MT-07/MT-07A 699,840円/749,520円(8月20日発売)
★ヤマハ MT-07/MT-07A 車両解説
“スポーツパッション&スマート”バイク、MT-07を発売
「MT-09」に弟分、クロスプレーン689cm3エンジンを搭載する「MT-07」が登場した。
ヤマハの“MT”といえば、今も「鼓動」をテーマとして開発されたVツインエンジンを搭載する“MT-01”を思い出す方が多いのでは。大型Vツインエンジンによる鼓動感を楽しむというコンセプトで、2004年9月のインターモトでデビュー。2005年モデルとして実際に市販も開始されたが、わずか5年、2009年モデルを最後に生産終了となってしまった孤高なマシンだ。“ヤマハトルクスポーツ”なる形容詞が付いていたように、OHV、1,670ccのVツインエンジンによる強烈なトルクを体感できたモデルとして熱烈なファンは現在も多い。
そして今年4月、“MT”の名称が冠せられたニューモデル“MT-09”が発売された。当然ながら「鼓動」感をテーマとするニューモデルかと思った方も多かったが、MT-01とはまったく違った個性を持っての登場だった。新世代の“MT”は水冷3気筒、846cc、DOHC4バルブ、F.I.エンジンを搭載する「ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的なデザイン」を持つマシンだった。しかもそのエンジンは、MotoGPマシン“YZR-M1”のヒューマンフレンドリーなハイテク技術、クロスプレーン・コンセプトにも基づいて開発されていた。
開発コンセプトは“Synchronized Performance Bike”で、「日常の速度域で乗り手の意志とシンクロする“意のままに操れる悦び”を提唱する」モデル。1999年に提唱された「鼓動:MT-01」の思想をベースに“ソウルビートVツインスポーツ”をキーワードとし、随所に先端技術を投入“究極の趣味材”の具現化を照準に開発したといわれる“MT”の由来はこの際脇に置いとこう。MT-09の“09”の方は、排気量846cm3の900クラスを表すのだろう。
車体もアルミダイキャスト製ダイヤモンドタイプフレームや外側締結リアアームなど、最新テクノロジーを導入することで市街地での楽しい走りを狙いとした方向で開発されている。YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)およびD-MODE、マスの集中に貢献する一体成型のエキゾーストパイプ&サイレンサー、アルミテーパーハンドル、ラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、アルミ鍛造ブレーキ&シフトペダルなどなど。そして極めつけは装備重量188kgがMT-09の性格のすべてを物語っている。
今回登場したMT-07は、このMT-09の弟分といえるモデルで、車名の通り689cm3の排気量を持つ水冷直列2気筒エンジンを搭載する“スポーツパッション&スマート”をコンセプトとしたモデル。2気筒と3気筒という違いはあるが、クロスプレーン・コンセプトの設計思想により開発されたエンジンなど、MT-09との共通項は多い。日常域でパワフルながら扱いやすいエンジンを軽量、コンパクトでスタイリッシュな車体に搭載する、というモデルだ。
★YAMAHA プレスリリースより (2014年7月7日)
普段着感覚で走りを楽しめるスマートな大型二輪モデル
「MT-07」「MT-07A」新発売
ヤマハ発動機株式会社は、水冷4ストローク直列2気筒・689cm3エンジンを搭載したスポーツモデルの新製品「MT-07」および、ABS標準装備の「MT-07A」を2014年8月20日より発売します。
「MT-07」「MT-07A」は“スポーツパッション&スマート”をコンセプトに、走りの楽しさと街中で映えるファッショナブルなスタイル、コストパフォーマンスを調和させたモデルです。「普段着感覚で楽しめる運転の楽しさ」や「バイクのある豊かな生活」を提唱します。
主な特徴は、1)またがってわかるボディの軽さとコンパクトさ、2)走り出した瞬間に伝わる扱いやすくパワフルなエンジン、3)俊敏性を備えながらもビッグバイクとしての風格を備えた新デザイン、などです。大型二輪ながら求めやすい価格を実現しました。
- <名称>
- 「MT-07」、「MT-07A(ABS搭載モデル)」
- <発売日>
- 2014年8月20日
- <メーカー希望小売価格>
- 「MT-07」699,840円(本体価格648,000円、消費税51,840円)
「MT-07A」749,520円(本体価格694,000円、消費税55,520円) - ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれない。
- <カラーリング>
- ・マットグレーメタリック3(マットグレー)
- ・ブルーイッシュホワイトカクテル1(ホワイト)
- ・ビビッドレッドカクテル1(レッド)
- <販売計画>
- 2,500台(年間/国内)
- ※お問い合わせは、「ヤマハ発動機お客様相談室(フリーダイヤル0120-090-819)」。
- 《企画の狙い》
- 国内二輪市場は近年、スピード性能や馬力などの「数値」ではなく、日常走行や市街地での扱いやすさやデザイン性を求めるトレンドへと変化しています。今回の「MT-07」「MT-07A」は、市場ニーズに呼応し、日常域でパワフルながら扱いやすいエンジンを搭載、“軽量・スリム・コンパクト”でスタイリッシュな車体による優れた操作性・所有感などが特徴の新世代モーターサイクルです。先の「MT-09」に続く『MT-World』を担うモデルとして、モーターサイクルの楽しさが味わえ、自分だけの乗りものを所有する喜びが得られるモデルとして開発しました。
- 《主な特徴》
- 1) ライディングを存分に楽しめる軽量&コンパクトエンジン
- クロスプレーン・コンセプト※1の設計思想に基づき開発した水冷4ストローク・直列2気筒DOHC・4バルブ、689cm3の新開発エンジンです。ライダーが“自分のペース”で走りを楽しめることを基準に、実用域で使用頻度の多い中低速域での粘り強いトルク、リニアなレスポンス、扱いやすいパワーのバランスを図りました。“270度位相クランク”を採用しており、心地よい加速フィーリング、駆動感が特徴です。
