V-Strom1000 ABS 1,404,000円(6月4日発売)
★スズキ V-Strom1000 ABS 車両解説
スズキのフラグシップ“アドベンチャー・ツアラー”
V-Strom1000 ABSの国内仕様を発売
スズキのフラグシップ“アドベンチャー・ツアラー”として欧州を中心に人気を集めるV-Strom1000 ABSの国内仕様モデルが発売される。ハヤブサに続き、欧州仕様そのままのハイパワー仕様で国内市場へ導入だ。
1997年発売のTL1000S、そして翌1998年のTL1000Rに端を発するスズキのリッタークラスVツイン・スポーツに系譜をたどれるスズキの90度Vツインエンジン搭載スポーツモデル。セミカムギアトレインやラムエア機構、そしてF.I.採用などにより125PSのハイパワー(国内仕様は93馬力に抑えられていたが)エンジンを軽量なアルミツインスパーフレームに搭載した“じゃじゃ馬”マシンとしてのスタートだった。
“アドベンチャー・ツアラー”としてのヒストリーは、2002年、「次世代アドベンチャー・ツアラー・モデル」として生産を開始したV-Strom1000の登場に始まる。より快適で上質なロングツーリングに最適なモデルとしてツーリングファンの支持を得ることに成功し、その後、2004年に発売開始した弟分のV-Strom650と合わせて、スズキに個性的なアドベンチャー・ツアラー・シリーズあり、を強く印象づけることに成功している。その後、V-Strom1000は2007年に、650では2011年にエンジンから車体に至るまで、ほぼすべてを一新したモデルチェンジを受けている。
今回のV-Strom1000 ABSの国内仕様は、昨年、新型に生まれ変わるや早くも販売実績を塗り替えたという人気の海外仕様モデルをベースに、180km/hのスピードリミッターの追加、イグニッションキーの変更(海外仕様で備わるパーキングポジションを廃止、国内のレギュレーションに合わせた)、そして各種のコーションラベル類を日本語に変更、という3点のみの変更にとどめている。
ちなみに昨年行われた新型V-Strom1000 ABSへの変更点を取り上げておくと、エンジンでは、基本構造以外のほぼすべてを新設計。ピストン径を従来モデルの98mmから100mmへとボアアップすることで、排気量を996ccから現状のシリンダーレイアウトではほぼ限界といえる1,036ccへアップ。最高出力は72.0kW(97PS)から74.0kW(100PS)、最大トルクも101.0N・mから103.0N・mへとアップ。ピストン自体もサイズアップにもかかわらず、従来と変わらない重量と剛性も確保している。
シリンダーヘッド周りでは、新たにツインイリジュウムスパークプラグが採用された。イグニッションコイルも1気筒当たり2個を採用。フューエルインジェクションでもインジェクターホールを4から10に増やし、よりクリティカルなコントロールを可能とし、排出ガス規制もEuro3をクリア(従来はEuro2)、燃費を18.0km/Lから20.9km/Lに向上させている。フライホイールマグネトーの慣性重量は15%アップし、ISC(Idle Speed Control)システムを採用したF.I.スロットルボディの採用などとともに低回転時のコントロール性を大幅にアップしている。
ラジエターの冷却能力を19.8kWから22.7kWに向上。オイルクーラーは廃止。さらに冷却システム全体でマイナス1.3kgの軽量化も実現。クラッチはスリッパークラッチ機能やアシスト機能を持たせたSCAS(Suzuki Clutch Assist System)を採用。マフラーは従来のツインマフラーからシングルへと変更、約4.7kgの軽量化を実現。
車体周りでは、スズキの二輪車では初採用となるトラクションコントロールを採用。状況に合わせて2タイプのモード(オフを入れて3ポジション)を選択可能だ。フレームはツインスパータイプと基本構造は従来通りだが、最新のFEM(有限要素法)解析によりほぼ一新され、剛性を33%アップさせつつ、重量は従来モデルよりも13%軽量化している。スイングアームは約36mm延長、ホイールベースも20mmの延長となった。フロントにはKYB製のφ43mm倒立式フォーク、リアにはプリロードアジャスター付サスを採用。フロントブレーキは異形対向4ピストンモノブロックラジアルマウントキャリパーにグレードアップ。ボッシュ社製のABSを標準装備している。
ハンドルバーは従来モデルよりも34mm後方に、フットレストも15mm後方にセッティングされ、ライダーの足着き性を向上させている。特徴的な上下2段にレイアウトされたヘッドライトを採用。そして必要にして最小限といえる、これまた特徴的なウインドスクリーンは、工具使用により3段階の高さ調節が可能。角度も3段階に調整が可能で、こちらは工具不要だ。メーターはデジタルの多機能メーターパネルを採用。
“ワイルド&スマート”をデザインコンセプトにして生まれ変わった新型V-Strom1000 ABS。ライバル各車がリッタークラスからさらに排気量を拡大、より大きく、より豪華なマシンへと変身していくのに対して、あくまで軽量&コンパクトさ、にこだわったマシン作りで“アルペンマスター”、アルペンルートでの最速マシン、という分かりやすい目標を実現するべく生まれ変わったモデルだ。
★SUZUKI プレスリリースより (2014年5月14日)
スズキ、ツーリングを快適に楽しめる大型二輪車
「V-Strom1000 ABS」を新発売
スズキ株式会社は、海外への輸出を開始し高い評価を受けている、長距離ツーリングを快適に楽しめるスポーツ・アドベンチャー・ツアラー、新型「V-Strom(ブイ-ストローム)1000 ABS」を、6月4日より国内市場でも発売する。
「V-Strom1000 ABS」は、街中から高速道路、山岳路まで、長距離ツーリングでの様々な状況で走行を快適に楽しむことができるスポーツ・アドベンチャー・ツアラーである。
