楽しい県道を発見して、
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翌朝はアルプスから見えるはずの朝日を狙い早めに起床。とにかく寒かったが何とか朝日を拝み、よし、今日はさっさと帰ろう、と走り出す。良いイメージのない158号を東に走り始めると、早朝は車もおらず快適。しかし来たのと同じ道ではつまらなく思い、能登半島で味をしめた県道を探す。 |
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すると梓湖というダム湖から南下する県道26号を発見。これをたどれば松本と中津川を結ぶ国道19号、いわゆる木曽路に抜けることができ、しかも宿場町「奈良井宿」の辺りに出ることができる。この道がまた大正解。道幅は狭いが車も少なく、ワインディングを楽しむことも可能。むしろシチュエーションとしてはVストロームの万能性が最も活きるともいえる。柔らかいサスやホイールサイズ、タイヤ銘柄のおかげで多少荒れていても怖がらずに走ることができ、先が見えないコーナーでも上体が起きているため奥まで見やすい。本当にこのバイク、イイぞ、と改めて惚れ込みながらコーナーをクリアしていくとあっという間に奈良井宿に到着してしまった。 まだ朝も早い奈良井宿は静かでとても素敵な雰囲気。やはりこういうところは人が少ない方が浸れるように思う。Vストロームを置いて写真を撮ると、個人的には白の方が良かったかな、と思っていたオレンジのカラーリングも妙にこの環境に溶け込んでいることに気付く。なんだか大人のツーリングをしている気分になった。 この近辺にはオフロードが残っている所もあり、せっかくだから少し乗り込んでみる。濡れたダート路面はロードバイクでは決して走りたいものではないが、Vストロームならば許容範囲内。とはいえ重量はあるしサイズも大きいため細い道でのUターンも辛い。積極的にこういった道を選びたいとは思わないが、それでもフラットな未舗装路だったら怖がらずに入っていくことはできるのが嬉しい。高速道路、舗装ワインディングで満足がいく性能を持っている上に、こんなことまでカバーしてくれるのだからありがたい話だ。近年のアドベンチャー人気もうなずける。 朝から峠道、宿場町、オフロードと満喫しすっかりおなか一杯に。19号を北上し、午後の早い時間に塩尻ICから再び中央高速に乗る。ここから八王子まで176キロ、普通に走れば2時間で帰れてしまうのだからやはり高速道路はありがたく、そして高速道路を疲労少なくこなすバイクもまたありがたい。 |
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地図によれば遠くに見えるのは奥穂高か槍ヶ岳のはずなのだけど、どれがどれだかわからない。というかとにかく寒くてもはやどうでもよかった(笑) 。グリップヒーターは絶対だな。 | ||||
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どうかな、と思っていたVストロームのオレンジ色だが、こう見ると木造建築の木の色に似ていると気づく。溶け込む感じがいいじゃないか。 | ||||
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積極的にオフロードを楽しみたいバイクではないが、しかしロードモデルに比べればオフロードへの適応力は高い。もうちょっと奥まで散策したい、などという気持ちに応えてくれる。 | 手が冷たすぎてブレーキが握れず危ない。足湯で手を温めて、もう少し陽が昇るのを待つ。 | |||
3時のおやつに間に合うように帰宅。総走行距離のメモが見当たらないが、たしか1100キロほどだったように記憶している。宿の予約もせずにのびのびと2泊3日のツーリングに出かけたのなんてどれくらいぶりだろう。1泊はあっても、2泊はたぶん学生時代以来のように思う。 |
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日々バイクに関わる仕事をしているせいか、バイクのスペックやそれぞれの性格の違いについては詳しいと自負している。しかしいつしかそれが頭でっかちになってしまっていて、実際にバイクに乗るのは日々の移動だけになってしまっていた自分に気付く。改めて長距離を楽しんだり、遠い地の文化に触れたり、知らない人とコミュニケーションをとったり、宿に飛び込んだりする「ツーリング」の楽しさを思い出した気持ちだ。そんなきっかけを作ってくれたVストロームに感謝しつつ、思い出したこの遊びを今後も積極的に行っていこうと、バイク業界に関わるものとして、いやバイクエンスージアストとして思った。
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↑海岸線も走ったため帰宅後はすぐに洗車した。輸出仕様はアンダーカウルがないためエンジンやエキパイが大変汚れる。これは装着したいオプション、国内仕様がうらやましい。 ←こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイトで直接ご覧ください。 |
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[V-Stome650の詳細は新車プロファイルを御参照ください]