MT-09/MT-09A 849,960円/899,640円(4月10日発売)

★ヤマハ MT-09/MT-09A 車両解説

“シンクロナイズドパフォーマンスバイク”MT-09を発売

ヤマハの“MT”といえば「鼓動」をテーマとして開発されたVツインエンジンを搭載する“MT-01”を思い出す方が多いのでは。大型Vツインエンジンによる鼓動感を楽しむというコンセプトで2004年9月のインターモトでデビュー。2005年モデルとして実際に市販も開始されたが、わずか5年、2009年モデルを最後に生産終了となってしまった孤高なマシンだ。“ヤマハトルクスポーツ”なる形容詞が付いていたように、OHV、1,670ccのVツインエンジンによる強烈なトルクを体感できたモデルとして熱烈なファンは現在も多い。

その“MT”の名称が冠せられた“MT-09”。当然ながら「鼓動」感をテーマとするニューモデルかと思ってしまうが、その期待は若干裏切られることになるかもしれない。

新世代の“MT”は水冷3気筒、846cc、DOHC4バルブF.I.エンジンを搭載する「ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的なデザイン」を持つマシンなのだ。しかもそのエンジンは、MotoGPマシン“YZR-M1”のヒューマンフレンドリーなハイテク技術、クロスプレーン・コンセプトにも基づいて開発されているという。

開発コンセプトは“Synchronized Performance Bike”で、「日常の速度域で乗り手の意志とシンクロする“意のままに操れる悦び”を提唱する」モデル。

1999年に提唱された「鼓動:MT-01」の思想をベースに“ソウルビートVツインスポーツ”をキーワードとし、随所に先端技術を投入“究極の趣味材”の具現化を照準に開発したといわれる“MT”の由来はこの際脇に置いとこう。MT-09の“09”の方は、排気量846cm3、900クラスからイメージしていると考えていい。

車体もアルミダイキャスト製ダイヤモンドタイプフレームをはじめ外側締結リアアームなど、最新テクノロジーを導入することで市街地での楽しい走りを狙いとした方向で開発されている。YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)およびD-MODE、マスの集中に貢献する一体成型のエキゾーストパイプ&サイレンサー、アルミテーパーハンドル、ラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、アルミ鍛造ブレーキ&シフトペダルなどなど。そして極めつけは装備重量188kgがMT-09の性格のすべてを物語っていると言えそうだ。

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MT-09/MT-09Aともに3色の設定。ディープオレンジメタリック8(オレンジ)。
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MT-09。ベリーダークバイオレットメタリック1(バイオレット)。
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MT-09A。マットグレーメタリック3(マットグレー)。

★YAMAHA プレスリリースより (2014年2月6日)

“クロスプレーン・コンセプト”に基づいて開発した3気筒エンジン搭載
シンクロナイズドパフォーマンスバイク「MT-09」新発売

ヤマハ発動機株式会社は、“クロスプレーン・コンセプト”に基づいて開発した水冷・4ストローク・直列3気筒・846cm3ダウンドラフト吸気FIエンジンを搭載した「MT-09」及び、ABS標準装備の「MT-09A」を2014年4月10日より新発売します。

「MT-09」「MT-09A」は“Synchronized Performance Bike”のコンセプトのもとに開発、日常の速度域で乗り手の意思とシンクロする「意のままに操れる悦び」を提唱します。主な特徴は、1)クロスプレーン・コンセプトに基づき開発されたリニアな特性を備える3気筒エンジン、2)徹底した軽量化設計による装備重量188kgの車重、3)ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的デザインなどです。

<名称>
「MT-09」、「MT-09A(ABS搭載モデル)」
<発売日>
2014年4月10日
<メーカー希望小売価格>
「MT-09」849,960円(本体価格787,000円、消費税62,960円)
「MT-09A」899,640円(本体価格833,000円、消費税66,640円)
※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれない。
<カラーリング>
・ディープオレンジメタリック8(オレンジ)
・ベリーダークバイオレットメタリック1(バイオレット)
・マットグレーメタリック3(マットグレー)
<販売計画>
1,500台(年間/国内)
※お問い合わせは、「ヤマハ発動機お客様相談室(フリーダイヤル0120-090-819)」。
《開発の狙い》
 国内の大型二輪市場は近年、市街地走行での楽しさを求めるトレンドが広がっており、身の丈にあったスポーツ性能、扱い易さの中で走りの楽しさを求める声が広く聞かれています。今回の「MT-09」はこうした中、デイリ―・ユースを照準に日常速度域で乗り手の意思とシンクロする「意のままに操れる悦び」を提唱する新製品です。
 
