多くの人が興味をもってくれて、とても嬉しくなった!
週末・土曜日の未明、東京をスタート。NM4はそのイメージから、やはりハイウェイ・クルージングだろう。東名高速で西に向かう。時速100km/hでもスピード感を感じるのは、大型二輪車で走る久々の高速道路に対し”勘”が戻っていないからではない。きっと、その着座位置の低さ、潜り込むようなライディング・ポジション(NM4の特徴である、ホンダの言うところの”コックピットポジション”)からくるものだろう。1,645mmという長めのホイールベースをもちながら、足のセッティングのせいか、ギャップによっては稀に突き上げを感じることもあったが、直進性に優れた快適なフィーリングだ。
御殿場から先は新東名へ。旧東名に対し風景は単調だが開放感ある新東名は心地よい。静岡SAで初めて休憩。夜行バスに乗車していたオジサン(自分もオジサンだが明らかに年上だった)に声をかけられた。ご自身が乗られているスクーターとミラーが似ているという。車名は分からないが、どんなスクーターか、なんとなく分かった。その独特のスタイリングによって、NM4はコミュニケーションのきっかけを作ってくれる。
こちらの動画が見られない方、もっと大きな画面で見たい方は、YOUTUBEのサイトで直接どうぞ。「http://youtu.be/6HmoY64vudg」 | 周りを圧倒する、その独特のスタイルがNM4シリーズの魅力。加えて、NM4-02にはリアにユーティリティボックスが標準で備わる。サイドスタンドしかないので、狭い場所に駐車する際、ミラーやユーティリティボックスの張り出し部に傷つけないよう注意が必要。ハンドルバーより下に位置するミラーはアップライト気味に座ると後方視界が増える。空力的にナックルガード的役割を担っているかもしれない。※写真をクリックすると大きく、または違う写真を見ることができます(以下同様) |
千日前のアーケード(?)で若者に声をかけられた。NM4-02の写真を撮りたいという。熱心に撮影していた。二輪免許は持っていないという彼らにも興味を抱かせるオーラをNM4は放っている。 | 工事現場で働くお兄さんにも声をかけられた。ホンダからこのままのカタチで販売されていると言ったら驚いていた。関西は気さくな人が多い。 |
ところで、なぜ西に向かっているのか? 長距離を走って新コンセプトバイクを楽しませていただく以外、特に明確な目的はないが、まずは”NM4″が世界に向けて発信された地である大阪、の歓楽街・ミナミ(=”NaMba”)とからめて写真を撮ることをミッションとする。いつも横風で怖い思いをする伊勢湾岸道も快適に通過。東名阪経由で亀山からは名阪国道、西名阪、阪神高速でミナミに着いたのは朝8時過ぎだった。
生まれ育った地ではないので大阪のことはよくわからないが、大阪の文化が、好きだ。そんな街の風景にNM4-02は、”未来的”でありながら一部”コテコテ”とも思えるようなところがマッチしているように思う。NMB48劇場、なんばグランド花月(NGK)近くを徘徊していると、またまた声をかけられた。若人二人組みだった。「写真撮っていいですか?」と。聞くところによるとお二人とも、バイクの免許は持っていないとか。そんな人たちの興味を惹くNM4は、新たなライダーを開拓する存在と言える。いや、ホンダの方々はそのあたりも当然見越し、NM4を出しているに違いない。いずれにせよ、そんな彼らに声をかけられて、とても嬉しくなってしまった。
NM4のスタイル、多くの人々はSFコミックに登場してくるようなバイクをイメージしているようだ。旧い話で恐縮だが、個人的にはウルトラ警備隊の「ポインター」が想像した未来感をNM4は彷彿とさせる。
