第48回 「なっとくできないなっとう」
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某立喰・ソで、タブレット片手に(タブレットと言っても「通票さんかく!」と確認するタマではなく、携帯端末ですから。鉄の皆さん)、私は出来る女的オーラーを出しながら、ソをすすっておられるパンツスーツの女性がいらっしゃいました。別段感想はございません。調子に乗って「女子供は立喰・ソに来るな」などと都議会でヤジると大変なことになります。県議のみなさまへは、「フルトッピングした大盛立喰・ソを毎日100杯食べたんです。領収書はもらえませんでした。天地天明に誓って嘘ではありません。うわ〜ん」と号泣しても誰も信じてくれないので、ご注意ください。
などと時事ネタ風にすると、ちょっとカッコがつく(ように感じる)のですが、半年後に読み返すと、なんのことだかさっぱりわかりません。
唐突ですが、女性に敬意を表し最も立喰・ソが似合う女性を選出する、第一回ベスト立喰・ソ女の開催を宣言します。
真木よう子というスーパー飛び道具は反則です。んなもの、立喰・ソに限らずどんなシチュエーションでも出来すぎてしまうのでお話になりません。オアシズのおふたりも、違和感ゼロのある意味飛び道具なので問題外。吉高由里子、能年玲奈クラスは8:2でソが負けます。水野美紀はどうでしょう。結構いいラインだと思いますが難しいですね。というか、ただ私の好み(オアシズを除く)を羅列しているだけです。
ベスト立喰・ソ女は男の数だけある。そう、女王も二位も三位もビリさえも、貴方の心の中にいるのです。と、飛び道具的にお話をまるめてポイして次の話題です。
前回お話させて頂きました錦糸町。錦糸町といえば、JRA(中央競馬会)の場外馬券売り場WINS。北海道2、東北7、関東18、中部2、関西6、中国3、四国1、九州7、沖縄0と全国46個所もあります。こうしてみると関東が圧倒的。人口比率を考えると中部地区がかなり少ない気もしますが、競馬よりもオートや競艇の人気があるということでしょうか。
昔のパチンコには一発台という、物理的にこんな穴に入るわけないという入賞口に、何かの間違いで入ってしまうと打ち止めまで出玉が止まらないという激熱台があったのですが、静岡や浜松にはありませんでした。なぜかパチンコ関係のライターもしていた全ソ連唯一の会員、おなじみAB君によれば「戸締まり用心火の用心のおじさん(=競艇界のドン。実はかなり怖い人らしい)の力が絶大で、設置が許可されなかった」と聞いてきたような噂を吹聴しておりましたが、真相は知りません。知らないことが身のためにいいことは、世の中たくさんあります。
公営ギャンブルには監督省庁という元締がいます。競馬は農林水産省、オートレースと競輪は経済産業省、競艇は国土交通省、宝くじは総務省、サッカーくじは文部化学省と、縦割り行政大好き、省益が国益と信じて疑わない優秀な官僚のみなさんが、日夜しのぎを削っているのです。各ギャンブルのテレビコマーシャルを見ると、ああなるほどね、そういうのが好みなのね、と各省の性癖まで見通せるような気もしますが、気のせいです。あれは大手広告代理店の仕事です。そういえば、農水省には一般人も入れる、立喰・ソがあるらしのですが、土日は休業なので未だ未訪問です。
ちなみに原発は経済産業省の監督下です。監督しているくせにいざというとき、手も足も出ない(出せない)のですから一体何を監督していたのでしょうか。罰として、庁からから省に格上げされ、原発事故で散々お世話になった防衛省に、競輪かオートレースを割譲するくらいのことをしてもバチがあたらないのでは。と、解っていないくせに聞きかじった政治ネタを混入すると、ちょっとかしこくなったような気がしませんか。と、相も変わらず与太話で行数を水増ししたところで、今月のお話です。
前回お話させて頂きました錦糸町と並んで、鉄火場度数と源さん指数の高いWINSといえば浅草です。そのWINS浅草のお隣にあった、昭和種鉄火場系正統派立喰・ソに属するイシヤマはここ最近、閉店(営業時間が終了したとか休業日という意味合い=タイプA)状態が続いているように見えました。が、どうやら閉店(幻立喰・ソ化=タイプB)してしまった模様です。反対側の入口前にあった小文(こぶみ)も、いつの間にやらラーメン屋になっていました。
今回はどちらをネタにしようと、幻立喰・ソ帖をぱらぱら、あれ? ぱらぱらぱら、あれ? ない……こともあろうか小文は未訪問だったことが判明。何度も前は通っていたので、訪問済みだとばかり思っていました。まさに痛恨の極み。まあ、いつものことですか……
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元気だった頃の小文。隣の山田うどんも今では幻立喰・ウです。(2010年5月撮影)
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まだ元気だった頃のイシヤマ。「酒」の文字がしびれます。(2010年5月撮影)
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イシヤマの店内とちくわ天そばにおいなりさん。棚に置かれたワンカップがしびれます。ちくわ天とおいなりさんで満足したのか、さすがにワンカップには手を出していなかったようです。(2010年5月撮影)
