VFR1200F Dual Clutch Transmission
1,680,000円 (7月29日発売)
★ホンダ VFR1200F Dual Clutch Transmission 車両解説
“ハイテク・ツアラー”VFR1200Fに待望の“有段式自動変速機”モデル登場
VFRシリーズは、1998年のVFR(800)の登場以来、常にホンダの先進テクノロジーのショールームマシン的な存在として発展してきた。本来ならスーパーバイクレースで活躍していたRVFやRC45の技術が投入されたことで、レプリカとして登場してもおかしくないハイスペックなモデルだったが、ホンダが与えた性格は“大型スポーツツアラー”だった。
そのホンダの戦略は特に欧州市場では見事に当たり独自のファン層を獲得することになった。そして2010年3月発売の新型VFR、VFR1200Fへと引き継がれることになった。そして今回、技術自体はすでに公表されていた“Dual Clutch Transmission”を採用したモデルが発売されることになった。二輪車用としては世界初という「有段式自動変速機」搭載のまさに“ハイテクマシン”だ。
ユニカムバルブトレインや左右対称シリンダーなど、数々の特徴は先に発売されているVFR1200Fと共通だ。エンジンは1本のカムシャフトで吸・排気バルブを作動させる“ユニカムバルブトレイン”採用によりコンパクトなシリンダーヘッドを構成。左右対称のシリンダーレイアウトと28度の位相クランク(バンク角は76度)との組み合わせにより、バランサーを搭載せずに一次振動を打ち消している。吸気系にはMotoGPレーサーからの技術のフィードバックと言える“スロットル・バイ・ワイヤー”を採用。PGM-FIとの組み合わせによりライダーに忠実なスロットルコントロールを可能としている。
フレームもRC212V技術の4分割アルミ中空鋳造構造を採用、新設計のオフセットピボット式スイングアームと組み合わされることで高速走行時の操縦安定性とスポーティなハンドリングを両立させている。シートはホンダ初の一体発泡成形シートを採用。真空形成型でPVCレザーを成形し、同一型内でクッションを発泡させることにより、形状追従性が高く、優れた乗り心地を実現できたという。さらに25mm低い国内専用のローシートとなっている。ブレーキはコンバインドABSを標準採用。カラーはノーマルバージョンと同一で、キャンディープロミネンスレッドとパールサンビームホワイトの2色。
★HONDA プレスリリースより (2010年6月29日)
大型二輪スポーツツアラー「VFR1200F Dual Clutch Transmission」を新発売
Hondaは、二輪車用としては世界初※1の有段式自動変速機(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載した、大型二輪スポーツツアラー「VFR1200F Dual Clutch Transmission」を7月29日(木)に発売する。
新型VFR1200F Dual Clutch Transmissionは、VFR1200Fの車体やエンジンをベースに、新たに世界初の有段式自動変速機(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載したもので、今回のタイプ追加により、VFR1200Fは従来からのマニュアル・トランスミッション車と、デュアル・クラッチ・トランスミッション車の2タイプとなり、よりユーザーの嗜好にあった選択を可能としている。
また、デュアル・クラッチ・トランスミッションの搭載により、独特のビート感とサウンドを持つ力強い出力特性のV型4気筒エンジンとあいまって、簡単な操作で上質なスポーツライディングを楽しむことを可能としながら、伝達効率に優れた機構により、燃費性能においても従来のマニュアル・トランスミッションと同等以上の性能を実現している。価格においても新機構を採用しながらも、マニュアル・トランスミッション車に対して、10万円(消費税込10万 5,000円)高とするなど、魅力的な価格を実現している。
VFRシリーズは、スポーティーな走行はもとより高速道路などを使ったロングツーリングにも適したエンジン特性と車体特性から、40~50代のベテランライダーを中心に好評を得ているモデルである。
※1 Honda調べ
- ●販売計画台数(国内・年間)
- VFR1200F Dual Clutch Transmission 400台
- (シリーズ合計 1,200台)
- ●メーカー希望小売価格
- 1,680,000円(消費税抜き本体価格 1,600,000円)
- 【VFR1200F Dual Clutch Transmissionの主な特長】
- ●デュアル・クラッチ・トランスミッション
- ・軽量コンパクトなシステムで、既存のエンジンレイアウトを大きく変更することなく搭載が可能。
- ・モーターサイクルに求められる繊細なアクセル操作に対応するため、電子制御技術を駆使し、違和感のないスムーズな発進/変速特性を実現。
- ・ライダーの要求に幅広く対応するため、一般走行に適した「Dモード」と、スポーツ走行に適した「Sモード」の2種類のフルオートモードと、マニュアル・トランスミッション感覚の走行を可能にする「MTモード」を搭載。
- ・クラッチレバーとシフトペダルがなく、フルオートモードでは、アクセル操作のみで自動的に変速が可能。
- ●パワートレイン
- ・エンジンはひとつのカムシャフトで吸・排気バルブを作動させるユニカムバルブトレインを採用。コンパクトなシリンダーヘッドとすることでマスの集中と低重心化を実現。