岡山国際サーキットで毎夏開催されているクルマの人気イベント「オーバーヒートミーティング」にお邪魔してみた。このイベントの中心人物とも言える、月刊自動車雑誌「Tipo」の佐藤編集長。今でこそ偉い人になってしまったが、10代の頃はG’でブイブイいわせていた原チャリ小僧。 | 毎年、このイベントに参加しているルノー・ジャポンのブレンさんはZX-14Rオーナーでもある超バイク好き。10代の頃は大垂水峠を攻め、愛読書は「バリバリマシン」だったという、ちょっと風変わりなフランス人。「スクーターやオートマチックは好きじゃないけど、コイツはいいかも」とのこと。 | 同様に毎年イベントに参加しているケータハムのジャスティンさんも、妙な日本文化に精通しているおかしな英国人。「NM4はスター・ウォーズのストーム・トルーパーの格好で乗るといいかもネ!」と。隣に写っているのはジムニーやエブリイのコンポーネントを使用する軽自動車規格のケータハム・セブン160。 |
「えぇっ!?」「このままのカタチで売ってるの?」「初めて見た!」「本当にホンダのバイク?」「スクーターかと思った」など、NM4に対する反応は様々。バイクに興味がない人も立ち止まって見ていました。 |
さて、大阪でのミッションはとりあえず終了。次の目的地は岡山県美作市の岡山国際サーキット。毎年、ピンキー大統領が原二バイクで参加しているイベントに、今年は都合により出席できない閣下に代わり、私がNM4-02で参加することに。ピンキー大統領が一般道を使って岡山に向かっていたのとは対照的に、NM4だとスタート日の昼過ぎには現地に到着。この日のゴールとした(参考までに2010年7月、ピンキー大統領がスペイシー100で岡山国際サーキットから東京まで、一般道をぶっ通しで走り続けた俗に言う「中国大返し」では23時間ちょっとかかっている)。
走れば走るほど身体の一部、一体感のようなものが得られる
NM4-02、慣れてしまうと意外や街中でも取り回しは楽、ミラーの張り出しも気にならない。何と言っても足着きの良さが安心感を伴う。渋滞などのノロノロ運転では、教習所で習ったリアブレーキでバランスをとる操縦方が合うかもしれない。豊かなトルクのおかげで低速の味わいも楽しめる。同じエンジンを搭載するNC750Xに乗ったことがあるが、NM4の方が”ドロドロッ!”とした鼓動が強調されているように感じたのは気のせいか?
でもNM4シリーズの真髄、個人的にはハイウェイ・クルージングにあると感じた。ゆったりとしたライディング・ポジション、750ccパラレルツインエンジン+DCTの組み合わせは、私のバイク観を変えてしまうほど。極端な例えだがクルマの感覚に近い。ギアは6速に入れておけば全て事足りる。いざ、という時も豊かなトルクのおかげで力強い加速が続く。正に「クルマか!?」と思わせるレッドゾーン6,000rpmのエンジン特性はNM4のためにあつらえたようにも思える。DCTのスイッチ類、最初こそシフトアップとパッシングのスイッチを勘違いしてしまったが、慣れてくると自然と希望の動作をしている。今回、基本Dモードホールドで、シフトダウン・スイッチのみ使うというパターンが多かった。
車両を借りた時と返却時の印象はまるで異なった。好みの問題かもしれないが、当初「?」と思っていたスタイル、これも数日間一緒にいることによって「いいかも」に変わっていった。また、フロントやリアのやや張り出しあるボディと独特のライディングポジションに対し、果たして扱いきれるのか、不安があったが、走れば走るほど身体の一部、一体感のようなものも得られ、まだまだ乗っていたいような名残惜しさすら芽生えていた。
定番シングルライダースをモダナイズ、 Honda CLASSICS 素材には本革の風合いを追求しながらも軽い防水性も備わる合成皮革を採用する3シーズンジャケット。部分的にパンチング加工を施すことで通気性を確保、襟裏にクールマックス素材を使用するといった夏場への配慮も。背中の高輝度リフレクターは夜間走行時の被視認性が向上。バック(背中)、ショルダー(肩)、エルボー(肘)のソフトプロテクターを標準装備(セパレートまたは一体型タイプのボディプロテクターのオプション装着対応)。カラーは写真のブラックの他、グレー、ホワイトを設定。サイズはSから4L。価格は18,900円+税(3L、4Lは19,900円+税)。
問:ホンダモーターサイクルジャパン |
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