2013年9月18日
■「2020年・国内販売100万台」を目指し、自工会・二輪車特別委員会が取り組んでいることは?
9月18日、定例となっている二輪4社(日本自動車工業会 二輪車特別委員会)による合同記者会見では、世界の二輪車市場の状況、国内での二輪車産業再構築への取り組みなどの報告が行われた。
2012年の世界二輪車生産は5,913万台(前年比約430万台減)。経済の減速によって中国やアセアンでの生産台数が減少した一方、インドでは約70万台増加。少ないもののアフリカでの生産が活発化しているという。
世界の二輪車販売は南米が2009年以降、順調に伸張。リーマンショック以降販売が激減していた北米は若干回復。金融緩和、景気回復により二輪車市場もようやく恩恵を受け始めている。
一方、2012年の国内二輪車販売台数は44万2,407台(前年比2,585台減)。ただし2013年1~8月の累計は、新車効果によって原付二種以上の自動二輪車が好調で30万5,529台(前年比2.7%増)に。中でも軽二輪(126~250cc)は25.4%の増加となっている。
二輪車産業再構築については「ジャパンブランドの国際競争力強化のために、国内でのモノ作り基盤を維持」「そのためには、一定規模の国内生産・販売数確保が必要」と二輪車特別委員会は考えている。
中でも「利用環境改善等国内市場の活性化策」として●二輪車駐車場整備●125cc免許の取得負担軽減●バス専用通行帯における自動二輪車の走行●二輪車通行禁止区域等の調査●高速道路料金の適正化といった、二輪車ユーザーが身近に直面している問題改善に向け、引き続き政府・省庁に対し働きかけているという。
また、経済産業省と地方自治体、二輪車業界団体による官民一体となって9月2日に開催された「第1回BIKE LOVE FORUM」についての報告もあった。中でも話題になっているのが、バイク産業が2020年までに目指すひとつでもある「国内販売100万台」。前記2012年の2倍以上の国内販売台数を目指すというものだ。
1982年をピーク(328万5,327台)に、国内の二輪車販売台数は1998年まで100万台をキープ。内訳はその半分以上の台数を50cc以下の原付一種で占めている。取得は容易ながら法定速度30km/hなどの“足枷”がネックとなっているのも原付一種離れの要因のひとつであることは否めない。低コスト&高い利便性という点で125cc以下の原付二種の販売台数増に期待がかかるところである。
欧州の一部の国のように普通免許で運転できる二輪車を125ccまで引き上げてみてはどうだ? という案が報道されるなど、国民にとって気になるところであり、オートバイ議員連盟でも取り組んでいるほど関心の高い話題である。そこで今回 、特に進展報告のなかった「125cc免許の取得負担軽減」について多くの質問が投げかけられた。
二輪車特別委員会では「125cc免許」に対するスタンスはあくまで「取得負担軽減」。2011年には 教習所への入校から卒業まで最短1~2日で免許が取得できるよう「技能講習5時限 みきわめ1時限」を提案しており、実際に鈴鹿サーキット交通教育センターとヤマハテクニカルセンターで、任意の各18人を対象に実験講習を実施、9割が合格ラインに達したというデータをもつ。
125ccクラスの二輪車は道路交通法上では「普通自動二輪車」、道路運送車両法上では「第二種原動機付自転車(原付二種)」と、分類が省庁を跨っているためスムーズに進まないのが現状。日本自動車工業会(自工会)二輪車特別委員会の 柳 弘之 委員長(ヤマハ発動機 代表取締役社長) 曰く「手ぬるいと思われるかもしれないが、ステップを踏まないといけないと考えている。近日中に警察庁と会談予定で、良い解決策を探している状況」だという。