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1980年代終盤にピークを迎えたレーサーレプリカブームは、先鋭化しすぎた反動もあり1990年代に入ると急激に減速。ポストレプリカとして注目されたのが1989年に登場したゼファーであった。レプリカに疲れたユーザーはごくごく普通のバイク、ゼファーに新たなる境地を見いだし、ネイキッドブームを軸としてリッターバイク、シングル、アメリカン、ビッグスクーターやそれらのカスタムなど多種多様なブームに火が付き、1970年代後半から続いた一大バイクブームは新たな局面を迎えた。そんな時代に一台の250シングルが誕生した。 スペイン語で星を意味する「ESTRELLA(エストレヤ)」と名付けられたそのバイクは、「性能だけに目を向けるのではなく、五感に訴えるバイクとして人との関わりを大切に、持つ喜び、さわる喜び、みがく喜び、そして乗る喜び……など幅広い味わいと親しみやすさ」という、一時代を築いたゼファーにも通じるコンセプトで製作された。 新設計の空冷ロングストロークシングルエンジンは、バフ仕上げが施され、歯切れ良いサウンドのキャブトンタイプマフラーとベストマッチ。ツボを押さえ配されたメッキパーツ類、足着き性も良好で見た目も斬新な鞍型シート、取り外してオプションのキャリアに交換出来るリアシート、クロームメッキを施した専用工具など、単なる懐古的クラシックモデルではなく、現代にも通用する実用性とモダンさも併せ持ち、エントリーユーザーや女性ライダー、若者層にリターンライダーまで幅広い層の支持を受けた。ゼファーに続くロングセラーモデルに成長していく。
幅広い層から好評を受けたエストレヤ。1993年モデルからはタンクのエンブレムが立体エンブレムに変更され、より質感が向上した。
1994年モデルは一部車体色を変更。キャンディサンゴットオレンジに代わって新色のワインレッドが設定された。ルミナスウインザーグリーンは継続。
リアショックがリザーバータンク付きからシンプルなタイプに変更された1995年モデルから、ロングシートを装着したRSがラインナップに加わった。RSはシート高が770mmから735mmに低下し、さらに足着き性が向上し、専用工具の収納場所はキー付ツールボックスからシート下への収納に変更されている。エボニー×ファイアクラッカーレッドはメッキフェンダーを装着。形状変更された立体型タンクエンブレムはエストレヤのみに装着。価格は全車同一の450,000円。
前後ブレーキがドラムブレーキに変更され、よりクラシカルモダンイメージを高めたCustomが加わった。鞍型シート+ディスクブレーキのエストレヤ。ロングシート+ディスクブレーキのRS。鞍型シート+ドラムブレーキのカスタム。ロングシート+ドラムブレーキのRSカスタムと4車種の豊富なラインナップとなった。ドラムブレーキのカスタムは乾燥重量が6kg増。立体エンブレムはエストレヤとカスタムのみに装着された。価格は全車450,000円。
車体色の変更のみ。前年までは各バリエーションにそれぞれの車体色が用意されたが、1997年モデルからは、エストレヤとカスタム、RSとRSカスタムの車体色を共通化。ただしRSカスタムはシートにホワイトパイピングがないなど、細かい相違点はある。1997年モデルのRSのマーケットコードは、カラーによってファイアクラッカーレッドがC2、ギャラクシーシルバーはC3と異なっているが原因は不明。価格はすべて前年と同じ450,000円。
車体色の変更のみ。バリエーションと車体色の関係は前年同様で、前年カラーがそのまま継続されたものもあるが、スタンダードモデルのエストレヤのキャンディワインレッド×ギャラクシーシルバーは、車体色の表記は前年と同じながらリアフェンダーが色付きだったり、RS系のレッドは同じように見えて実は違う色だったりと細かい相違点がある。価格、諸元は変更なし。
1950〜60年代の英車を思わせるようなカラーに全車車体色を一新。バリエーションと車体色の関係は引き続き前年と同様の組み合わせ。RSのみシートに白いパイピングが入る伝統も受け継がれた。価格、主要諸元も変更なし。
[エストレヤの旅──「バイクで訪れたい、走りたい、あの町・この町 明石」]
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