先生達が、フロントのまわりを忙しく触っている。一体なにが起きたのか?
「起きてしまったことに、すみやかに対応する。生徒達は卒業後、人の命をお預かりする仕事につくのです。レースも同じ事。いま出来ることを確実に行っているところです」
白上先生の言葉を飲み込めないでいると、取材をサポートしてくれる広報兼任の大川 恒先生が説明をしてくれた。朝のウオームアップ走行中、右側のハンドルに不備が出た。それも不備というには言葉は軽すぎて、右側はほぼ操作不能に。古澤選手がなんとかピットに辿り着いて確認したところ、ハンドルをフロントフォークにつなぐクランプ、そこを締めるネジが折れてしまったということだった。
北口選手が加えて教えてくれた。「使っているうちの金属疲労ですね。でも本番中でなくてほんとよかったです」
いまの段階で折れて、不幸中の幸いととるべきなのだろうか。
しかし、ここでの交換、再びのハンドルのセッティングは本番の迫る時間帯にはかなり厳しい作業であるようだ。一般的なバーハンドルとは違い、セパレートハンドルは左右のシンメトリーをとること、そして前傾のキツいレーシーなポジションゆえのブレーキ・クラッチなどレバー類の角度のつけ方にとても気を使う。
「レバーが、こう下を向いた状態だと走り辛くなるんです。かといってカウリングを抑制しない場所を探さなくてはいけない」と古澤選手。時速300キロにも迫るレーサーの操作の要だから、処方箋をひきあてるようなピタっと決まる理想の位置が必要なのだろう。ここには、めいっぱい神経を使うようだ。古澤選手は、ステップに中腰の状態、座った状態、伏せた状態、さらにもっと深く伏せた状態。走行中をイメージして、メカニックたちと微妙な調整を続ける。学生達、先生も指示に従い、ほんのちょっと、もうちょっとと工具をまわす。
この間、決勝前の貴重なウォームアップ走行の時間は刻々と過ぎていく。
ハンドル位置を仮決めとしたのか、一旦は、児玉選手、北口選手の走行タイムにつなぐ。少しでも走っておかないとマズイのだろう。ハンドルの調節は、かなり重要な箇所であり作業はこのあとのピットウォークの時間に入っても続けられる。
前日、児玉選手がこうコメントしていたことを思い出す。
「どんなに小さな違和感であっても、レーサーがそこを気にしながら走ることは辛いのです。それが8時間続くとなると大きなストレスになりますね」
だから、ここに妥協があってはいけない。学生達にもそのあたりはよく伝わっているようだ。
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貴重な時間が刻一刻と過ぎていく。ピットの空気は張り詰めていたが、普段の授業どおり焦らず慎重に。
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なんとか数周のウォームアップ走行はできたが、思わぬアクシデントに表情も曇りがちに。
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ピットウォークの車両展示を中止し再調整に専念するメカ、ガス班と、前日同様パンフとうちわを配るサイン班。不測の事態に対して今自分が何をすべきか考えて動けるようになった。
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今年も伊東社長が激励に。緊張の中にも学生達の笑顔が。
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チーム監督は五月女教頭先生。
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ピットウォークの喧噪が終わり、いよいよグリッドに出る時間が近づいた。ここで昨年に引き続き、ホンダ”七代目”伊東孝紳社長の激励をうける。学生達に握手をしてまわり、顔見知りの先生達と旧交を温める。技術畑出身の伊東社長は自らライダーであり、若い若い後輩達の溌剌ぶりにとてもにこやかな面持ち。
こうして社長の”激”も入って気分一新。考え方を変えれば、スタート前に起きたアクシデント、ハプニング。災厄をクリアしてのスタートラインである。嫌なことが先に起きたことでTeamホンダ学園に運が向いてきた。そんな気持ちにも思えてきた。
「いよいよスタートのグリッドに並べました。今年こそは完走して欲しいです。祈ってます」
送り出した学生達とマシンに目を細めるチーム監督の教頭、五月女浩先生。
ゼッケン28番Teamホンダ学園のCBR1000RRは、予選タイム2分14秒484、34番グリッドからの発進だった。コールを受けて盛り上がるグリッドとピット。スターティングライダーを務める児玉選手の姿が去年に続いて勇壮だった。近づいてきた11時30分。サイティングラップを終えて、さあいよいよ、第37回鈴鹿8時間耐久ロードレースのシグナルグリーン!!!
