2013年7月10日
■二輪車の燃費にWMTCモード値を採用、これからはより使用実態に近い数値が併記 される
国内二輪車メーカー4社は、二輪車の製品カタログ等での燃費の表記に関する自主取り組みとして、従来の定地燃費値に加えて 「WMTC※モード値」(燃費値)を追加採用。 2013年7月以降、新型車および継続生産車のうちWMTCモード試験法(国連が定めた排出ガス試験法)で型式取得しているモデルについては、これまでの「定地燃費値」に加えて「WMTCモード値」が併記される。
これまで、二輪車の燃費については平坦路(平らな舗装道路)で一定速度での走行を想定した「定地燃費値」での表記だった。これは、60km/h(50cc原付は30km/h)という一定速度で走行した場合の燃費値。しかし、現実の道路交通では、二輪車、四輪車は一定速度で走るわけではなく、信号待ちやカーブなどで停止や発進、加速、減速などをしながら走っている。そのために、定地燃費値と実際の燃費値にはかなりの差が生じることになる。
そこで、最近では実際の走行場面を想定した一定の走行条件(モード)を組み合わせて排出ガスや燃費を測定する、「モード法」と呼ばれる方法を採用。すでに四輪車では、組み合わせる走行条件によって「10・15モード」「JC08モード」などの種類があり、燃費値の表記方法としても用いられている。
こうした四輪車のモード法による燃費値などは、新型車の型式指定の際のデータとして国土交通省に届け出されている数値。四輪車のカタログなどにも、この数値の表記をすることになっている。しかし、二輪車の場合はモード法による燃費の算出方法がなかったことから、定地燃費値による表記が継続されてきた。
今回導入されることになった「WMTCモード値」というのは、二輪車の排出ガス試験の国際的な統一基準として、2005年に制定された「WMTCモード試験法」を利用したもの。この試験法では、得られた排出ガスのデータから燃費を計算する方法も規定されていて、燃費の算出にも使うことができる。
この試験法は、国連の自動車基準調和世界フォーラムが制定したもの。同フォーラムは自動車に関する基準調和のための組織で、世界各国から政府代表が二輪車、自動車産業組織の代表とともに参加し、トラック、バス、乗用車、二輪車など車種ごとの構造などに関する規則の制定・管理・運営を行っている。
日本自動車工業会(自工会)では「WMTCモード値」の製品カタログ等への併記に対する理解促進を目的にパンフレットを作成。パンフレットのPDFデータは、自工会ホームページ(http://www.jama.or.jp/motorcycle/)からダウンロード可能だ。
※WMTC:The World-Wide Motorcycle Test Cycle