ベスパ・ブランドの新型スクーター「Primavera 125」

　Primavera＝プリマベーラは、ベスパの中で最も愛されるモデルとなった1968年に登場した初代モデルのネーミングを継承。昨年発売された「LX 125 3V」と基本コンポーネントを共有しつつ、同じく昨年発表されるや即完売となったプレミアムモデル「946」のエレガントなスタイルに実用性・快適性を盛り込んだモデルに仕上がる。

　ベスパ伝統のスチールモノコックを採用する車体には空冷４ストロークのSOHC３バルブエンジンを搭載。もちろんF.I.だ。燃費（50km/h定地走行）はLX125 3Vの55km/lに対し64km/lにアップしている。

　フロントサスペンションもこれまた伝統とも言える片持ち式を採用、φ200mmのディスクブレーキを装備する。リアはLXに対しタイヤ径が１インチアップされ、同様にドラムブレーキの径もアップとなった（φ110mm→φ140mm）。車重は同クラス同サイズ程度の日本ブランド・スクーターに対し若干重めとなっている。

　試乗車はマレキアーロブルーという新色だ。

　エンジンを始動。”ポコポコ”としたエキゾーストサウンドが印象的。聴く人により個人差はあると思うが、どこかホンワカとした気分にさせてくれる。

　発進加速にもたつきは感じられず、そのままスムーズに無段変速しながら速度を上げていく。力強いという感じではないが、不足は感じられない。とても洗練された印象だ。

　ベスパ伝統のフロント片持ち式リンクサスペンションは独特の粘りのようなものを感じるが、違和感はない。ディスクローター径がアップされたブレーキを強めにかけてもリンクの作用によって姿勢は保たれているが、突っ張った印象ではない。

　プリマベーラ最大の魅力はスタイルだろう。ひと目でスクーターのブランドとして世界的に知れ渡っている”Vespa”とわかる。限られた時間内の試乗ではあったが、小さめのウインカースイッチの操作性以外、気になるところは無かった。シート下にはヘルメットも収納できるスペースが確保されるなど、実用面も含めて国産ブランドのスクーターからも自然に乗り換えることができるだろう。

　尚、プリマベーラの車両本体価格は42万8000円（８％税込）。スクーター・イタリアーノ店、またはピアッジオ・ベスパ コーナーショップにて取り扱われる。