と、誰もが固唾を飲んでカウントダウンを待っていたときだった。
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いよいよスタートグリッドへ。この時は晴れていたのだが。
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鈴鹿の空が風雲急を告げたのだ。突然15分のスタートディレイが発表された。ストレートは晴れていたが、西コースは土砂降りのようだ。しばらくして水滴が落ちたかな、と思った途端、パツパツパツと大粒の雨、ザァーーーっと土砂降りになった。ゲリラ豪雨、スコールのような雨。大騒ぎになった。またまたのハプニング発生か? いやこれは全員に降り掛かった急転直下の気象変動。コントロールタワーにはレース中断を告げる赤旗。まだレースは始まっていないにかかわらず赤旗。スターティンググリッドも、混乱した。スタンド席ではあわてて庇のある席へと駆け上がって避難するお客さん達。騒然となったのは、当然、学園のピットも同様。
Teamホンダ学園の、もしかしたら今年の指折りの”腕の見せ所”だったかもしれない。大雨のなかでのレインタイヤ交換、しかもコース上でだ。先生の指示をうけて用意していたタイヤを持ってグリッドへ向かう学生達。この様子の詳細はコース上なので残念ながら見ることはできなかった。しかし、変更して決められたスタート時間までに、彼らはレインタイヤに交換。確実な作業をしたようだ。鉄火場だったと想像できるのは、戻ってきた彼らが頭からずくずく。全身ずぶ濡れだったこと。伝統の一戦が始まる前から水のしたたる男たち、たいへん得難い体験をしたことになる。
ただ、突然の大豪雨は、全チームにとって平等な走行条件。どのチームもレインタイヤへの交換をやり遂げて再スタートを待つという結果になった。もしスタートを切ってからの豪雨だったらみんながドライタイヤ。走行中にもっと大きな混乱になったかもしれない。これは大会にとっての、不幸中の幸いだったかもしれない。
「かさ、かさ、かさ、かさ、かさ、傘を」
大雨の中、本田君がグリッドから走り帰ってきて傘2本をつかむとまた猛スピードで駆けていく。誰かに傘を頼むより自分の足が速いと判断したのだろう。ピットからは、グリッドの状態がよく見えないこともあり、モニターテレビが映し出す全体像ぐらいしか状態の把握ができない。
ますます雨脚が強くなる。こういう場合のレース進行はどうなるのだろう? しばらく様子を窺いながら「裁定」を待つ状態になった。コース上に出ていたマシンたちはピットに戻された。ことの次第の成り行きに唖然としながら、見たことのない、珍しい鈴鹿8耐の光景にまた唖然。雨は降り続けて、最終コーナーへむけて緩く傾斜していくアスファルトは川になっている。
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15分のDELAYから12時35分スタートへ大幅に変更され、一時ピットに避難。ずぶ濡れになりながらもまずはマシン、そして工具の手入れ。
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ここまで来たのだ。雨はどうあれ、走らせて欲しい。お願いします。頼む。通り雨よ早く去れ。祈る言葉をなんども反芻させる胸のなか。ピット内に残った学生達の顔もみるみるくぐもっていく。なんということであろうか。鈴鹿8耐の空の神様、早く、走らせて欲しい。
やがて主催者からの発表。12時35分のスタートが決定。12時15分からもう一度サイティングラップを行うということだった。ピット内がここからまた動き出す。
雨は降り止まなかったが、こうして主催者より今年の鈴鹿8耐は6時間55分に短縮と発表。出走は確定されてほっとひと息をつける。ようやく、おなじみのカウントダウンの唱和にこぎつけられる算段だ。かくして1時間5分を遅れての12時35分、ついに、待望の、雨中のスタートをきった。
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まだ雨は止まない中、グリッドへ再びマシンを送り出す。あとはモニターで見守るしかない。
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全マシーンがRight ON。70余台が一斉に水しぶきをあげてのフル加速、レーサー達にはたいへん気の毒だが、もの凄い迫力があった。
