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昨年12月より日本上陸を果たし、順次販売が開始されている「HARTFORD MOTORS」。日本では成川商会グループのn-MOTORS事業部が取り扱うバイクである。日本でのラインナップはモーターサイクル型の全3モデル。原付二種1モデルと軽二輪2モデルだ。n-MOTORS事業部は今回の3モデルをカスタム・ベース車両として幅広い層に拡販していきたいという。そんなモデルたちに僅かな時間ではあったが触れ、乗ってみた。
報告:高橋二朗 撮影:依田 麗
n-MOTORS http://www.n-motors.net/ |
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HARTFORD MOTORSは1995年に台湾で設立。ボーイング、GE、エアバスなどの企業に16,000台以上の精密部品を製造するマシンが採用されるCNCマシンセンターメーカーを親会社に持つ。HARTFORD MOTORS設立以前にも航空や自動車産業で経験を積んでおり、18年以上バイクのエンジンも製造。現在はエンジンのみならず完成車も手がけ、世界に販売網を有するという。本国台湾がメインマーケットで、他には南アフリカや南米などに輸出されているそうだ。 日本で販売されるのは3モデル。すべて日本専用モデルとして、日本での使われ方に適した細部の手直しが施されているという。ターゲットはビギナーからベテランまで幅広い層だとか。 HARTFORD。バイク大国・台湾のメーカーの中でもあまり聞き慣れないブランドで、日本では“老舗インポーター”の成川商会グループが扱うモデルとは言え、正直申すと乗る前は大変失礼ながら「どんなバイクだろう……」という不安がなかったでもない。 が、実際に乗ってみると「中々やるジャン!」というのが正直な感想だ。3モデルの中では上級クラスとなる、n-MOTORSオススメのHD200Sは、手頃なボディサイズのモーターサイクル型軽二輪として惹かれるものがある。特にスタイル。かつてのカワサキZ650LTDやホンダ・ナイトホークなどに通ずる“ネオ・アメリカン”的仕上がりがとても新鮮に感じられた。30万円以下に設定された車両価格もn-MOTORSにとってセールスポイントだとか。ちなみに車両価格は税込。4月1日の消費税増税後も車両価格は変わらないそうだ。 日本メーカーの製品を見慣れてしまうと、細部の見た目や仕上がりに粗さ感じるところもあるが、世界的な視点で考えると問題ないのだろう。車両価格に見合う価値が備わっていると思う。ただ、現在の円安状況を考えると厳しいかもしれないが、もうちょっと車両価格が下がると、セカンドバイク需要をより掘り起こすことができるようにも思える。 尚、n-MOTORSは3月の東京モーターサイクルショーで別メーカーのクルーザー・モデル(125cc)を出展予定だとか。結構クールなモデルだそうなので、 同時に出展されるHARTFORDのカスタム・モデルと併せて期待は膨らむ。
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12インチのタイヤを履き、なんかどこかで見たことあるようなスタイルだが、モーターサイクルとしての基本をコンパクトにまとめたモデル。とても軽快に走る。どこかで見たことあるようなボア×ストロークの数値をもつ125cc単気筒エンジンは元気あり。インジェクションに乗りなれた昨今、スロットルと直結しているようなレスポンス、力強さといったキャブレターのフィーリングがとても新鮮。細かなパーツ、スイッチ類の作りの粗さは多少感じるが、トータルの仕上がりは悪くない。このクラスでハザードやパッシングスイッチを装備しているのは特筆! 試乗車はオプションの外装ストライプ、リアキャリアを装着している。 |
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メーターはキロ/マイル併記。ガソリン残量警告灯も備わる。エンジンはセルモーターを装備。触媒その他のエミッションコントロールによってEuro3をパスしている。フロントブレーキはφ200mmのローターをもつシングルディスク。リアのドラム径はφ150mm。 | ||||||
■Mini125 主要諸元 ■型式:RGTHD125■全長×全幅×全高:1,770 ×812 ×1,010 mm■ホイールベース:1,160 mm■シート高:750 mm■燃費 :47.2 km/L■最高速度:95km/h■エミッション:Euro3■車両重量:115 kg(乾燥)■燃料タンク容量:6.0L■エンジン種類:空冷4ストロークOHV単気筒 ■総排気量:124cm3 ■ボア×ストローク:56.5×49.5 mm■燃料供給装置:キャブレター■始動方式:セルフ/キック式■最高出力:7.35kw/9,000 rpm■最大トルク:8.24N・m/7,500 rpm■変速機:5段リターン■フレーム:スチールコンプフレーム■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/機械式リーディング・トレーリング ■タイヤ(前/後):120/80-12/120/80-12■価格:248,000 円(税込) |
