SONY アクションカムの超広角の面白さと、ハンディカムの手ぶれの無さがスゴイ! バイクの動画をカッコ良く撮りたい!



撮影と編集を担当していただいた「rpm films」のオオノさん。今回の撮影ポイントもオオノさんにレクチャーしていただいた。




モデルおよびライディングを担当したのは松井勉さん。バイクがらみの様々な映像にもライダーやモデルとして参加している。

 車体やヘルメットにカメラを装着して、自分や仲間の走行映像とともに美しい景色を記録し、またツーリング先の美味いモノや名物、それを堪能する仲間たちの恍惚の表情を映し込む。その旅の記憶は動画投稿サイトにアップし、そのとき参加できなかった仲間や遠く離れた仲間とも共有。そんな具合に、いまツーリング動画や走行動画は、オートバイの新しい楽しみ方として広く認知されている。
 しかし撮り慣れるほどに、体感したスピード感やその場の空気感と、完成した映像作品とのギャップに悩み、そのギャップを埋めるために再び機材を持って走りに行くなんてことも。いつしか撮影が目的でツーリングに出掛ける、なんていうパターンも少なくないはずだ。
 そこで、ホンダのプロモーション映像やレース関係映像なども手掛ける「rpm films/アールピーエム・フィルムズ」のオオノタカヒロさんに、バイク動画撮影におけるポイントを聞いた。用意したバイクはホンダゴールドウィングF6CとNC750Xの2台。F6Cは“ソロツーリングに出掛けたときの自録り”をベースに、NC750Xは“複数でのツーリングの仲間の撮影”というシチュエーションをベースに、プロならではのアドバイスをお願いした(オオノさん撮影の下の動画2本をご覧下さい)。

 使用する機材はソニーのアクションカム「HDR-AS100V」(http://www.sony.jp/actioncam/ )と、同じくソニーのハンディカム「HDR-PJ540」(http://www.sony.jp/handycam/ )の2台だ。
 満を持して登場したアクションカム「HDR-AS100V」は重さ92gの軽量&防滴ボディが特徴。ウォータープルーフケースを使用すれば防水性も耐衝撃性もUPする。そして何より広角170°のレンズは、ドイツの名門光学機器メーカー/ツァイス社の「テッサー」レンズを使用。総画素数1,890万画素(有効1,350万画素)の「Exmor R CMOSセンサー」とあわせ、美しい映像が実現。それでいて「電子式手ぶれ補正機能」まで装備していて、専用マウントでライダーの身体や車体に装着しても、細かなブレを補正してくれるという優れものだ。
 ハンディカムの「HDR-PJ540」は、とにかく手ぶれ補正が凄い。機材を手に持ち揺らしてみると、それに合わせてレンズ部分が動きその揺れをキャンセルするような、光学系全体を宙に浮いているように保つ「空間光学手ぶれ補正」を採用。それにより、機材を手に持ったまま被写体を追いかけ歩いたり走ったり、また光学ズームを使用したときでも手ぶれが少なく、滑らかな映像を撮影することができる。
 これらの機材を使ってどんな風に撮れば、その場の雰囲気をそのまま、いやその場の雰囲気以上に撮影することができるのか。早速、アドバイスしてもらおう(下のオオノさん撮影の動画2本をご覧下さい)。 

 さぁ、撮ろう! のその前に、オオノさんからひとつ大事を教えてもらおう。
「テーマを決めることです」
 F6Cはクルーザーらしく海の近くをゆったり走るイメージにした。もちろん、ソロツーリングだから、“自撮り”だ。
 一方NC750Xは、ちょっと荒々しい感じにしよう、と。こちらはグループで行った想定だから、併走で撮ったり追いかけたりすることも出来る。
 テーマを決めることによって、「無駄なカットを撮影することがなくなり、後の編集も楽になる」ということだ。

「ソニーアクションカムとハンディカムでHonda F6Cを撮ってみた」が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイトで直接ご覧ください。 「ソニーアクションカムとハンディカムでHonda NC700Xを撮ってみた」が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイトで直接ご覧ください。

ポイント1
スナップ写真を撮るように、こまめに映像素材を撮る。



ポイント1


ポイント1


ポイント1


ポイント1

 オートバイだけを撮影したりズームを使ってパーツだけのアップを撮影したり、そこに自分を入れたり、グローブを装着するときの手のアップを撮影したり、とにかくスナップ写真を撮るみたいに沢山の映像素材を撮ることが、格好いい動画を作るポイント。素材が多いと、編集時にイメージを広げやすい。

ポイント2
逆光が面白い。ドラマチックな光を生かせ!



