NC750S/Dual Clutch Transmission/<ABS> 649,950円~763,350円(1月24日)
★ホンダ NC750S/Dual Clutch Transmission/<ABS> 車両解説
“ニューミッドコンセプト”シリーズが750に排気量アップ、装備も充実、NC750S
並列2気筒のシリンダー前傾角を62度と深くすることでエンジン全高を下げ、車体のレイアウトに自由度が得られる軽量コンパクトな新型700ccエンジンをゼロから開発。それに合わせて、低い位置にメインパイプ配置することが可能となったローフレームの組み合わせにより誕生した“ニューミッドコンセプト”シリーズ。
2012年2月のNC700X、4月のNC700S、インテグラの発売以降多くのファンを獲得してきたが、わずか2年足らずの短期間で早くもモデルチェンジが行われた背景には、その人気ぶりを背景にした販売計画台数の完遂ばかりでなく、未だ残にる日本独自の規格といえる“ナナハン”を試験車両とする大型自動二輪免許の存在も背景にありそうだ。これまでのNCシリーズは、排気量で見れば669cm3であり、実質650クラスだった。教習車両、試験車両に使われるかどうかは、潜在ユーザー層となる教習生へのアピールの面からも重要なことだろう。ただ排気量アップの要因はもちろんそれだけではなく、生み出された余裕を排出ガス規制や騒音規制対策、はたまた好燃費化にも貢献させているという。
共通のプラットフォームを使い回すことで、より多様なニーズに合わせたモデル群を展開するというNCシリーズの基本戦略は変わらずだ。今回は“オン・オフ”モデルとして開発されたNC750Xと、“ネイキッド・スポーツ”のNC750Sを一足早く1月24日に発売。前モデルは海外でトップバッターデビューを飾った“スクーティング・モーターサイクル”のインテグラのみ若干遅れて2月7日発売となっている。NC750X、NC750Sに用意される“デュアル・クラッチ・トランスミッション”仕様、NC750Xのローシート“TypeLD”仕様(NC750X)、そして“ABS”仕様の各仕様も、すべて発売開始日に合わせてラインナップされた。
新型エンジンは、ボアを4mm拡大してボア77mm×ストローク80mmとなり、総排気量745cm3から低中回転域での力強い走りを実現。ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式ロッカーアームにアルミ材を採用するなどの特徴的なメカニズムは踏襲されたが、従来の一軸バランサーは、さらなる低振動化の実現を図るため二軸式へと変更された。トランスミッションのハイレシオ化も行われ、デュアル・クラッチ・トランスミッションも新エンジンに合わせて変速特性が見直されているという。
車体面では基本構造に変化はないのでほぼ同一といえるが、インテグラではリアのスイングアームがアルミ化されたほか、フロントカウルとシート形状も変更されている。また、スポーティなストライプの採用やゴールドカラーの前後ホイールを装着したインテグラSタイプも追加されるなど新型NCシリーズでは一番変更点の多いモデルとなった。
こちらNC750Sでは、タイヤの変更が行われていないことを除けばNC750Xと同様で、ニューCBシリーズなどで採用されている瞬間燃費、および平均燃費などが表示できる機能を持つ燃費計が新たに装備された。また、シート表皮の変更、アジャストタイプのブレーキレバーも採用されている。
★HONDA プレスリリースより (2014年1月14日)
大型スポーツモデル「NC750X」「NC750S」「インテグラ/S」を発売
Hondaは、力強いトルク特性で扱いやすく燃費性能に優れた水冷・4ストローク・OHC・直列2気筒750ccエンジンを搭載した大型スポーツモデル「NC750X」「NC750S」を1月24日(金)に、「インテグラ」「インテグラS」を2月7日(金)にそれぞれ発売します。
今回のモデルは、「ニューミッドコンセプト」シリーズとして開発した「NC700X」「NC700S」「インテグラ」それぞれの排気量アップを図りながら、燃費の向上を実現し、装備の充実も図っています。
エンジンは、3車種ともに低・中回転域でより力強いトルク特性としながら、従来モデルの1軸バランサーから2軸バランサーに変更する事で、振動の低減を実現。また、トランスミッションのハイレシオ化を図ることで燃費性能の向上を実現するなど、エンジン各部の熟成を図っています。なお、3車種に搭載(NC750X、NC750Sはタイプ設定。インテグラ/Sは標準装備)したデュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)では、エンジンの低・中速域の力強さを活かした変速特性に変更するなど、DCTのセッティングの熟成を図っています。
NC750X、NC750Sは、メーターに燃費計を新たに採用。またマニュアルトランスミッションタイプにもギアポジション表示を採用するなど、装備の充実化を図っています。
インテグラと、インテグラにスポーティーなストライプを配したインテグラSは、アルミ製スイングアームを新たに採用。また、フロントカウルの形状変更によって膝回りにゆとりのあるスペースを確保するなど、車体各部の変更と熟成を図っています。
ニューミッドコンセプトシリーズは、排気量アップに伴うエンジン各部の熟成などによって、市街地やツーリングなどの幅広いシチュエーションで快適な走行を楽しむことが出来ます。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- NC750X 2,500台
- NC750S 1,300台
- インテグラ 500台
- ●メーカー希望小売価格(消費税5%込み)
- NC750X、NC750X TypeLD 701,400円(消費税抜き本体価格 668,000円)
- NC750X<ABS>、NC750X TypeLD<ABS> 750,750円(消費税抜き本体価格 715,000円)
- NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>
- NC750X TypeLD デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS> 814,800円(消費税抜き本体価格 776,000円
- NC750S 649,950円(消費税抜き本体価格 619,000円)
- NC750S<ABS> 699,300円(消費税抜き本体価格 666,000円)
- NC750S デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS> 763,350円(消費税抜き本体価格 727,000円)
