NM4-02 1,161,000円(6月10日発売)
★ホンダ NM4-02 車両解説
新感覚のライディングフィールを追求したNM4にパニアケースタイプのNM4-02を発売
NM4は、4月21日に発売開始されたが、この時点ではベーシックタイプといえるNM4-01のみの発売で、リアにトランクスペースなどを備えたアップグレード版のNM4-02の発売はなく、今回、2ヵ月遅れでいよいよNM4シリーズのラインナップが完成することになる。
今年3月のモーターサイクルショーで突然のデビューを飾った、ホンダの“コンセプトモデル”NM4。その斬新なスタイルもさることながら、誰もがショーのためのコンセプトモデルと思ったこのNM4を、わずかひと月も経たずに市場へ投入するという発表にはさらに驚かされた。モーターサイクルショーに登場したその時点で、すでに生産ラインが稼働していたわけだ。一足先に登場したNM4-01の価格は、99万9千円(消費税8%込み)と、“夢”でも“憧れ”のマシンでもない、多くの方がその気になれば手の出せる価格帯に設定されていた。エンジンと基本的な車体周りの構成がNC750シリーズをベースに開発したと考えられることで、このリーズナブルな価格が実現できたのだろう。
ちなみに、水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ、745cm3エンジンは、ボア×ストロークの77.0×80.0mmや、最高出力、トルク等がNC750Sと同一だが、より低・中回転域で力強いトルク特性を発揮する味付けがされていた。トランスミッションはDCT(Dual Clutch Transmission)を標準で装備。
一方車体周りの方は、NC750シリーズとそれほど共通項は多くない。ホイールベースは、NC750Sで1,525mm、NC750Xは1,540mmだったが、NM4では1,645mmの超ロングホイールベース設定となっている(クルーザーながらCTX700は1,530mmとショート)。採用されたホイールもこれまでのNC系がフロント、リア、ともに17インチの最新ジオメトリーを持っていたのに対して、NM4ではフロントに18インチホイールが採用されている。CTX700シリーズの720mmよりさらに低い650mmとしたシート高など、ダイヤモンドタイプのフレームはほぼ一新されたといっていい。
あれこれメカニズムを紹介するよりも、このマシンの真髄はそのスタイルにある。デザインテーマは「フロントマッシブスタイリング」と「コクピットポジション」。大胆な面構成と塊感を打ち出したフロントフェアリング。ビルトインしたミラーの処理も新しい。
NM4-01のリアは、カウルをすっきりと絞り込むことで、フロントのマッシブさを強調。また200/50ZR17というファットなリアタイヤとの対比も図ったのに対して、NM4-02では、逆に車体デザインに溶け込ませるように装備したリアのユーティリティボックスでマッシブなフロントとのバランスをとっており、こちらが本来のNM4シリーズの基本デザインなのではと思わせるほどのまとまりをみせている。また、NM4シリーズのアップグレード版として、NM4-02では、標準でETC車載器(左側のフロントユーティリティボックス内に設置)とグリップヒーターが装備されている。
★HONDA プレスリリースより (2014年5月30日)
迫力あるスタイリングの大型二輪車「NM4」の第2弾「NM4-02」を発売
Hondaは、圧倒的存在感のある独自のスタイリングと、新感覚のライディングフィールを追求した「NM4」の第2弾モデルとして、ボリューム感のあるリアデザインを採用しETC車載器などの充実装備を施した「NM4-02(エヌエムフォー ゼロツー)」※1を6月10日(火)に発売します。
NM4は、「近未来」と「COOL」を開発のテーマに設定し、これまでのモーターサイクルとは一線を画した独自のスタイリングを実現したモデルで、本年4月に発売した「NM4-01(エヌエムフォー・ゼロワン)」と合わせ2タイプのバリエーションとしています。
NM4-02の迫力あるリアビューを構成するリアボディーは、デザイン性のみならず、実用性も考慮し小物の収納が可能なユーティリティーボックスを搭載。左右それぞれ約7.5L※2の容量を確保するとともに、リアボディーにはLEDのウインカーランプをビルトインすることで、NM4-02独自のスタイリングを形成しています。また、ツーリングなどで利便性の高いETC車載器と、5段階の温度調節が可能なグリップヒーターを装備しています。
※1 NM4-02は、「Honda二輪ETC標準装備車取扱店」で販売します。使用するにあたり、セットアップ、セットアップ費用、および決済用のETCカードが必要となります
※2 Honda測定値
- ●販売計画台数(国内・年間)
- NM4-01、NM4-02 合計2,000台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- NM4-02 1,161,000円(消費税抜き本体価格 1,075,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- =NM4シリーズの主な特長=
- ●スタイリング
- 既存のモーターサイクルの枠に捉われない、全く新しいデザインにチャレンジしました。
- スタイリングのテーマを、「フロントマッシブスタイリング」と「コックピットポジション」に設定。フロントデザインは、大胆な面構成のフェアリングと、フェアリング前端部にLEDウインカーランプを、後端部にはサイドミラーをビルトインした独特のレイアウトとしています。また、フロントウインカーランプよりも奥まった位置に配した精悍な表情のLEDヘッドライトは、フェアリングの存在感を引き立て、特徴的なフロントフェイスを実現しています。
- リアデザインでは、NM4-01がテールカウルを絞り込むことでフロントマッシブスタイリングを強調しているのに対して、NM4-02は、リア回りにもボリューム感を持たせたスタイリングとしています。両車種ともに、幅200mmのワイドタイヤを装着することによって、迫力のある独特のリアビューとしています。
- ライダーがマシンに潜り込むようなライディングポジションと、独特な視界の広がりがもたらすコックピットポジションを実現するために、650mm※2の低いシート高とアジャスタブルタイプのバックレストによって、ライダーと車両が一体となるような特徴的なシルエットを実現しています。
