[MT-09 EXCLUSIVE試乗会]レポート 話題のヤマハ MT-09、一般ライダーは、どう感じた?

寒さの中に僅かな温もりが混じる3月9日、千葉県袖ケ浦市にあるフォレストレースウェイにてMT-09 EXCLUSIVE試乗会が開催された。
発表からバイク乗りの注目を集めているMT-09を試乗できる機会とあって、定員いっぱいの120名が試乗しただけでなく、残念ながら抽選に漏れた方も「実車が走っているところを見たい」と見学に訪れたり、ご家族一緒に来場したライダーも多い。パドックは大いに賑わった。

 

●取材・撮影──館岡重光
●取材協力 YAMAHA http://www.yamaha-motor.co.jp

 実はこの日のMT-09 EXCLUSIVE試乗会の定員は120名。三重県の鈴鹿サーキットで開催された翌週の試乗会の120名と合わせて240名が定員だったのだが、1400名を超える応募があったという。年齢層も性別も幅広く、MT-09が発表時から大きな注目を集めていた証拠だ。

 当日は走行時間が事前に決まっているので、参加者は各自の指定時間に合わせて会場入りする。もちろん「雰囲気を見ておきたくて」や「ソワソワしちゃって、早めに出ました(笑)」と早くに来場するライダーもいた。

 
 受付が終ると『技術説明会』と『ブリーフィング』が行われる。ここでは開発プロジェクトリーダーである城森氏をはじめとした開発担当者が登場。開発秘話を織り交ぜて、技術の説明を行った。この話を聞くだけで「得しちゃいましたね! 抽選に当たって本当に良かった!」と参加者は大いに盛り上がるのだ。

 いよいよ試乗の時間が訪れると、目を輝かせながら跨がる。最初の走行となる3周は落ち着いたBモードとSTDモードで走る。この時点では「Aモードって要らないんじゃないですかね」という言葉が多数出てくる。ところが、2回目の走行で元気なAモードにすると「やっぱりAモードですよ! 面白い」という言葉に変わるのだ。「もっと乗りたいですし、乗り込んだらもっと面白くなりそう」と購入後のバイクライフを早くも想像して楽しみにしている声も多くあった。

 また、現在乗っている車両に目を向けると、大型車の中でもツアラーとスーパースポーツの割合はほぼ半々。軽量の250ccクラスに乗っている人も「違和感なく曲がれる! 大型車とは思えない!」と絶賛していた。本当に幅広い層から注目を集め、評価されていたのだ。

 走行後や2回目までの間も、参加者は楽しみまくる。車両との記念撮影もできるし、開発担当者と自由に会話をする事もできる。時には実車を一緒に見ながら説明を受ける事もあり、MT-09を堪能できる一日となった。


※以下写真をクリックすると大きくなったり、違う写真が見えたりするものもあります。


城森 暁・開発プロジェクトリーダーをはじめとする開発者による技術説明。ときおり開発秘話も折混ざっていて、参加者も夢中になって聞き入っていた。

城森 暁・開発プロジェクトリーダーをはじめとする開発者による技術説明。ときおり開発秘話も折混ざっていて、参加者も夢中になって聞き入っていた。
参加者は到着すると受付へ。この時点でドキドキとワクワクは一気に高まっていく。 城森 暁・開発プロジェクトリーダーをはじめとする開発者による技術説明。ときおり開発秘話も折混ざっていて、参加者も夢中になって聞き入っていた。

←技術説明の時だけでなく、パドックに開発者達がいるので、気軽に話ができる。試乗して気になったところ、気に入ったところの説明を詳しく聞く事ができて、大好評だった。
→試乗車以外にも、記念撮影用の車両やアクセサリー装着車両も展示されていた。「購入後のイメージも膨らみますよね。買っちゃいそう(笑)」とイマジネーションを刺激していた。

試乗車以外にも、記念撮影用の車両やアクセサリー装着車両も展示されていた。「購入後のイメージも膨らみますよね。買っちゃいそう(笑)」とイマジネーションを刺激していた。