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気を取り直して浅草です。錦糸町同様に立喰・ソが多々ある「ようこそここへ〜」パラダイス立喰・ソです。最近改装して一見何屋さんだか解らなくなってしまった、浅草観音温泉並びのST、穴倉ではないのですが、穴倉をイメージしていただけると、行ったら「ああ、あなぐら」と納得していただけるであろう、昭和立喰・ソの本質を満喫できる、いちかばちかみたいなI、すっかりメジャーになり、昼間から婦女子が(いや、子供はまずいな。いるけれど)普通に呑んでいる垢抜けてしまった通称ホッピー通りの末端にある、浅草には似つかわしくない(失礼)ごくごく普通っぽいK、東武浅草駅前の防空壕入口のような階段を下りたところにある、両国の名店で、高速増殖炉みたいな名前のMJの支店など、個性的な立喰・ソが切磋琢磨しています。
さらに、東武浅草駅前の吾妻橋交差点は、大チェーンの名代F、得体の知れない謎のフランチャイズ店(だと私が勝手に思っている)Sねんに、店内よりも大きいんじゃないかという看板が目印の助六が火花を散らす(と、よく揶揄されますが、立喰・ソならば、火花ではなく散らすのは、ねぎとか七味です)激戦区でした。その助六も前記のイシヤマ同様、のれんは出ているのにシャッターが降りた状態で、閉店(タイプA)のようでしたが、ずーっとそのままで、本当に閉店(タイプB)し、小文同様、ラーメン屋に改装されたようです。
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「浅草立喰・ソ大戦争」という娯楽映画のオープニングはここで撮影されたのは有名な話ではなく、いうまでもなくただの大ボラです。いまでも助六の看板は残っていました。(2014年8月撮影)
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吾妻橋の交差点は、お巡りさんの猟場。右手押上方面からはバスのみ右折可。つられてバスといっしょに右折すると一丁上がり。ご注意ください。(2011年9月撮影)
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浅草らしい味のある立喰・ソだっただけに、残念です。さらに、10枚集めると300円分の金券になる謝恩券まで発行していたのですが、どこかの町の地方債ように、謝恩券を発券しすぎて破綻したのではと、心配をしたくなる価格とボリュームでした。味? そんなことを言う人は、800円の水の出てくるリストランテに行けばよろしい(←ちょっと前、話題になりました。憶えてますか?)。
今やどこかの国の通貨同様、ただの紙くずに成り果てた謝恩券ですが、まだ1枚くらいあるかなと、立喰・ソ宝箱(=ガラクタ箱)を引っかき回したら、出てきました。改めて見ると、小さな字でびっしりとメニューが書き込まれています。
裏面の下で目を引くのは助六セット。
1番 たぬき+いなり2ヶ 320
2番 たぬき+半カレー 420
3番 きつね+いなり2ヶ 380
4番 きつね+半カレー 480
5番 かきあげ+いなり2ヶ 380
6番 かきあげ+半カレー 480
7番 肉+いなり2ヶ 430
8番 肉+半カレー 530
下位打線でパワーアップする助六ナイン、いやエイト。「1ば〜ん、たぬきいなり君」と思わず声を出して読み上げたくなりませんか。なりますよね。なるはずです。
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とくとご覧ください。
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その上にはライスセット。ライス+みそ汁+おしんこで220円(以下価格はすべて2008年当時)。これに天ぷらや一品料理を組み合わせて貴方好みの定食にしてちょーだい、ということです。一品料理の値段とラインアップは、納豆80円、冷や奴80円、生玉子50円、コロッケ60円、メンチ80円、そして半たぬきそば80円! これら一群を一品料理と言っていいのか。いーんです。助六に1本800円の水を喜んで飲むグルマンボーイズ&ガールは来ませんから。
さて、ここで算数のお勉強です。ライスセットにコロッケとメンチでHow much are you?(中学の英語の時間、これを「君、いくらだい?」と訳し、嬉々と女子生徒に連発していたs先生、今なら大問題になりかねません)220+60+80=360円。メンコロ定食は、メンチカツ、男爵コロッケ、キャベツ、みそ汁、おしんこ、ライスで360円。キャベツ、男爵の分が単品よりもお得。セットメニューお得の法則どおりです。ただ、一品料理のコロッケとメンコロ定食の男爵コロッケが別物かどうかは怪しいです。メンコロ定食をオーダーすると、味のあるおやっさんは、なんのためらいもなく一品料理であろうコロッケを皿に載せていました。きっと忙しくて、男爵コロッケのありかを失念していたのでしょう。ちょっと前に連日連夜バカの1つ覚えのごとく報道されたのに、今ではすっかり忘れられた偽装メニューとは似て異なるものでしょう(なんとなく)。
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合羽橋が近いからか、立喰・ソにしては珍しい立派な見本がずらり。(2010年5月撮影)