「ワイルド&スマート」をデザイン・コンセプトとしたスタイリングに、取り回し易く、足つき性の高い軽量・コンパクトな車体を組み合わせた。まっすぐな乗車姿勢や、高さと角度を調整できる可変大型風防により長距離走行での疲労軽減に配慮した。さらに、スズキ二輪車初のトラクション・コントロール・システムや多機能メーターを採用するなど、様々な走行条件下で役立つ装備を充実させた。
- ●「V-Strom1000 ABS」の主な特長
- デザイン
- ・冒険をイメージさせる、力強く野生的な造形と、軽快さを表現したコンパクトでスマートなスタイリング。フロントには、1988年に発売した「DR750S」のイメージや、縦型2灯ヘッドライトを採用。
- ・車体色は、赤「キャンディダーリングレッド」、黒「グラススパークルブラック」、白「パールグレッシャーホワイト」の3色を設定。
- エンジン
- ・低中速域での力強さと扱い易さを高めた、1,036cc水冷4サイクル90度Vツイン(V型2気筒)DOHC4バルブエンジン。
- ・3段階(1/2/オフ)のモード選択機能を備えたトラクション・コントロール・システム※1をスズキ二輪車で初めて採用。エンジン出力をより効率よく後輪に伝達することが可能となり、より快適なライディングを楽しめる。
- ※1トラクション・コントロール・システムは、あらゆる状況下で後輪のスリップ(スピン)を完全に抑制したり、転倒を防止したりするものではありません。
- 車体
- ・広い前方視界を確保する直立した乗車姿勢と、ワンタッチ操作で角度を3段階に調整できる可変大型風防により疲労を軽減。
- ・快適な座り心地と足つき性を実現する、スリムな形状のシートと燃料タンク。
- ・GSX-Rシリーズなどスポーツ車譲りの、ラジアルマウント・フロント・ブレーキ・キャリパー。
- その他の装備
- ・ギヤ・ポジション、平均燃費、航続可能距離など、多様な情報を表示できる機能的な液晶メーター・パネル。
- ・メーター・パネル下部に12VのDCソケットを装備。
- ●年間目標販売台数 500台
- 商品名
- V-Strom1000 ABS
- メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- 1,404,000円(消費税抜き1,300,000円)
- ※価格には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
- 発売日
- 2014年6月4日
- パブリシティー
- 一般紙 2014年4月14日
- 専門誌(Web媒体含む) 2014年4月15日
- 車体色
- 3色
- キャンディダーリングレッド(YYG)、パールグレッシャーホワイト(YWW)、グラススパークルブラック(YVB)
★主要諸元
車名型式 | EBL-VU51A | |
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V-Strom1000 ABS | ||
発売日 | 2014年6月4日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.285×0.865×1.410 | |
軸距(m) | 1.555 | |
最低地上高(m) | 0.165 | |
シート高(m) | 0.850 | |
車両重量(kg) | 228 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L) | 29.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
20.9(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | 2.9 | |
エンジン型式 | U501 | |
水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 1,036 | |
内径×行程(mm) | 100.0×66.0 | |
圧縮比 | 11.3 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 74[100]/8,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 103.0[10.5]/4,000 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | ウエットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 3.5 | |
燃料タンク容量(L) | 20 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 3.000 |
2速 | 1.933 | |
3速 | 1.500 | |
4速 | 1.227 | |
5速 | 0.086 | |
6速 | 0.000 | |
減速比1次/2次 | 1.838/2.411 | |
キャスター(度) | 25°35′ | |
トレール(mm) | 109 | |
タイヤサイズ | 前 | 110/80R19M/C 59V |
後 | 150/70R17M/C 69V | |
ブレーキ形式 | 前 | φ310mm油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | φ43倒立テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンドタイプ |
※2 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。お客様の使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。