受付後の時間や試乗の合間、試乗後など時間が空けば車両を眺め、股がり、大いに盛り上がる。特に開発者が実車を使って説明しはじめると、一気に人が集まる。


城受付後の時間や試乗の合間、試乗後など時間が空けば車両を眺め、股がり、大いに盛り上がる。特に開発者が実車を使って説明しはじめると、一気に人が集まる。
受付後の時間や試乗の合間、試乗後など時間が空けば車両を眺め、股がり、大いに盛り上がる。特に開発者が実車を使って説明しはじめると、一気に人が集まる。

ドキドキの試乗スタート! 先導車付きの走行となるが「楽しめるスピードで走れました」と絶妙なペースが好評だった。もちろん、ペースが合わずに遅れてしまった場合は、別の先導車が入ってくれる。ビギナーでも安心できるのだ。

ドキドキの試乗スタート! 先導車付きの走行となるが「楽しめるスピードで走れました」と絶妙なペースが好評だった。もちろん、ペースが合わずに遅れてしまった場合は、別の先導車が入ってくれる。ビギナーでも安心できるのだ。
ドキドキの試乗スタート! 先導車付きの走行となるが「楽しめるスピードで走れました」と絶妙なペースが好評だった。もちろん、ペースが合わずに遅れてしまった場合は、別の先導車が入ってくれる。ビギナーでも安心できるのだ。

ニーグリップするポイントがえぐり込まれたタンクは「細くて、本当に大型バイクなの? って思ったけど、馴れるとバランス取り易いです」と好評。デザインだけを見た時とのギャップが大きいポイントのひとつ。

ポジションの自由度が高いシートは、体格による差がなく好評価。座る場所を変えると、少しライディングが変わるようで、仲間で参加した方々は「どこに座るか」の話で盛り上がっていた。
ニーグリップするポイントがえぐり込まれたタンクは「細くて、本当に大型バイクなの? って思ったけど、馴れるとバランス取り易いです」と好評。デザインだけを見た時とのギャップが大きいポイントのひとつ。 ポジションの自由度が高いシートは、体格による差がなく好評価。座る場所を変えると、少しライディングが変わるようで、仲間で参加した方々は「どこに座るか」の話で盛り上がっていた。

話題に上る事が多かったのがリアサス。コーナーの立ち上がりなど、リアのトラクションがかかるタイミングでの動きが絶妙で「上手くなった気分になれる」とのコメントもあった。全体的に曲がり易さへの感激が強かった。

話題に上る事が多かったのがリアサス。コーナーの立ち上がりなど、リアのトラクションがかかるタイミングでの動きが絶妙で「上手くなった気分になれる」とのコメントもあった。全体的に曲がり易さへの感激が強かった。
話題に上る事が多かったのがリアサス。コーナーの立ち上がりなど、リアのトラクションがかかるタイミングでの動きが絶妙で「上手くなった気分になれる」とのコメントもあった。全体的に曲がり易さへの感激が強かった。

キルスイッチとセルスイッチが一体となっている部分は「事前に説明を聞いておいて良かったです(笑)」と斬新さを与えた。

多くの人が試乗したい理由に挙げていた3気筒エンジン。素直で扱い易い部分と、Aモードでのパンチの効いた性能が大いに魅了していた。
キルスイッチとセルスイッチが一体となっている部分は「事前に説明を聞いておいて良かったです(笑)」と斬新さを与えた。 多くの人が試乗したい理由に挙げていた3気筒エンジン。素直で扱い易い部分と、Aモードでのパンチの効いた性能が大いに魅了していた。
体験試乗者インタビュー