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しばらくはこんな状態で、閉店(タイプA)のようでしたが。(2011年9月撮影)
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納豆定食もあります。納豆、生玉子、きざみねぎ、みそ汁、おしんこ、ライスで330円。納豆定食とメンコロ定食の差が30円というのもやや抵抗を感じますが、坂本龍馬がちょっとだけ通勤していたことを、縁の深いように言い張るねと、誰もが思っているにちがいないK浜K行T駅商店街にある、絶対に一見さんは入れない怪しすぎる喫茶店店頭に「カレー700円、焼き魚定食700円、納豆定食600円」と価格が掲示されており、さらに一見さんの敷居をかさ上げしています。喫茶店に焼き魚定食と納豆定食があることが自体が突っ込みどころではありますが、龍馬伝ブームの頃も龍馬定食とか言い出さなかった孤高の喫茶店に敬意を表しておきます。
助六の納豆定食に話を戻し、単品で計算してみましょう。80+50+220=350円と、セットメニューお得の法則どおりなのですが、メンコロは実質キャベツだけの差なのに、こちらは20円もお得。助六の価格設定はおおざっぱなのか、緻密に計算し尽くした結果なのか、しかもきざみねぎと謳っているということは、単品の納豆にはねぎが付かない、の? 刻んでないねぎがついていたりは、しなかったはずです。どっちも今となっては永遠の謎です。
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T駅前の謎の喫茶店のメニュー。特に意味はないのですが、一応証拠写真です。AB君とは違ってウソはつきません。少ししか。(2014年7月撮影)
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メンコロ定食、確かに食べたのですが写真がありません。代わりにちくわ天とおいなりさん。イシヤマと同じオーダーです。わたしバカですか?(2002年12月撮影)
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かんじんのソ部門ですが、半たぬきが80円ならば、全たぬきは190円かと思えばさにあらず。納豆定食のお得感から、もっと安いと期待はふくらみますが、お値段は240円。がっかりしがちですが考え直してください、たぬき240円は十分安い設定です。でも、かけも240円というと、安いんだか高いんだかわからなくなるさらなる混迷の価格設定なのです。
もっと混乱するのが納豆そば(玉子付)。再び計算してみましょう。240+60+50=350円。セットメニューの法則に従えば330円くらいかと思えば、なんと麺シリーズでは上から二番目の420円。えび天そば390円、肉そば350円を軽く抑えての第二位。オーダーしたことも、している人も見たことがないので、どんなトッピングがなされたゆえの高額か、これも今や迷宮入りのアンドローラです。
ちなみに堂々第一はとろろ(大和芋)の520円。セットもの最高額の天丼+半たぬき560円にあと一歩と迫る、怒濤の高額商品です。これも頼んだことも見たこともない、幻立喰・ソの幻、レジェンド・オブ・幻・立喰・ソです。
一枚の謝恩券で1回分埋まりました(無理矢理)。イシヤマを偲ぶはずが、助六の、しかも納豆定食のお話を展開して今回は終了。「助六だけにスシ違い」(←何が言いたいかと申しますれば、助六寿司は普通の寿司とは違い、おいなりさんと太巻きだから、「筋違い=スシ違」いということです)で、おあとがよろしいかよろしくないかは、貴方次第です。
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●立喰・ソNEWS 2014
雨ニモマケズ〜 サウイフモノニ ワタシハナレナイ……
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立喰・ソ激戦地の新橋のはずれというか、神谷町に近いT(一応現役店なので当コーナーのルールに従いイニシャルですが、右の写真を見れば一目瞭然です)。ファンの多い人気店ですが、オフィス街にある立喰・ソの法則通り、平日昼間の営業だけなので未だ営業中に行ったことはありません。先日、ひょっとして土曜営業になっていないかと、淡すぎる期待で行ってはみたものの当然閉店(タイプA)。しています。なにやら貼り紙がありました。まさか閉店(タイプB)のお知らせか! と色めき立って見てみれば、お! おおお! なんということでしょう。前回メールを頂いた坂崎師匠の著書で紹介されたお礼が書いてあるではありませんか。すばらしいです。私もこんな風になりたいものです。しかし、なれるわけありませんね。知識、文才、人格という基礎は1億万歩譲ってもらったとしてもですよ、幻立喰・ソネタでは永遠に無理です。閉店後に貼り出されるわけもないですから……
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立喰・ソ人にとって、立喰・ソ店に感謝されるのは大きな悦びです。さすがです。店主に怒鳴られた私とは七味のつぶとえび天くらいの埋まりようもない大差です。前半部分の意味が最初は? でしたが、坂崎師匠の本業は医療関係なのでしょうか。(2014年7月撮影)
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