2014年5月20日
■ヤマハが新開発の2気筒250ccエンジンを搭載した
スーパースポーツ“YZF-R25”をインドネシアで発売
昨年の東京モーターショーで“ワールドプレミア”世界初公開されて話題を呼んだYZF-R25が、国内発売より一歩先にインドネシア市場で7月から発売されることになった。何故インドネシアか、といえばYZF-R25の製造がインドネシアのヤマハのグループ会社「PT. Yamaha Indonesia Motor Manufacturing」(以下YIMM)で行われるからなのだろう。もちろんその後は、ヤマハの「新中期経営計画」(2013年~2015年)の“事業規模拡大”を担うグローバルモデルとして、インドネシア国内だけでなく、アセアン、そして先進国市場へと販売を拡大してくれるはず。
YZF-R25の開発コンセプトは、“毎日乗れるスーパーバイク”。クラス最高レベルとなるエンジン出力と、YZF-Rシリーズの一員としての軽量な車体とデザインなどにより、“250スーパースポーツ”と呼ぶにふさわしい高次元な走行性能とスタイルを具現化しているという。一方で、デイリーユースでの軽快な走行性と扱いやすさ、様々なシーンでの爽快な走りも実現しているモデルでもあるという。ちなみに、東京モーターショーに参考出品されたR25とは、デザインから車体構成までかなりの部分が異なるが、あちらはレーサー、こちらは公道を走る一般車両の違い、といえないこともない。
インドネシアでは、近年スポーツモデルの人気が高まりつつあり、YIMMでも、レースを活用したマーケティング活動に加え、昨年11月にはスーパースポーツのフラッグシップモデル、YZF-R1、YZF-R6を導入、今年5月にはYZF-R15の製造・販売を開始するなど、「スポーツイメージ」を重点に置いたブランド戦略を行っている。今回のこのYZF-R25の投入で、“YZF-R”シリーズの新たなラインナップが拡充され、これにより、さらなる販売拡大、ブランド力強化を進められるという。販売計画は、発売開始が7月、価格は、53,000,000ルピア(ジャカルタ店頭価格、日本円にして約46万8千円)。販売計画台数は、12,000台(発売から1年間、インドネシア国内)。カラーは、ブルー&ホワイト/ブラック/レッドの3色となっている。
カラーは3色。ブルー&ホワイト。 | ブラック。 | レッド。 |
●YZF-R25(ヤマハの発表リリースより)
《開発の狙い》
1998年、当社は欧米市場の新たなスーパースポーツのフラッグシップモデルとして「YZF-R1」(1,000cc)を導入、高性能エンジンと軽量な車体との組み合わせにより実現させた、ワインディングロードにおけるエキサイティングな走行性能で高い支持を得てきました。その後「YZF-R6」(600cc)、「YZF-R7」(750cc)とシリーズを充実、2008年には「YZF-R15」(150cc)をインドへ、「YZF-R125」(125cc)を欧州に投入しています。今回の新製品「YZF-R25」は、近年スポーツモデルの人気が高まりつつあるインドネシア市場をはじめ、グローバルに通じる250ccスーパースポーツとして開発しました。
《主な特徴》
1) 高性能な新開発2気筒エンジン
新開発の水冷250cc直列2気筒FIエンジンを搭載しました。最新の解析技術に基づき、混合気の流量を最適に確保しながら燃焼室でタンブル(混合気の縦渦)を積極的に生成させ、素早い燃焼促進を図っており、クラス最高レベルの最高出力を達成するとともに、日常域での扱いやすさを実現しています。また放熱性に優れ軽量なヤマハ独自のDiASilシリンダー※を当社2気筒エンジンとして初めて採用しています。
※「DiASil」(ダイアジル)=Die casting Aluminum-Silicon(ダイキャスト用アルミシリコン合金)を略した造語。
2) マス集中化を図った軽量な車体
曲がりや溶接が少ないシンプルな軽量スチール製フレームを採用しました。クラス最大級の 41㎜インナーチューブ径フロントサスペンション、マス集中に貢献するモノクロスサスペンション、軸間距離との比率をYZF-R1と同一としたリアアームなどにより、優れたハンドリング特性をもたらしています。
3) YZF-Rシリーズを継承するデザイン
YZF-Rシリーズにふさわしいスポーティかつ先進的なデザインを採用しました。RシリーズDNAを継承するマスフォワードシルエットと切れ上がったリアデザイン。2 眼ヘッドライトは鋭い表情を演出する逆スラントデザインとし、高性能イメージを象徴するセンターエアダクトや「YZF-R1」同様のシフトタイミングインジケーターランプの装備など、YZF-Rシリーズを継承するデザインを随所に織り込みました。
●YZF-R25 主要諸元(インドネシア仕様)
全長×全幅×全高:2,090mm×720mm×1,135mm、シート高:780mm、車両重量:166kg、原動機種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ、気筒数配列:直列2気筒、総排気量:249cm3、内径×行程:60.0㎜×44.1㎜、最高出力:26.5kW(36.0PS)/12,000r/min、最大トルク:22.6N・m(2.30kgf・m)/10,000r/min、燃料タンク容量:14L、燃料供給:フューエルインジェクション、変速装置/変速方式:常時噛合式6段/リターン式、タイヤサイズ(前×後):110/70-17 × 140/70-17、ブレーキ形式(前×後):油圧式ディスク × 油圧式ディスク、懸架方式(前×後):テレスコピック × スイングアーム