CTX700N/CTX700 745,500円~899,850円(7月11日/8月6日)
★ホンダ CTX700N/CTX700 車両解説
“ニューミッドコンセプト”シリーズのプラットフォームを利用したクルーザーを発売
並列2気筒のシリンダー前傾角を62度と深くすることで車体のレイアウトに自由度が得られる軽量コンパクトな新型700ccエンジンをゼロから開発。それに合わせて、低い位置にメインパイプ配置することが可能となったローフレームの組み合わせによりホンダの“ニューミッドコンセプト”が誕生。
この基本プラットフォームを使い回すことで、より多様なニーズに合わせたモデルの展開が可能となったという。その第一弾が、2012年2月に発売された“オン・オフ”モデル、NC700Xだった(国内での第一弾。海外ではそれ以前にINTEGRAが発売されている)。2011年の第42回東京モーターショーにデビューした“ニューミッドコンセプト”シリーズ3車の中でも一番注目を集めたモデルがトップバッターとして選ばれたのだろう。
さらに2ヵ月遅れて“ニューミッドコンセプト”シリーズの本体とも言えるスポーツモデル、NC700Sとユニークなスポーティ・コミューター、インテグラが発売される。そしてその2ヵ月後、2012年6月に、もう一つのホンダの新時代のコンセプトといえる“デュアル・クラッチ・トランスミッション”が採用されたDTCモデルがラインナップに加わっている。
今回発売開始されたCTXシリーズは、この“ニューミッドコンセプト”シリーズのプラットフォームを利用したまったく新しいクルーザーシリーズだ。ちなみに前傾エンジンとローフレームという“ニューミッドコンセプト”は、クルーザースタイルにこそピッタリといえるテクノロジーだったと言えそうだ。
エンジンは、NCシリーズでおなじみ、水冷4ストローク並列2気筒、ボア73mm×ストローク80mmの総排気量670ccで、出力、トルクは若干低く押さえられているが、ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式のロッカーアームに二輪車初のアルミ材を採用するなどにより、低中回転域での力強い走りを実現しながら燃費を向上、排出ガスの浄化効率を高めるため、キャタライザーをエキゾーストポート直下に配置するなど、従来の縦型シリンダーエンジンとは異なるアプローチをとるなど、“ニューミッドコンセプト”シリーズの特徴はそのままだ。
またCTXシリーズでは、コンパクト化を図った“第2世代デュアル・クラッチ・トランスミッション”仕様を最初からスタンバイさせている。通常の6速マニュアルミッション仕様も選べるが、せっかくの先進のクルーザー・スタイリングにはやはりDCT仕様をチョイスするべきでは。
ちなみに開発コンセプトは「快適技術の体感」。
★HONDA プレスリリースより (2013年7月9日)
新しいコンセプトのクルーザーモデル「CTX700N」「CTX700」を発売
Hondaは、「快適技術の体感」を開発コンセプトに掲げた新型のクルーザーモデル「CTX700N」と「CTX700」の2車種をラインアップに設定。ネイキッドモデルのCTX700Nは、7月11日(木)に、カウリングタイプのCTX700は、8月6日(火)に発売します。
この新たなコンセプトのクルーザーモデル「CTXシリーズ」は、より多くの方に“楽に、快適に、爽快に”乗っていただきたいとの想いから、スタイリングはもとより、車体やエンジンなどあらゆる領域で、優れた快適性を実現するための技術を追求しています。
スタイリングは両モデルともに、Honda独自の「力強い水平基調デザイン」を採用。おおらかで力強い面構成と機能的に独立した部品構成をキーワードに、フレーム構成からシートやサイレンサーに至るまで、機能美を融合した水平基調のプロポーションとしています。
車体は、新設計のリアサブフレームを採用することで、足着き性に優れ安心感のある720mmの低シート高を実現しています。また、ライディングポジションは、さまざまな体格のライダーが親しめるように自由度の高い設定とし、市街地走行から長距離ツーリングまで幅広い用途で快適な走行を楽しめるものとしています。
エンジンは、常用する低・中回転域の力強さと、38.0km/L(60km/h定地走行テスト値)という優れた燃費性能の水冷・直列2気筒700ccを搭載。不快な振動を抑えた心地よい鼓動感のエンジンが、ライディングの楽しさと快適性を高めています。なお、両モデルともにマニュアルトランスミッション搭載タイプと、制御プログラムの熟成を図ったデュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)搭載タイプを設定し、幅広いユーザーの好みに応えられるものとしています。
- ●販売計画台数
- (国内・年間) シリーズ合計 500台
- ●メーカー希望小売価格
- CTX700N 745,500円(消費税抜き本体価格 710,000円)
- CTX700N デュアル・クラッチ・トランスミッション 808,500円(消費税抜き本体価格 770,000円)
- CTX700 836,850円(消費税抜き本体価格 797,000円)
- CTX700 デュアル・クラッチ・トランスミッション 899,850円(消費税抜き本体価格 857,000円)
- ※価格には(リサイクル費用を含む)保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- =CTXシリーズの主な特長=