吉澤朋子さん

山田幸一さん
●吉澤朋子さん(48歳)所有バイク:ストリートファイター848

コンパクトで足着き性が良さそうなデザインと、3気筒エンジンに惹かれて応募しました。所有バイク以外のバイクに乗る事もありませんし、良い機会だと思って。実際に乗ってみたら、怖さが全くないバイクでした。「任せて安心」って感じで、考えなくても思ったように曲がってくれるという印象です。車体自体も物凄く軽く感じるので、万が一転倒しても自分で起こせそう。大型バイクは立ちゴケでも誰かを待つか呼ぶかしないと起こせないっていう印象だったので、物凄く安心感が高いですね。デザイン的にも日本車っぽくなくて、カッコ良いですね。ただ、それだけに転ばないように上手になってから乗りたいかな?グリーンジャンボが当たったら、真っ先に欲しいバイクです(笑)。
●山田幸一さん(49歳)所有バイク:YZF-R1

10年乗って来たYZF-R1。「そろそろ買い替え時かなぁ」と思っていたところでした。R1は軽さや走行性能が気に入っているんですが、セパハンはさすがにキツい(笑)。アップハンドルで、軽量で、楽しいバイクを探していました。MT-09は軽量かつアップハンドルで、求めていたバイク像と一致していると思って注目していました。乗ってみたら、とにかく乗り易い! 気軽に乗り出せそうですし、ライディングを楽しめると思います。パワーもかなりあって、さすがに全開にはできそうもありませんけどね(笑)。オールラウンドでコンセプト通りですね。デザインも写真より実車の方がカッコ良いですし、買ってしまおうかと思っています!

内海 篤さん 岡 篤輝さん 富永 賢さん

嶋村 亘さん
●内海 篤さん(22歳)岡 篤輝さん(24歳)富永 賢さん(24歳)所有バイク:R1-Z DR-Zモタード YZF-R1

仲間5人で応募して、当選した3人です。もうコンセプトにある「普段使いの中で楽しみを感じさせるバイク」という部分と、3気筒エンジンが気になりました。「普段2スト250ccに乗っているので、大型車は曲がるのが大変な重いバイクという印象でしたが、これは全然違いました。スムーズで違和感がなく曲がります。エンジンブレーキに馴れてないので、ブレーキはほとんどかけずに試乗が終っちゃいましたけど(笑)。春から社会人で、ローンも組めるので、買っちゃいそうですよ(笑)」(内海)
「これ本当によく曲がりますよね。モタードからでもすんなり乗れます。エンジンもパワフルですし、乗っていて楽しいです」(岡)「軽くて乗り易い。ポジションも自由度が高くて、どんな乗り方をしても楽しめてしまう感じです。バイクに急かされている感じもなくて、肩の力を抜いて付き合えるバイクでした」(富永)
●嶋村 亘さん(33歳)所有バイク:250SB

スーパースポーツが欲しい。けどアップハンドルが良い。と思っていたところに登場したので、MT-09はドンピシャでした。実際に乗ってみると、これは凄い! とにかく凄いです! スロットル操作だけで、本当にフロントが浮いて来るくらいのパワフルさ。特に6000回転からのアグレッシブさは最高です。しかもコントロールがし易いんです。マシン性能だとは分かっていても、自分が速くなった気分になれます。サーキットを走りたいです。操っている感じが大きいです。価格も手頃ですし、ここだけの話し、買っちゃいます(この部分だけ小声)! ブランドスローガンの「レブス ユア ハート」じゃないですけど、気持ちがレブって「レブ ジ ハート」になっちゃいました!

岩田 優さん

品川さやかさん
●岩田 優さん(52歳)所有バイク:FZS1000

日常のバイクライフでは本当にオールラウンドで、ツーリングから通勤などにもバイクを使用しています。このバイクのコンセプトにぴったりですよね。中間トルクが使い易いエンジン特性は物凄く気に入りました。車体も軽いので、長距離を走っても通勤でも疲れない気がします。不安要素はシートでお尻が痛くなるかどうか、というところでしょうか。最初はBモードで十分に楽しくて、必要にして十分だと思ったのですが、Aモードにしてみたらやっぱりこっちの方が面白い! たった数分で考えが変わっちゃいました(笑)。我が家の財務省と相談しますが、買い替えるでしょうね、これは!
●品川さやかさん(30歳)所有バイク:バリオス

