隼(ハヤブサ) 1,564,500円(2月10日発売)

★隼(ハヤブサ) 車両解説

欧州仕様と同一のパワーのまま、日本仕様の「隼(ハヤブサ)」を発売

国内のスズキ・ビッグバイクファンに大プレゼント。なんとあのウルティメットスポーツ“HAYABUSA”が欧州仕様と同一パワーのまま国内仕様として販売開始されるのだ。おなじみ1,339cm3、水冷4ストローク直列4気筒エンジンは、輸出モデルとまったく同一の最高出力145kW(197PS)、最大トルク155N・m(15.8kgf・m)を発揮するという。

年配のライダーならご記憶されているだろう、’70年代後半から’80年代へかけての一大バイクブーム、そしてそれによる過激なスーパースポーツモデルによる事故多発をうけて、国内で発売されるバイクはクラスごとに一定の最大馬力値におさめるように規制が行われることになってしまった。ちなみに、50ccが7.2馬力、125ccが22馬力、250ccが45馬力、400ccが59馬力、750ccが77馬力、1000cc超が100馬力以下というもので、この規制は、国内メーカーによる団体である日本自動車工業界によって定められたことから“馬力自主規制”と呼ばれ、以来、特に国内のスポーツモデルユーザーにとっては“不完全燃焼”の状態が長らく続くことになった。

しかしその後、1996年9月の大型自動二輪免許制度の導入により、教習所で誰もが比較的簡単に大型バイクに乗れる免許が取れるようになったことや、販売体制の確立により輸入モデルの購入が身近になったこと、などから、国内モデルのみに課していた馬力自主規制の存在意義がそのものが薄れ、2007年7月、ついにこのバイクの馬力自主規制は廃止されることになった。ただ、だからといって国内二輪メーカー各社がすぐに、いわゆるフルパワーモデルを国内発売したわけではないのはご存じの通り。馬力自主規制の撤廃によりできた余裕は、国内の厳しい排ガス規制や騒音規制に対処するために回されたのだ。ちなみに馬力自主規制撤廃後に登場した国内仕様での最大馬力モデルは、ヤマハのVMAXで、111kW(151PS) /7,500rpmというものだが、これは極めて特殊な例といえるだろう。メーカー自体もビッグバイク、ハイパワーモデルは逆輸入車で対応できている、という姿勢だったからだ。

こういった背景の中での隼(ハヤブサ)の日本仕様発売だ。具体的な海外仕様との違いは、以下のスズキのリリースを読んでいただくとして、最後に車名に関する話題を。今回の日本仕様の正式車名は「隼(ハヤブサ)」で、海外モデルでも、当初の正式車名である「GSX1300R」からキャッチネームとして世界中に広く浸透した「HAYABUSA」の方がメインとなり「Hayabusa 1300」に変更されている。

20140210_HAYABUSA_GSX1300RAL4_AJP
日本仕様の隼(ハヤブサ)は3色の設定。イメージカラーの青×白「パールビガーブルー/パールグレッシャーホワイト」。
20140210_HAYABUSA_GSX1300RAL4_AA3_2
グレー×黒「サンダーグレーメタリック/グラススパークルブラック」。
20140210_HAYABUSA_GSX1300RAL4_AGS
赤×白「パールミラレッド/パールグレッシャーホワイト」。

★SUZUKI プレスリリースより (2013年11月14日)

全世界で人気の二輪車
「隼(ハヤブサ)」の日本仕様を発売

スズキ株式会社は、国内外で支持を得ている二輪車「隼(ハヤブサ)」の日本仕様を2月10日(月)より発売する。

「隼(ハヤブサ)」は、「究極のスポーツバイク」を構想に開発された、高い空力特性を持つ独特のデザインと優れた走行性能が特長の大型ロード・スポーツ・バイクである。1999年より欧州や北米などで販売を開始し、近年ではインドなど新興国へ投入するなど、スズキが誇る旗艦機種として、世界中で好評を得ている。

日本仕様の「隼(ハヤブサ)」は、国内の認証基準に適合しながら、欧州仕様と同じ最高出力・最大トルクを実現。また、国内の二輪車で初めて※ETC車載器を標準装備した。

スズキは「隼(ハヤブサ)」を国内で発売することで、大型二輪車の商品を拡充するとともに、スズキ二輪車のブランドイメージの更なる向上を図る。

●「隼(ハヤブサ)」の主な特長
デザイン
・「鎧兜」をモチーフに、風洞実験を繰り返すことで、高い空力特性とライダーへの防風効果を徹底的に追求した、独特のデザイン。
エンジン
・欧州仕様と同じ最高出力145kW(197PS)、最大トルク155N・m(15.8kgf・m)を発揮する、1,339cm3水冷4サイクル直列4気筒エンジン。
その他の装備
・ETC車載器は、メーター内の表示で動作状況の確認が可能(国内二輪車初※1の標準装備)。
・前輪ブレーキには、高い制動力を発揮するブレンボ社製のモノブロック・ラジアルマウント・キャリパーを採用し、ABSを装備。
・高速道路など俊敏さが求められる中長距離走行から街乗りまで、ライダーの好みに応じて出力特性を3つの中から選択できるS-DMS(スズキ・ドライブモードセレクター)を搭載。
・ホイールベース1,480mmのコンパクトな車体を採用し、一体感のあるライディングポジションを実現。
・車体色は、青/白「パールビガーブルー/パールグレッシャーホワイト」、グレー/黒「サンダーグレーメタリック/グラススパークルブラック」、赤/白「パールミラレッド/パールグレッシャーホワイト」の3色を設定。
商品名
隼(ハヤブサ)(GSX1300RAL4)
メーカー希望小売価格
1,564,500円(消費税抜き1,490,000円)※2
発売日
2014年2月10日
車体色(3色)
パールビガーブルー/パールグレッシャーホワイト(AJP)、サンダーグレーメタリック/グラススパークルブラック(AA3)、パールミラレッド/パールグレッシャーホワイト(AGS)
※1 2014年1月現在、スズキ調べ
※2 価格には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。

★主要諸元

車名型式 EBL-GX72B
隼(ハヤブサ)
発売日 2014年2月10日
全長×全幅×全高(m) 2.190×0.735×1.165
軸距(m) 1.480
最低地上高(m) 0.120
シート高(m) 0.805
車両重量(kg) 266
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費(km/L) 28.0(60km/h定地走行テスト値)
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) 3.3
エンジン型式 X704
水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 1,339
内径×行程(mm) 81.0×65.0
圧縮比 12.5
最高出力(kW[PS]/rpm) 145[197]/9,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 155[15.8]/7,200
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 フルトランジスタ式
潤滑油方式 圧送式ウエットサンプ式
潤滑油容量(L) 3.10
燃料タンク容量(L) 21
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.615
2速 1.937
3速 1.526
4速 1.285
5速 1.136
6速 1.043
減速比1次/2次 1.596/2.388
キャスター(度) 23°25′
トレール(mm) 93
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
190/50ZR17M/C 73W
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク(ABS)
油圧式シングルディスク(ABS)
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム式
フレーム形式 ダイヤモンド