《主な特徴》
1)“クロスプレーン・コンセプト”に基づく新開発3気筒エンジン
 “Synchronized Performance Bike”を具現化するため846cm3 の水冷・4ストローク・直列3気筒・DOHC・4バルブ・ダウンドラフト吸気FIエンジンを搭載しました。バルブ挟み角を26.5°(吸気13°+排気13.5°)と狭く設定とすることによりコンパクトな燃焼室を形成し、素早い燃焼による高トルクを引き出します。
 
2)YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)及びD-MODE
 燃料供給には、YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)を採用しました。軽量アルミ鍛造ピストン、振動低減を図るバランサー、トルク特性に貢献する不等長吸気ファンネルなどとの相乗効果で優れた走行性と燃費性を両立させています。
 また、ライダーの好みや走行状況に応じて制御マップを3種から選択できるD-MODEを採用しました。(1)STDモード、(2)シャープなレスポンスを楽しめるAモード、(3)穏やかで扱い易い出力特性を楽しめるBモードから選べます。
 
3)マス集中に貢献する一体成形のエキゾーストパイプ&サイレンサー
 排気系は、エキゾーストパイプと3段膨張構造サイレンサーを一体成形した3into1タイプです。排気効率、消音効果だけでなくマス集中化による軽快なハンドリングに貢献しています。エキゾーストパイプには、変色や錆、汚れ付着の抑止効果のあるナノ膜コーティング処理を施しました。
 
4)新設計軽量アルミダイキャスト製フレーム及び外側締結リアアーム
 剛性バランスに優れ、個性的なボディを形作る軽量アルミダイキャスト製フレームを採用しました。またコンパクトでスリムなライディングポジションを実現するため、リアアームピボットをフレームの外側で締結し、足つき性の良さにも貢献しています。
 
5)アルミ製テーパーハンドル、ロングシート、燃料タンク
 軽量で強度バランスに優れたアルミ製テーパーハンドルを採用しました。前後約400㎜のメインシートは、タンデム側との段差が少なく自由度のある乗車姿勢を可能としています。シート前端は、マン・マシン一体感を演出するため、グリップ性とフィット感に優れるフロステッドパターンの表皮を採用しています。ニーグリップ部を大きく窪ませた燃料タンクは、スリムなライディングポジションに貢献します。
 
6)デザインの特徴
 マスフォワードシルエットによる自由に操れる軽快感、どんな方向にも動きやすい“塊”を連想させるマス集中感など、ネイキッドとスーパーモタードをハイブリッドさせた“異種交配造形”のデザインが特徴です。
 
7) その他の特徴
(1)新デザイン軽量鋳造ホイール、(2)新設計ラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、(3)前後サスペンション調整機構(イニシャルおよび伸び減衰)、(4)アルミ鍛造ブレーキ&シフトペダル、フットレスト、(5)新設計小型軽量スイッチハンドル、LED テールライトなどを採用しています。
「MT-09」「MT-09A」フィーチャーマップ
・ニーグリップ部の追い込みを大きくとった燃料タンク
・CFアルミダイキャスト採用軽量フレーム
・ポジション自由度の広いロングシート
・リンク式モノクロスサスペンション
・CFアルミダイキャスト製リアアーム
・フレーム外側に締結したリアアームピボット
・一体成形エキパイ&サイレンサー
・フィードバック制御三元触媒
・マルチリフレクター式ヘッドライト
・41㎜径インナーチューブ採用倒立フォーク
・ラジアルマウントキャリパー採用4ポット対向ピストン(焼結パッド)
・アルミキャストホイール(前後)
・水冷・4ストローク・直列3気筒・DOHC4バルブ、FI(YCC-T、小型燃料ポンプ)
・鍛造ピストン、メッキシリンダー、FSコンロッド
・オフセットシリンダー
・不等長吸気ファンネル
・新設計ミッション、小型設計クラッチ
・潤滑系、冷却系パイプレス設計
※ABS 標準装備
 
※印は「MT-09A」のみ

★主要諸元

車名型式 EBL-RN34J
MT-09〈MT-09A〉
発売日 2014年4月10日
全長×全幅×全高(m) 2.075×0.815×1.135
軸距(m) 1.440
最低地上高(m) 0.135
シート高(m) 0.815
車両重量(kg) 188〈191〉
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L) 27.3(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)
19.4(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) -
エンジン型式 N703E
水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 846
内径×行程(mm) 78.0×59.0
圧縮比 11.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 81[110]/9,000
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 88[8.9]/8,500
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 T.C.I.(トランジスタ式)式
潤滑油方式 強制圧送ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 3.4
燃料タンク容量(L) 14
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.666
2速 2.000
3速 1.619
4速 1.381
5速 1.190
6速 1.037
減速比1次/2次 1.680/2.812
キャスター(度) 25°00′
トレール(mm) 103
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
180/55ZR17M/C 73W
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム(リンク式)
フレーム形式 ダイヤモンド

※〈 〉内はMT-09Aのデータです。
※燃費消費率は、定められた試験条件のもとでの値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果からの計算値。