2014年5月23日 

■二輪文化の発信基地“バイクタウン構想”立ち上げ、どうなる下北沢!? 

しもきた商店街とAJ東京の両理事は「バイクにやさしい街として活性化していきたい」とのこと。

 新宿、渋谷からもアクセス良好な小田急線と京王井の頭線のターミナル駅、東京・世田谷区の北東部に位置する「下北沢」は、“しもきた”の愛称で多くの若者が集まり、演劇の街などとして全国的に知られている。

 最近では小田急線が地下化され、駅周辺の整備が進んでいるが、バイク駐車場は現在僅か22台分(日本二輪車普及安全協会・全国バイク駐車場案内調べ)という状況。ライダーの心境としては、バイクに乗って訪れたいとは思えない街である。もっとも、バイク駐車場が圧倒的に少ない街(中には1台もバイク駐車場が無い街もある)は下北沢に限ったことではないが……。

 そんな下北沢の現状を憂う、複数ある商店街組織の中でも駅北側エリアの「しもきた商店街」と、バイクの社会的地位向上を目指し、二輪社会のインフラ整備やマナーアップ運動といった活動を行う都内のバイク販売店で構成されるAJ東京(東京オートバイ協同組合)の思惑が一致、共同事業を行うことに。5月20日、その事業の提携調印式が行われた。

 「共生と創造・新しい街づくり=バイクふれあいタウン・下北沢」をテーマとするこの新規コラボ事業は、子供から若年層を中心にあらゆる世代を対象に「バイク文化を日本に根付かせる」ことが目的だとか。

 すでに、下北沢にバイクユーザーが集まる目的作りとしてライダー向け施設(バイク歴史・展示館、バイク映画博物館など)の建設、地域商店街との提携、といった構想が練られている。二輪駐車場を設置するのはもちろんだが、駐車料金での社会共創の取り組み(駐車料金の一部から交通遺児献金、被災地献金など)も考えられているそうだ。

 中でもまず最初に、首都圏直下型地震に対し、災害時に機動力のあるバイクを街に備えるBCP(Business Continuity Plan.事業継続計画 )支援基地の体制を構築していくという。「下北沢音楽祭」が開催される7月5・6日に災害救援バイクなどの展示を予定している。

 下北沢という街の“バイクタウン構想”に対する期待は膨らむが、提携調印は最初の一歩にすぎない。今後どのように構想は進むのか、注目だ。