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児玉選手の走行状態を、モニターを食い入るように見つめて気にかける学生達。しばらくは、気が気でない様子で児玉選手の刻むラップを見守っている。スタートの雑踏を無事かわした児玉選手は、40位ぐらいを走行。彼からすれば、持てる技術と集中力を最大限に研ぎすましての安全運転だろう。プロとしての”我慢の走り”が推測される。時折、他車の雨中の派手な転倒シーンがモニターテレビに映し出される。無理は禁物の走路状況のようだ。
頭からずぶ濡れで戻ってきたメカ担当達が、工具を拭いていた。トレイのなかは水びたし、これを一旦すべてピットの床に出して、ひとつずつを丁寧に拭いている。みんな濡れた衣服など気にもかけず黙々と作業している。若さの特権? いや工具のメンテナンスはメカニックの最優先にすべきこと? 濡れそぼった作業服がずっとしゃがみこんで手を動かしていた。
「雨から学ぶことはたくさんあるのでないでしょうか。どんな天候にも対応するのがレース。対策を講じる判断力、同時にタイヤや交換する部品などを出来るだけ濡らさないで作業をする工夫など。普通の部活動とは、また違った鍛えられ方ですね」
五月女先生の言葉にうなづきながら、目をむけるホームストレートはまるで競艇レースの様相。雨で、気温のほうはすこしひんやりした鈴鹿サーキット。
さきほど傘を持って全力疾走したタイヤ管理係の本田君。彼も濡れたまま、次のピットで交換するタイヤについて先生と話し合っている。今日は、雨についての相応の予見していたことを話してくれた。
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ウエット宣言の中、今年もスターティングを担うことになった第一ライダーの児玉勇太選手(26)。若さと速さのタイムの稼ぎ頭。一方で「学生と言ってもプロと一緒に同じ土俵で戦う世界。レーサーの不快や不安と感じる部分を徹底的に究明する勉強と努力を惜しまないで欲しい」と実戦に根ざしたエールを送る。血液型B型。
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「予報は、雨があると集中豪雨と言ってました。そんな雨雲ですから覚悟をしていましたが、スタートの直前だったので慌ただしくなりましたね」
そうこう話すうちに、雨は次第にあがりはじめ、雲の切れ間から太陽がさしてくるようになる。これがゲリラ豪雨の厄介なところ。サーキットのコースは、場所によって”まだら乾き”の状態が散見されるようになる。日当りがよく完全に乾ききっている場所もあるようだ。まだレインタイヤが安心の場所と、できればスリックタイヤで行きたいところ。慎重に周回を重ねる児玉選手に、最初のピットが近づいた。ひとりの予定周回数は通常27周と予定したなかでこの最初の走行分担(スティントと呼ぶ)のみを短い24周としていた。
28号車がピットイン。児玉選手から古澤選手へとバトンタッチ。次のタイヤはスリックが選択された。前後のタイヤが交換され、ブレーキのエア抜き確認。ここで、シフトチェンジのペダルが交換される。
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これは、レーサーの志向によって、ギアミッションの正チェンジ・逆チェンジがあるからで、古澤選手が正チェンジ、児玉・北口の両選手が逆チェンジ。タイヤの交換のあとに、手先が器用と言われる前田君の役目だった。ピットに戻って聞いたことだが、前田君は初回のピットルーティンはいまひとつ満足でなかったとのこと。練習どおりの作業が本番では難しいということを噛み締めたとか。
そしてピットルーティンの締めが、宮下キャプテン、間瀬君の重量コンビによるガスチャージ。スリックタイヤに変わった古澤選手の乗る28号車はコースへと出ていった。太陽がさしてきたことでコース上、ピット内に熱気が戻ってきつつあった。むわっと湿り気を帯びた熱気がこもる。
「走りは安定していると思います。さきほどはレインタイヤのわりに、燃費もよかった。ちょっとアセったこともありましたけどね(苦笑)」
宮下キャプテンはいましがた冷や汗をかいたそうだ。その理由とは給油を終えて戻ってきたところクイックチャージャー内にガソリンが若干残っていたこと。
「まさか入れ残したのではと思いましたが、最初は24周でしたから3周分は余っている計算。これでいいのでした」
自分自身とガス係の山下君、間瀬君らと確認しあうようにうなづいている。その傍ら、大きな扇風機の前では、ヘルパー役の松井君が児玉選手のグローブを乾かしている。
「最初はどうなるかと思いましたがスタートできた。本当に、本当によかったです」