- メーターには、DCTの走行モードと連動した可変色メーターを採用。ニュートラルと、Dモード、Sモード、MTモードそれぞれに応じて、メーターのバックライトと発光リングの色が変化し、操る感覚を演出しています。バックライトとリング色は、ユーザーの好みに応じて、25色の中から任意の色を選択可能とすることで、NM4シリーズの個性を演出しています。
- ●車体・足回り(NM4-01、NM4-02共通)
- NM4シリーズの独特なスタイリングを実現するために、新開発したフレームボディーや前・後サスペンション、ホイールなどのプラットフォームが、安定感のある素直なハンドリングと乗り心地を両立しています。フロントフォークには、インナーチューブ径φ43mmのテレスコピックタイプを、リアには、軽量で剛性を確保したアルミ製中空スイングアームにプロリンクサスペンションを装着することで、乗り心地の良さと車体安定に寄与しています。
- ホイールには、新たにデザインした10本スポークのアルミキャストホイールを採用。フロントタイヤには、フロントマッシブスタイリング実現のために18インチを採用するとともに、17インチのリアタイヤは、幅200mmのワイドタイヤを装着しており、迫力のあるスタイリングを際立たせています。
- なお、ブレーキには、安心感のあるABSを標準装備しています。
- ●エンジン(NM4-01、NM4-02共通)
- NM4シリーズならではの新感覚のライディングフィールを体感するために、低・中回転域で力強いトルク特性の水冷・4ストローク・直列2気筒745cm3に、マニュアルトランスミッションを自動変速化したDCTを搭載しています。走行モードには、状況に応じて的確なシフトアップ/ダウンを自動的に行う「ATモード」、シフトスイッチにより任意に変速できる「MTモード」を設定。ATモードには、一般走行に適したDモードと、スポーティーな走行に適したSモードがあります。Dモードはライダーの操作から市街地や峠道などさまざまな走行環境を判断し、適切に変速を制御します。さらに、ATモード走行中にも「シフトアップ/ダウン」スイッチで変速を可能としています。
- これらの先進機構によって、爽快でダイレクト感のある走りを楽しむことができます。
- ●主な装備(NM4-01、NM4-02共通)
- ・4段階の位置調節と、3段階の角度調節が可能なバックレスト機能を持たせた起立式ピリオンシート
- ・フロントフェアリング左右に装着したユーティリティーボックス 左側:容量約1L※2(アクセサリーソケットを装備) 右側:容量約3L※2
- ●カラーバリエーション(NM4-01、NM4-02共通)
- マットバリスティックブラックメタリックと、パールグレアホワイトの2色を設定しています。
- ●NM4-02の専用装備
- ・ボリューム感のあるリアボディーにはユーティリティーボックスを装備
- ・ETC車載器を左側のフロントユーティリティーボックスに装備
- ・5段階の温度調節が可能なグリップヒーター
★主要諸元
車名型式 | EBL-RC82 | |
---|---|---|
NM4-02〈NM4-01〉 | ||
発売日 | 2014年6月10日〈4月21日〉 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.380×0.810(サイドミラー両端幅0.933)×1.170 | |
軸距(m) | 1.645 | |
最低地上高(m) | 0.130 | |
シート高(m) | 0.650 | |
車両重量(kg) | 255〈245〉 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率※3(km/L) | 38.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時) | |
28.4(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※4 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 3.2 | |
エンジン型式 | RC70E | |
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 745 | |
内径×行程(mm) | 77.0×80.0 | |
圧縮比 | 10.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 40[54]/6,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 68[6.9]/4,750 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 11 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイル・スプリング | |
変速機形式 | 電子式6段変速(DCT) | |
変速比 | 1速 | 2.666 |
2速 | 1.904 | |
3速 | 1.454 | |
4速 | 1.200 | |
5速 | 1.033 | |
6速 | 0.864 | |
減速比1次/2次 | 1.921/2.294 | |
キャスター(度) | 33°00′ | |
トレール(mm) | 110 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR18M/C 59W |
後 | 200/50ZR17M/C 75W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※3 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※4 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果に基づいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
※5〈 〉内はNM4-01のデータ