ポイント2


ポイント2


ポイント2


ポイント2

 写真だとNGな逆光での撮影。でも撮影者や、撮影対象となる人やバイクを動かせば、太陽の光が見えたり隠れたりしながら、ドラマチックな光りを造ることができる。一瞬を切りとる写真と違い、一定の時間を切りとることができる動画は、その時間のなかでカメラマンや被写体が動き、光りや変化を効果的に使う。

ポイント3
同じ動きをいくつかの方向から撮っておく。
これでマルチアングルでの映像が出来る。



ポイント3


ポイント3
あくまで普段通りの自然な動きで。右の写真のように逆光を下のアングルから狙ってみる。


ポイント3


ポイント3
同じ動きを違う角度からも撮っておく。やはり下のアングルから撮ると、空の広がりも効果的だ。

 例えば、ヘルメットを被ってグローブを装着しメインキーをひねる、というスタート前の一連の動作を正面、横、手元のアップなど違う角度で数テイク撮影しておく。編集時に、その異なるカットをつなぎ合わせると、まるで複数台のカメラで撮影したかのような、マルチアングルでの映像が出来上がる。

ポイント4
バイクや自分自身だけじゃなく、
海や山、花や鳥などの風景を撮っておく。



ポイント4

 ついついオートバイや自分ばかり映すことに集中してしまいがちだが、周りの景色、たとえば海や山、花や鳥、水面や影なども撮影しておくと、編集時に現場のイメージを再現しやすくなる。まさしくスナップ写真を撮るように、ほんの数秒で良いので、様々な素材を撮り溜めておく。

ポイント5
走るバイクを追いかけるな。
カメラを固定した方が奥行きのある映像が撮れる。



ポイント5


ポイント5
カメラを斜めにすることで、奥行きのある迫力の走りが撮れる。

 仲間の走行シーンを撮影するとき、カメラで走り去るバイクを追いかけてしまいがち。でも三脚でカメラを固定し、遠くから迫ってくるバイクを撮影する、奥行きのある映像も効果的。その際あえてカメラを斜めにセットし、画角を対角線にオートバイを走らせると奥行きがさらに深くなり、画面いっぱいにオートバイを撮影することができる。

ポイント6
バイクが走り去ってもREC(録画)を止めてはいけない。



ポイント6

 オートバイが走り去り、フレームから居なくなってもすぐにRECを止めず、走り去る排気音や揺れる草木など、その余韻も映し込む。

ポイント7
走り去る後ろ姿が、実はカッコイイのだ。



ポイント7


ポイント7
アクションカムをミニの三脚で固定し、発進シーンを撮る。超広角の迫力ある“絵”が撮れる。

 もちろん、走ってくる正面の映像ばかりじゃ無く、オートバイが走り去る映像もしっかりと押さえる。
また、走行映像でも、ズーム機能などを使い、パーツのアップ映像などバリエーションがあると編集後の映像に迫力が生まれる。




HDR-AS100V


HDR-AS100V


HDR-AS100V


HDR-AS100V


HDR-AS100V
アクションカム「HDR-AS100V」には専用の「ウォータープルーフケース」(4,500円+税)と、それと組み合わせられるハンドルや車体用の「ロールバーマウント」(4,000円+税)や胸に装着する「チェストマウントハーネス」(5,000円+税)、ヘルメットなどに付ける「接着マウント」(2,500円+税)など、アクセサリーが豊富にラインナップされている。それらを駆使すれば、様々な角度からオンボード映像を収録することができる。ここで気をつけたいのが、可能な限り撮影する映像と地面との水平を取ること。水平が取れていると、車体が傾くオートバイらしい映像が効果的になるのだ。また、車体に取り付ける場合はマウントだけではなく、タイラップ(着脱可能なモノ)やテープ、紐等も使って固定すればより安心だ。


HDR-AS100V


HDR-AS100V
軽さとコンパクトさを追求するアクションカム。しかし設置したカメラが映し出す画角が分かり辛いのが難点だ。しかし「HDR-AS100V」には最高5台のHDR-AS100Vを同時接続し、その画角を映し出すと同時に撮影モードの変更も可能な「ライブビューリモコン」(15,000円+税)をオプションでラインナップ。手元のモニターを見ながら、微妙な角度調整ができるのはとても便利だ。


ポイント7
「空間光学手ぶれ補正」を持つハンディカム「HDR-PJ540」は、タンデムシートから仲間のライディングを撮影するときにもその威力を発揮。このように手に持って撮影しているのにもかかわらず、本格的なジャイロスタビライザーを装着したかのように、滑らかな映像を撮ることができる。


アクションモノポッド
アクションカム「HDR-AS100V」には撮影用一脚「アクションモノポッド」(5,500円+税)もオプションでラインナップ。それを駆使すれば目線よりもずっと高い位置からの撮影や、地面すれすれのローアングルも容易に撮影することができる。


ミニ三脚


ウインドスクリーン付きのマイク
ミニ三脚はツーリングバッグに収めても邪魔にならず、撮影のバリエーションを広げてくれる。カメラ系アクセサリーブランドのミニ三脚は安定感抜群だが、100円ショップで購入できる簡易ミニ三脚も使い勝手が良い。風にも強い、ウインドスクリーン付きのマイクがあれば、現場の音声も活かした映像製作が可能になる。


大型の三脚
大型の三脚は、撮影スタイルはもちろんパンやチルトなど、撮影技法のバリエーションも広がるアイテム。三脚のサイズを吟味し、また車体への積載方法を考えて、可能なら持参したい。


テープ類
テープ類や脱着可能なタイラップは、撮影時の諸々をサポートとしてくれる。100円ショップなどで使いやすいものを持参したい。ちなみにこれは、撮影を担当してくれたオオノさんのモノ。

●アクションカムで撮影した映像はコチラ→http://www.sony.jp/actioncam/enjoy