一人でも、仲間とでもツーリングに行って楽しんでいるのですが、250ccだと高速道路とかがちょっと辛いんです。MT-09は大型でも足着き性が良さそうだったので、気になっていました。最初は「足があと数センチ長ければ……」と思ったのですが、乗り出してしまえば全然怖くなかったです。大型バイクに乗っている感じがしないというか、軽快にヒラヒラと曲がってくれて、今のバイクよりも軽いんじゃないかと思うくらいです。曲がるのが楽しいので、コーナーが待ち遠しかったです。パワーも十分にあって、高速道路も楽に走れそうです。アフターパーツなどで足着き性が何とかなれば、買いたい一台です。

小松康一さん

いなぐまひろきさん
●小松康一さん(39歳)所有バイク:W800(最近売っちゃいました)

今、正に次の愛車を探しています。今までずっとツインエンジンが好きで、ツインのクラブを主催していたりもしてきました。4気筒のマルチは好みではなかったんですが、中間のトリプルはどうだろう? と思って気になっていました。Aモードは私にとっては「やり過ぎ」なくらいでしたが、STDとBモードはまったりと走れました。ハンドリングも穏やかで、ちょっと意外でしたね。全てにおいてクイックな印象があったので。総合すると、最高に面白いです! 試乗しながら「面白い!」「最高!」って叫んじゃいました(笑)。安定して楽しいバイクなので、次の愛車になる予感がしています。
●いなぐまひろきさん(28歳)所有バイク:シバー750

今乗っているバイクを購入する時に、最後まで迷ったのがMT-03でした。MTシリーズが好きなんです。車重の軽さやデザインが気に入っていて、今回の試乗となりました。思った以上にエンジンがダイレクトで一体感があって乗り易かったですね。凄く曲がり易いんですが、低重心でもあるので安定感があって、安心できるんです。モードチェンジは、個人的にはSTDがベストだと感じました。やっぱりその名の通り、全域でバランスが良いんです。ジムカーナとかも好きなので、その場合はどのモードになるか……。考えると楽しいです! 次の車検で買い替えをと考えていたのですが、その前に……と惹かれています!

佐竹直哉

長田克巳さん
●佐竹直哉さん(51歳)所有バイク:V-MAX

2007年からV-MAXに乗っていて、自営業なのでお店のオブジェとしても活躍してもらっていたのですが、7年も経つのでそろそろ乗り換えようかと思っていたところでした。今の国産ではない3気筒エンジン、本当にヤマハさんはやってくれました! 一番驚いたのは、モードチェンジですね。Aモードに入れた時の驚きは、Vブーストよりも大きいと思います。軽量な車体だという事も関係していると思いますが、スロットルレスポンスも良いし、最高だと思いました。乗り込めばもっと楽しくなる、そんな予感もしますしね。その車体の軽さは最高に気に入っています。出す時の取り回しも楽ですし、気軽に乗る事ができますよね。私は仕事でちょっと乗る事やツーリングに行く事もあり、色々な使い方をするので、このバイクはぴったりです。デザインも良いのでお店に飾れますし、これは買い替えちゃうかな。
●長田克巳さん(43歳)所有バイク:FZ1フェザー

2005年からフェザーに乗って来ていて、マルチなスポーツモデルで気に入った車両があったら乗り換えても良いかなと思っていました。MT-09は似た感じになっているのかと思い、気になっていました。
 乗ってみたら違いましたね。一番は車重。段違いに軽いんです。軽過ぎて、身体がついていかないくらい(笑)。でもバランスが良くて、とても乗り易い。特にBモードで走った時は、走るのが楽でした。今回の試乗ではAモードは手に余る感じでしたが、馴れればきっと楽しいんだろうなと。重心が低くて、落ち着いて乗る事ができますから。
 バリエーションモデルとして、ハーフカウルが出てくれたら最高なんですが、現時点では買い替える時の筆頭候補です!

●新車プロファイル2014MT-09車両解説
●MT-09欧州仕様インプレッション
●MT-09国内仕様インプレッションへ。