- また放熱性に優れるダイレクトメッキシリンダー、軽量化と低振動化に貢献する1軸バランサー、ロス馬力を低減するオフセットシリンダー※2、小型設計クラッチなどを採用しています。排気系にはチャンバータイプの2into1のダウンマフラーを配し、優れた性能を引き出しながら、軽量・コンパクト化を図りました。専用のミッションレシオとの相乗効果でシフトレンジが広く、良好な扱いやすさをもたらします。
- ※1:<ライダーのスロットル操作に対しリニアなトルクを創出すること>を求める設計思想。リニアなトルクを得ようとするライダーにとって、「ノイズ」に感じることがある<慣性トルク>を取り除き、<燃焼トルク>を効率よく引き出す設計思想。
- ※2:燃焼時の圧力でピストンが押し下げられるとき、ピストンはシリンダー壁面方向へも押し付けられ、これがわずかなロス馬力となっている。この壁方向への力が最小となるようシリンダー位置をわずかにずらしてロス馬力低減、燃費改善に貢献させるシステム。
- 2) 軽快で素直なハンドリングを支える新設計フレーム
- “軽量・スリム・コンパクト”なボディを支える新フレームを採用しました。しなやかな乗り味とコントロール性に貢献します。重心位置や軸間距離・リアアーム位置などのディメンションは、エンジン特性に合わせ最適化。ライダー操作とマシンの動きが連動し心地よい走行フィーリングを楽しめます。またリアのリンク式モノクロスサスペンションは、ショックユニットをクランクケースに締結、ショック荷重を受け止める構造物がフレーム側に不要で、良好なフレームバランスを支え軽量化にも貢献しています。
- 3) ビジュアル表示のマルチファンクションメーター
- ビジュアルに情報を得やすい小型フル液晶型マルチファンクションメーターを採用しました。エンジン回転数のバー表示は、4,000~8,000r/min のトルクバンド表示面を幅広くとり、発生トルクのボリューム感を強調しています。ギアポジション表示や、ECOインジケーターも装備しています。
- 4)“ダブルデッキ・ストラクチャー”の新スタイル
- “クールアーバンスポーツ”をデザインコンセプトとしました。車体上部は“人とマシンの融合美”を、車体下部は“走り”の機能美としてパワーユニットの粘り強いトルク感を表現する“ダブルデッキ・ストラクチャー”を採用しました。
- 「MT-07」「MT-07A」フィーチャー
- ・スリムなスタイルを印象づけるタンクパッド
- ・コンパクトなライディングポジションに貢献するシート
- ・LEDテールライト
- ・ショックユニットをエンジン懸架とした水平配置のリンク式モノクロスサスペンション
- ・左右非対称リアアーム
- ・コンパクト設計エキゾーストパイプ&チャンバータイプマフラー
- ・マシンの状況を視覚的に確認しやすいマルチファンクションメーター
- ・剛性バランスに優れた高張力鋼管採用フレーム
- ・マルチリフレクター式ヘッドライト
- ・282mm径フローティングタイプのウェーブディスクをダブルで装備するフロントブレーキ
- ・対向ピストン・4ポットキャリパー
- ・新開発水冷4ストローク・直列2気筒DOHC・4バルブ、270度クランクFIエンジン
- ・コンパクト1軸バランサー
- ・小型設計クラッチ、新設計ミッション(専用ミッションレシオ)
★主要諸元
車名型式 | EBL-RM07J | |
---|---|---|
MT-07〈MT-07A〉 | ||
発売日 | 2014年8月20日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.085×0.745×1.090 | |
軸距(m) | 1.400 | |
最低地上高(m) | 0.140 | |
シート高(m) | 0.805 | |
車両重量(kg) | 179〈182〉 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L) | 38.4(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時) | |
24.1(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時) | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | M403E | |
水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 689 | |
内径×行程(mm) | 80.0×68.5 | |
圧縮比 | 11.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 54[73.4]/9,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 68[6.9]/6,500 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | T.C.I.(トランジスタ式)式 | |
潤滑油方式 | 強制圧送ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 3.0 | |
燃料タンク容量(L) | 13 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.846 |
2速 | 2.125 | |
3速 | 1.631 | |
4速 | 1.300 | |
5速 | 1.090 | |
6速 | 0.964 | |
減速比1次/2次 | 1.925/2.687 | |
キャスター(度) | 24°50′ | |
トレール(mm) | 90 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 180/55ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※〈 〉内はMT-07Aのデータです。
※燃費消費率は、定められた試験条件のもとでの値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果からの計算値。