小柄で、まだあどけない表情の松井君が”よかった”と言うと胸が熱くなる。本田君は、ピットのなかを見回し、ダンボールをつぶし、ゴミを片付けて所定の場所に捨てに行っている。みんなが、それぞれの仕事を分担、または、いま出来る仕事を探すことでチームが機能していっているように見える。目指す完走。それもレーサーに、めいっぱい走ってもらっての完走。先生方の、当初の不安は実戦開始とともに、少しずつだが薄らいでいくように感じた。
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13時39分ごろ、最初のピットインを前に。胸中やいかに。
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古澤選手は、快速の巡航ペースをつかんだようで、順位をあげながら周回を重ねる。学生メカニック、先生、レーサー。つなぐ、つなげる、つなげていこう。平静ムードを取り戻しつつあるTeamホンダ学園だった。ところが、3番手ライダーの北口選手が準備にとりかかったところで、鈴鹿の空がまたオカシクなってきた。
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今年もホンダ学園28号車CBR1000RRを駆る古澤基樹選手(41)。ライダーの中で年長者としての強い責任感、学生達に”めいっぱい走っての完走”を見せたい想いはひとしきり「マシンのセッティングについてはすべて児玉選手にまかせています」とは言うものの、学生をシートに座らせて調整法を教えたり、極めてデリケートな微調整に至るところまでベテランらしい気配りをみせていた。血液型B型。
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「レインや、レインでいきましょう」
北口選手の言葉どおり、2度目のピットは一転して再び強い雨の落ちてきたなかでの作業。せっかく乾きかけていた学生達の作業着がまた濡れていく。雨しずくに目をしばたかせながらレインタイヤに換装。なかなか安定しない鈴鹿の空。でもこれが、レースなのだと想う。屋根のないサーキットでのレース。またもや雨。降ったり、止んだり、照込んだり、また降ったり。
若いクルー達を、これでもか、これでもかと試すような耐久レース。まだ人生の、年齢序盤の彼らに、人生とは、耐久レースなのではないかと教える天候。鍛えられている。ピットを出た北口選手は、雨に強いとの評価どおり、鈴鹿の空とは裏腹の安定した走行を披露。雨中でも順位を上げていった。
「もう雨雲は飛んでこない様子です。ここからはスリックタイヤでタイムも上がってくると思います」
パソコンで雨雲の位置を確認していた本田君。ここからは、鈴鹿ならではの暑さ。本来のタイヤの減り具合、耐久性能に切り替わる頃合いを気にしているようだった。
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雨の中での2回目のピットイン。フロントアクスル取り外しでややもたついたものの、無事に北口選手を送り出す。
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北口選手が決められた27周を走って3回目のピットに戻った時には、スターティンググリッドと同じ34位まで挽回。レインタイヤで、天候が回復しつつある路面で27周は相当厳しかったと推察される。溝の穿たれたタイヤがおおきく削れていたからだ。スリックタイヤに交換して児玉選手にバトンタッチした。以降、序盤の雨を忘れる空のもと、児玉選手はさらに順位をあげていく。若さと速さの本領発揮。最終コーナーを駆け下りてきて、ストレートを抜けていくその姿にサイン係の学生達の表情も晴れ晴れ。先行のマシンを抜去り、それがモニターに映って拍手の起こるピット内。4回目のピットで代わった古澤選手もそのまま流れの好調をキープ。学生達にめいっぱい走っての完走をみせるために……。
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第3ライダーとして新たに加わった北口浩二選手(41)。おおらかな佇まいと包容力を感じさせる人。「難しい作業も、もう少し学生さんにまかせてもいいかもしれませんね」。自らは、鈴鹿製作所のプレス機械の整備を請け負う会社を経営。社員の人たちも鈴鹿8耐に出ているそうだが「社長にまったく遠慮なく抜いていきよります」と笑う。血液型O型。右は北口選手が乾いていく路面をだましだまし走らせたレインタイヤ。
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