- ●デザイン
- CTXシリーズ独自の水平基調のデザインは、新たなクルーザーモデルにふさわしいおおらかで力強いイメージとしています。また、フロント回りに塊感を持たせたフロントマッシブフォルムによって、精悍さに満ちたものとしています。アンダーカウルは、エンジン回りの形状にマッチさせながら、低重心フォルムをさらに強調させる機能的なデザインとしています。
CTX700Nは、V字型のマルチリフレクターヘッドライトを採用。ヘッドライトを挟み込むカウルと、メーターバイザーなどによって、個性的なフロントフェイスとしています。
CTX700は、ダイナミックな形状の大型カウリングを装着。走行時のライダーへのウインドプロテクション効果を発揮させるとともに、個性的でスタイリッシュなフォルムとしています。
カラーバリエーションは、CTX700Nには、パールフェイドレスホワイトとマットガンパウダーブラックメタリックの2色を、CTX700には、パールフェイドレスホワイトとキャンディーアリザリンレッドの2色を設定しています。
- ●車体・足回り
- メインフレームは、ニューミッドコンセプトシリーズと共用しながら、新設計のリアサブフレームの採用によってCTXシリーズの特徴である低く構えた水平基調のフォルムを実現しています。シート高を720mmに抑えることで安心感のある足つき性と取り回しやすさも実現しています。
サスペンションは、フロントにインナーチューブ径41mmのテレスコピックタイプを、リアにはプロリンクンクサスペンションを採用することで、路面追従性に優れた仕様としています。
燃料タンクのシェルター内には、小物などを収納できるスペースを設け使い勝手に考慮した設計としています。
- ●エンジン
- エンジンは、ニューミッドコンセプトシリーズで好評の水冷・4ストローク・OHC・直列2気筒700ccを採用。より快適なクルージング走行を目指し、エアクリーナーの吸気ダクトの仕様やマフラーのテールパイプの大径化、ECUのセッティング変更などによって、低・中速域でよりトルクフルな特性を実現しています。
トランスミッションは、両車種ともに6速のマニュアルトランスミッションと、Hondaが二輪車用として独自に開発した有段式自動変速機のデュアル・クラッチ・トランスミッションの2タイプを設定。
CTXシリーズに採用したDCTは、エンジンの小気味良い鼓動感をより得られるように、ATモード時のシフトタイミングを専用設定としています。
低フリクション技術を多岐にわたって採用することで、38.0km/L(60km/h定地走行テスト値)という優れた燃費性能によって、航続距離を高めています。
- 主な装備
- ・ブレーキのかけ過ぎによるタイヤのロックを回避するABSを、CTX700N、CTX700に標準装備
- ・時間や積算距離・区間距離(ツイントリップ)の表示が可能な、視認性に優れたフル液晶タイプのコンビネーションメーター
- ・LEDを採用し、コンパクトで個性的なデザインのテールランプ
★主要諸元
車名型式 | EBL-RC68〈EBL-RC69〉 | |
---|---|---|
CTX700N〈CTX700〉 | ||
発売日 | 2013年7月11日〈8月6日〉 | |
全長×全幅×全高(m) | 2,255×0.855【840】×1.155〈1.165〉 | |
軸距(m) | 1.530 | |
最低地上高(m) | 0.130 | |
シート高(m) | 0.720 | |
車両重量(kg) | 219【227】 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費(km/L) | 38.0(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 3.0 | |
エンジン型式 | RC68E | |
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 669 | |
内径×行程(mm) | 73.0×80.0 | |
圧縮比 | 10.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 35[48]/6,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 60[6.1]/4,750 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 12 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.812【2.666】 |
2速 | 1.894【1.904】 | |
3速 | 1.454 | |
4速 | 1.200 | |
5速 | 1.033 | |
6速 | 0.837 | |
減速比1次/2次 | 1.731×2.687【1.921×2.437】 | |
キャスター(度) | 27°40′ | |
トレール(mm) | 114 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 160/60ZR17M/C 69W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※〈 〉内はCTX700、【 】内は、デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)のデータです。