- インテグラ 871,500円(消費税抜き本体価格 830,000円)
- インテグラS 892,500円(消費税抜き本体価格 850,000円)
- ※価格には(リサイクル費用を含む)保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- =NC750Xの主な特長=
- ●エンジン
- 今回、さらに力強い出力特性を得るために排気量を増加。ボア×ストロークを77mm×80mmに設定しボアを4mm拡大しています。従来モデルに比べ、最高出力値を、発生回転数6,250rpmはそのままに3kW向上。また、最大トルク値も発生回転数4,750rpmはそのままに、7N・m向上しています、なお、1軸バランサーから2軸バランサーに変更する事で、振動の低減を実現してます。トランスミッションは、ハイレシオ化を図ることで燃費性能を向上。60km/h定地走行テスト値は、従来モデルに対し1km/L向上した42.0km/Lを実現しています。また、DCTのセッティングを変更し、ブレーキング時のエンジンブレーキがより効く設定としています。なお、マフラー内の構造を変更し歯切れの良いエキゾーストサウンドを実現しています。
- ●車体・装備
- オフロードイメージを彷彿させるパターンのタイヤを前・後に採用し、クロスオーバーコンセプトのスタイリングをさらに際立たせています。
- 全タイプのメーターに、瞬間および平均の燃費を表示する燃費計を新たに採用。また、マニュアルトランスミッションタイプには、新たにギアポジション表示を追加しています。シート表皮の変更や、アジャストタイプのブレーキレバーを採用するなど、装備の充実を図っています。従来モデル同様に、シート高を30mm低くし足着き性に配慮したローダウンのTypeLDをラインアップし、選択の幅を広げています。
- ●カラーバリエーション
- 全タイプに、新色の3種類を設定しています。
- ・マットパールグレアホワイト ・パールスペンサーブルー ・ソードシルバーメタリック
- =NC750Sの主な特長=
- ●エンジン
- エンジンとトランスミッションは、NC750Xと同様の変更を施しています。燃費性能は、60km/h定地走行テスト値では従来モデルに対し1km/L向上した42.5km/Lを実現しています。
- ●車体・装備
- NC750X同様に、メーターの表示機能、シート表皮の変更、アジャストタイプのブレーキレバーを採用しています。
- ●カラーバリエーション
- 全タイプに、新色のマットパープルグレアホワイトと、継続色のグラファイトブラックの2色を設定しています
- =インテグラ、インテグラSの主な特長=
- ●エンジン
- エンジンは、NC750Xと同様の変更を施しています。また、インテグラ、インテグラSに標準装備したDCTのセッティングをNC750X同様に変更しています。燃費性能は、60km/h定地走行テスト値では従来モデルに対し1km/L向上した39.0km/Lを実現しています。
- ●車体・装備
- 今回、インテグラにスポーティーなストライプを配し、ゴールドカラーの前・後ホイールを装着したインテグラSを新たにタイプ追加しバリエーションの充実を図っています。
フロントカウルとシート形状の変更などにより、膝回りと足元にゆとりあるスペースを確保するとともに、足着き性の向上を実現しています。スイングアームには、新たにアルミ製を採用するなど、車体各部の進化を図っています。尚、アジャストタイプのブレーキレバーやメーターには瞬間および平均の燃費を表示する燃費計を新たに採用するなどで、使い勝手をさらに高めています。 - ●カラーバリエーション
- インテグラは、新色のマットパールグレイアホワイトとキャンディーアルカディアレッドの2色を設定。インテグラSは、専用色のマットガンパウダーメタリックを採用し、精悍なイメージとしています。
★主要諸元
車名型式 | EBL-RC70 | |
---|---|---|
NC750S | ||
発売日 | 2014年1月24日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.195×0.780×1.130 | |
軸距(m) | 1.525 | |
最低地上高(m) | 0.140 | |
シート高(m) | 0.790 | |
車両重量(kg) | 214〈216〉【226】 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L) | 42.5(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時) | |
29.0(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時) | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 3.0 | |
エンジン型式 | RC70E | |
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 745 | |
内径×行程(mm) | 77.0×80.0 | |
圧縮比 | 10.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 40[54]/6,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 68[6.9]/4,750 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン【電子式6段変速(DCT)】 | |
変速比 | 1速 | 2.812【2.666】 |
2速 | 1.894【1.904】 | |
3速 | 1.454 | |
4速 | 1.200 | |
5速 | 1.033 | |
6速 | 0.837【0.864】 | |
減速比1次/2次 | 1.731×2.529【1.921×2.294】 | |
キャスター(度) | 27°00′ | |
トレール(mm) | 110 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 160/60ZR17M/C 69W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※〈 〉内はABS仕様、【 】内はデュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>仕様