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フロント18インチ、リア16インチタイヤを履く、かつてのカワサキ650LTDのようなロードスポーツとクルーザーの中間的バイク“ネオ・アメリカン”を彷彿とさせるモデル。サイズもコンパクト、車重も130kgと軽いので扱い易い。Miniシリーズと比べると当然ながらドッシリ感が備わり、安定性も高い。低めのシートに高めのハンドル位置と、ポジションも何となくクルーザー的な新感覚。エンジンにこれといった特徴は感じられないが、必要にして充分な力が備わる。標準マフラー(サイレンサー)のデザインと大きさ、取り付け角度が気になったが、カスタム・ベースとして交換が前提だとか!? 東京モーターサイクルショーにそのカスタムモデルが出展されるそうなので期待したい。1月末発売。 |
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こちらもメーターはキロ/マイル併記。2眼ながら右側は燃料計と各インジケーターとしているあたり、バイクのキャラクターをよく表していて好感がもてる。197ccの単気筒OHVエンジンには、過酷な使用にも耐えるオイルクーラーを装備。フロントディスクのローターはφ250mm、リアのドラム径はφ200mm。小径の太いタイヤがアクセントとなるリアビューがこのバイクのチャームポイント。 | ||||||
■Leopard HD200S 主要諸元 ■型式:RGTHD200S■全長×全幅×全高:1,940 ×810 ×1,050 mm■ホイールベース:1,320 mm■シート高:750 mm■燃費 :47.2 km/L■最高速度:120km/h■エミッション:Euro3■車両重量:130 kg(乾燥)■燃料タンク容量:9.0L■エンジン種類:空冷4ストロークOHV単気筒 ■総排気量:197cm3 ■ボア×ストローク:63.5×62.2 mm■燃料供給装置:キャブレター■始動方式:セルフ/キック式■最高出力:10.52kw/7,500rpm■最大トルク:14.81N・m/6,000rpm■変速機:5段リターン■フレーム:スチールコンプフレーム■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/機械式リーディング・トレーリング ■タイヤ(前/後):90/90-18/130/90-16■価格:298,000 円(税込) |
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125と同じ車体に150のエンジンを搭載。 |
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日本では軽二輪登録となるので、高速道路を走行することも可能なモデルだ。乗った印象は125と大きく変わらない。それもそのはず、増大したトルクの分、ギアの設定をロングにしてあるとのこと。 |
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日本ではコンパクトな車体で街乗りをメインに、いざという時は自動車専用のバイパスも走ることができるという用途に適したバイクだ。尚、150のエンジンはブラックとなる。2月15日発売。 |
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■Mini150 主要諸元 ■型式:RGTHD150■全長×全幅×全高:1,770 ×812 ×1,010 mm■ホイールベース:1,160 mm■シート高:750 mm■燃費 :38.0 km/L■最高速度:95km/h■エミッション:Euro3■車両重量:115 kg(乾燥)■燃料タンク容量:6.0L■エンジン種類:空冷4ストロークOHV単気筒 ■総排気量:149cm3 ■ボア×ストローク:61.6×49.5 mm■燃料供給装置:キャブレター■始動方式:セルフ/キック式■最高出力:7.49kw/8,500rpm■最大トルク:8.48N・m/7,500 rpm■変速機:5段リターン■フレーム:スチールコンプフレーム■ブレーキ(前/後):油圧式ディスク/機械式リーディング・トレーリング ■タイヤ(前/後):120/80-12/120/80-12■価格:278,000 円(税込) |
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