- ・左右対称のシリンダーレイアウトは、車体のスリム化による優れたライディングポジションを実現。
- ・シリンダーバンク角76度のV型エンジンは、28度位相ピンクランクシャフトとの組み合わせにより、バランサーを搭載することなく一次振動を打ち消し、低回転域では力強くフラットなトルク特性を発揮。高回転域でもスムーズな吹け上がりを実現するとともに、独自のV4ビートとエキゾーストサウンドを実現。
- ・スロットル・バイ・ワイヤによりスロットルバルブを電気的に制御することで、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI※2)の緻密な燃料制御とあいまって、さまざまな走行条件に応じてライダーの意思に忠実なスロットルコントロールを可能としている。
- ・可変排気バルブを装備したマフラーは、排気効率と消音を両立させながらも、V4独特の鼓動感のあるエキゾーストサウンドを実現。エキゾーストチャンバー内に触媒装置(キャタライザー)を装備することで、国内二輪車排出ガス規制に適合させている。
- ※2 PGM-FI(Programmed Fuel Injection)は、Hondaの登録商標です
- ●フレーム
- ・4分割アルミダイキャストフレームを採用。オフセットピボット式スイングアームと組み合わせることで、高速走行時の操縦安定性とスポーティーなハンドリングを両立。
- ・スイングアームはプロアーム式を採用。ピボットとプロペラシャフトをオフセットに配置することで、サスペンションの上下動にともなう軸長の変化をプロペラ軸上に配置した等速ジョイントで吸収。スポーツツアラーとしてあらゆるシチュエーションに対応しながら上質な走行フィーリングを実現。
- ・シートには一体発泡成形シートを採用することで高品位な乗り心地を実現。スタイリッシュな形状と長時間のライディングでも疲れにくい特性を両立しながら、欧州仕様車に比べ25mm低い国内モデル専用のローシートとすることで、足着き性に優れたポジションを実現。
- ●デザイン
- ・フロントカウルからフューエルタンクにかけて流れる、グラマラスかつエッジのきいたデザイン。
- ・フロントカウルのサイド部分が二層になったレイヤード・フェアリングは、空力特性に優れた流麗なスタイリングで、走行風を取り込みながら整流し、エンジンの放熱にも極めて有効なデザインとしている。
- ・ボディカラーには、VFR1200Fと同じ「キャンディープロミネンスレッド」「パールサンビームホワイト」の2色を設定。
★主要諸元
車名型式 | EBL-SC63 | |
---|---|---|
VFR1200F Dual Clutch Transmission | ||
発売日 | 2010年7月29日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.250×0.740×1.220 | |
軸距(m) | 1.545 | |
最低地上高(m) | 0.125 | |
シート高(m) | 0.790 | |
車両重量(kg) | 278 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費(km/L) | 22.0(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 3.5 | |
エンジン型式 | SC63E | |
水冷4ストロークV型4気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 1,236 | |
内径×行程(mm) | 81.0×60.0 | |
圧縮比 | 12.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 82[111]/8,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 111[11.3]/6,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI]> | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 18 | |
クラッチ形式 | 湿式多板ダイヤフラムスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.411 |
2速 | 1.700 | |
3速 | 1.304 | |
4速 | 1.034 | |
5速 | 0.941 | |
6速 | 0.885 | |
減速比1次/2次 | 1.738/0.948×1.117×2.545 | |
キャスター(度) | 25°30′ | |
トレール(mm) | 101 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 190/55ZR17M/C 75W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク(コンバインド・ブレーキ) |
後 | 油圧式シングルディスク(コンバインド・ブレーキ) | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立タイプ) |
後 | スイングアーム式(プロアーム) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |