「雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズサウイフカワサキ乗リニ私ハ出逢エタ」カワサキコーヒーブレイクミーティングin 福島

黙々と淡淡と北へ向かうカワサキの群れその背中には強い意志が宿っていた

 2012年6月10日、午前7時前。梅雨の雲間を縫うように現われた薄日を受け、今シーズン2回目の開催となる「カワサキコーヒーブレイクミーティングin福島」の会場をめざした。その会場となるのは、福島県裏磐梯にあるスキー場、箕輪リゾートの駐車場だ。福島ツーリングの鉄板ルート上にあるだけに、裏磐梯を走ったことのあるライダーなら、目の前を通ったことがある場所である。

 早朝の都内を出てからというもの、北に向かう東北道でカワサキ乗りの姿を多く見た。だれもが強い意志を背中に滲ませ、一定の排気音を残しながら淡々と北に向かう。

 午前9時半から12時30分までの3時間だけ行われるカワサキ乗りのためのコーヒーブレイクポイント。そこに向かうにはちょうど今がその時間帯なのだ。まるで東北道がカワサキ車占有走行時間帯になったような数だ。

 やっとスズキみっけ、と思ったら、スカイウェイブの兄弟車、かつて存在したカワサキのビグスク、イプシロン250じゃないか。レ、レアだぁ!!

こちらで動画が見られない方、もっと大きな映像で楽しみたい方は、YOUTUBEのサイトで直接ご覧ください。


あらゆるカワサキ車とカワサキ乗りの堝福島に降臨したカワサキミュージアム状態

 東北道が栃木県から福島県に入り、郡山ジャンクションで磐越道に折れるとさらにその様相を強める。薄日が射すツーリング日和もあってかカワサキ乗りが集結している様子がわかる。磐梯高原インターチェンジから国道115号へ。里山の風景の中福島へと抜ける国道を行く道を確認せずとも、カワサキ乗りの誰かが向かう方向に行けば、「それはある」──まるで動物的感覚だけで会場の方角がわかるほどだ。

 その会場まで目と鼻の先に来て雨が落ちてきた。到着目前にカッパを着込むカワサキ乗りたちが路側帯に色とりどりの花を咲かせる。

 国道115号から箕輪リゾートへのアクセスポイントにはKawasakiのノボリが立ち並ぶ。それを目印に会場に入ると、開始時間前にもかかわらず駐車場にはズラッとカワサキ車だ。その数はすでに数え切れないほど。

 ついにイプシロンを見つけるどころか、ありすぎて自分のバイクを駐めたとしても、その場所すら解らなくなりそうな勢いだ。広い駐車場がカワサキ車で埋め尽くされる。バイクを駐めたカワサキ乗り達は続々と受付に。そして持参したマグカップで、スタッフが煎れた熱いコーヒーをさっそくすする。

 雨というより霧雨が落ちる会場では、パーキングで旧交を温めたり、誰かが走らせてきたカワサキを眺める人の輪もできている。珍しいカワサキ、保存状態のよいビンテージモデル、ニンジャ、ZZR系、KLX系にバルカン系、新旧織り交ぜた様々なバイク達が集う。そんなバイク達は見ているだけでも楽しくなる。

 イベントスペースには、ステージとともに、地元の甘味、地元食材を使ったホットドッグ、地場アピールなどの福島系ブースも並んでいる。ライダーのみんな、福島へ! とラブコールを送っているのだ。

 メインステージではトークショーだ。MC に招かれたホスト側スピーカーとして、カワサキ車の開発陣の中からデザインを統括する福本圭志さんが登壇。実に興味深いお話をされていた。デニムにレザーのチャップス、皮ジャンに袖無しGジャンというハードコアなバイカーファッションが強面なカワサキ乗りだが、その耳目は彼の熱い話に釘付け状態。福本さんが話した熱い口調はカワサキファンの心をふるわせたに違いない。

 霧雨は時に強く、そして時に止むを繰り返した。時間を追うごとに広大なパーキングロットは本当に多くのカワサキ乗り達の愛車で埋め尽くされた。今回、1212台のカワサキが福島にやってきたそうだ。現場の熱気はその倍はあったように思う。

 主催者側の話では、販売店が顧客を集めてマスツーリングでやってくる、というケースもあるにはあるそうだが、基本的にカワサキ乗りが自分の意志で集まるのが大多数だという。コーヒー一杯、もらえても記念のオリジナルステッカー1枚、というだけのためにこれだけのカワサキ乗り(地元、遠地、老若男女問わずに)が集まるとは本当に凄い。

 
 今回、1212台が集まり日曜の午前中を楽しんだ。そして会場では被災地福島に向けたチャリティーオークションや募金で集まった60275円が「カワサキコーヒーブレイクミーティングin福島」の開催のサポーターでもある財団法人福島県観光物産交流協会がプロモーションする「RISE福島」を通じて、福島災害対策本部へと送られた。

 カワサキのイメージは年代によって異なるかもしれないが、ビッグバイクブランドであるカワサキ、という一本の大きな屋台骨をしっかり思わせるミーティングだった。カワサキに乗る、カワサキで集まる。一つのバイクカルチャーを実感する1日となった。



コーヒーを飲むためのマグカップは自身で持ち込む(現地で500円で販売もしている)。ここで供されるコーヒーは、会場となった箕輪リゾートの厨房で幾つものコーヒーメーカーで煎れたもの。美味しゅうございました。
コーヒーを飲むためのマグカップは自身で持ち込む(現地で500円で販売もしている)。ここで供されるコーヒーは、会場となった箕輪リゾートの厨房で幾つものコーヒーメーカーで煎れたもの。美味しゅうございました。

毎度、お楽しみじゃんけん大会。そのお約束は「最初はK! じゃんけんポン!」はーい、あいこと負けの人は座って(笑) 強面な人達も「また負けた!」と言いながらスッと座るのがカワサキ乗りのグッド・マナー。
毎度、お楽しみじゃんけん大会。そのお約束は「最初はK! じゃんけんポン!」はーい、あいこと負けの人は座って(笑) 強面な人達も「また負けた!」と言いながらスッと座るのがカワサキ乗りのグッド・マナー。

カワサキ車のデザインを統括する福本圭志さんからのプレゼントは、この日のために特別にプリントしたデザイン画、しかも担当者のサイン入り! ジャンケン大会に、いつも以上の気合いが入ったのだった。
カワサキ車のデザインを統括する福本圭志さんからのプレゼントは、この日のために特別にプリントしたデザイン画、しかも担当者のサイン入り! ジャンケン大会に、いつも以上の気合いが入ったのだった。

地元猪苗代町から参加した宝来堂さん(http://www.hou-raido.com/ )。笹団子、紫黒餅で視線を、焼き団子で鼻孔を、そして地元の豚を炭火で焼いた串物で霧雨の中の参加者の食欲を直撃。まさか、今日のためにハッピもカワサキ系???
地元猪苗代町から参加した宝来堂さん。笹団子、紫黒餅で視線を、焼き団子で鼻孔を、そして地元の豚を炭火で焼いた串物で霧雨の中の参加者の食欲を直撃。まさか、今日のためにハッピもカワサキ系???

味噌、ノリ、あんこ(を盛りつける白焼き団子)の団子たちが香ばし過ぎる匂いで素通りできない求心力を発揮。いらっしゃい、と言われる前からつい並んじゃう人も(笑)。
味噌、ノリ、あんこ(を盛りつける白焼き団子)の団子たちが香ばし過ぎる匂いで素通りできない求心力を発揮。いらっしゃい、と言われる前からつい並んじゃう人も(笑)。

 次なるカワサキ・コーヒーブレイク・ミーティングは、7月8日、北海道余市郡にあるキロロリゾート第一駐車場で開催される。会場のキロロ・リゾートの情報はこちらへ。
 さあ、梅雨を忘れに北海道へ。カワサキ乗りの夏はまだまだこれからだ。


ボバー風カスタムを施したWでやってきた参加者。細身のタンクをライムグリーンにペイントして、オールドタイマー風ロゴを配したセンスはさすが。ハンドルに係ったラメ系ペイントのジェットとともにクールなバイカーさんもやってきます。

こ、これはレア! 伊藤ハムからのZXR400! 1993年、鈴鹿で行われたTT-F1レギュレーションでの最後の8耐。そのレースを制したのがアーロン・スライト+スコット・ラッセル組みのカワサキZXR-7だった。その伊藤ハムレーシング・カワサキカラーを纏った8耐優勝記念限定車がこれ。ジャケット、グローブ、シューズにほのかにカワサキらしいグリーンをあしらったオーナーさん、大事にされている様子でした。
ボバー風カスタムを施したWでやってきた参加者。細身のタンクをライムグリーンにペイントして、オールドタイマー風ロゴを配したセンスはさすが。ハンドルに係ったラメ系ペイントのジェットとともにクールなバイカーさんもやってきます。 こ、これはレア! ZXR400鈴鹿8耐優勝記念限定車! 1993年、鈴鹿で行われたTT-F1レギュレーションでの最後の8耐。そのレースを制したのがアーロン・スライト+スコット・ラッセル組みのカワサキZXR-7だった。その伊藤ハムレーシング・カワサキカラーを纏った限定車がこれ。ジャケット、グローブ、シューズにほのかにカワサキらしいグリーンをあしらったオーナーさん、大事にされている様子でした。

320km/h owner’s club 会長に見せていただいたカンバッチ。クラブの東北支部が東北福島の支援をしたいと造ったもの。福島を走り、福島で食べ、ガソリンいれて、走ることで地元を応援、という「思い」をカタチにしたもの

カワサキ・コーヒーブレイク・ミーティングだけにカワサキ乗り、カワサキ車が圧倒的多数。ヤマハ、スズキ、ホンダ乗りもやってくる。そして家族と一緒に参加したい、という人達はクルマで駆けつける例も。ライダー文化のジャンクションともいえるのがこのミーティングだ。
320km/h owner’s club 会長に見せていただいたカンバッチ。クラブの東北支部が東北福島の支援をしたいと造ったもの。福島を走り、福島で食べ、ガソリンいれて、走ることで地元を応援、という「思い」をカタチにしたもの。 カワサキ・コーヒーブレイク・ミーティングだけにカワサキ乗り、カワサキ車が圧倒的多数。ヤマハ、スズキ、ホンダ乗りもやってくる。そして家族と一緒に参加したい、という人達はクルマで駆けつける例も。ライダー文化のジャンクションともいえるのがこのミーティングだ。

次回のカワサキコーヒーブレイクミーティングは北海道キロロにて! 気をつけて帰って下さいねぇ、に送られてカワサキ乗りが再び移動を開始。

地元東北、福島、宮城はもちろん、新潟、関東など多くのライダーが集まる。その数は本当に凄い。空冷系4発、ZZR系、W系、ちょっと珍しい限定車など、カワサキ乗りが一同に会する場ならではの発見もある。
次回のカワサキコーヒーブレイクミーティングは北海道キロロにて! 気をつけて帰って下さいねぇ、に送られてカワサキ乗りが再び移動を開始。 地元東北、福島、宮城はもちろん、新潟、関東など多くのライダーが集まる。その数は本当に凄い。空冷系4発、ZZR系、W系、ちょっと珍しい限定車など、カワサキ乗りが一同に会する場ならではの発見もある。

左から千葉からやって来たShinyaさん('02ZRX1200R)東京から走ってきたAyakoさん('06ゼファー750 )、そしてTakashiさん('05ZRX1200R)。3人とも初めてのコーヒーブレイクミーティングの参加だそうで、福島も初めて。せっかく来たから、磐梯吾妻スカイラインを走りたい! と切望するも、ちょっと雲行きは怪しい。Ayakoさんは初めてのカワサキ車。ShinyaさんとTakashiさんは2台目のカワサキ車だという。夏は長野が定番ツーリングコースだそうで、カワサキライフを楽しんでいる様子。この後、じゃんけん大会でShinyaさんは見事にデザイン画をゲット!おめでとうございます。

宮城からやってきたZX-12R乗り、BIRDMANさん。長年親しんだZZRからZX-12Rに乗り換えた。ブラックのボディーカラーと黒レザー系を纏ったスタイル。速いビッグバイクとの融合はカワサキ乗りがイチバン! という印象でした

茨城からやってきた320km/h owner’s club会長、池川幹夫さん。お馴染みのクラブも創立20年を迎え、バイクの集まりから人の集まりという側面も強くなってきた、と語っています。あの頃、ぺーぺーだった人が今は社長になったり、初期のメンバーの中には年齢とともに社会的にも成長した人が多くいるそうです。ZZRというバイクを通じてつながる人、面白いですね、とも。
左から千葉からやって来たShinyaさん(’02ZRX1200R)東京から走ってきたAyakoさん(’06ゼファー750 )、そしてTakashiさん(’05ZRX1200R)。3人とも初めてのコーヒーブレイクミーティングの参加だそうで、福島も初めて。せっかく来たから、磐梯吾妻スカイラインを走りたい! と切望するも、ちょっと雲行きは怪しい。Ayakoさんは初めてのカワサキ車。ShinyaさんとTakashiさんは2台目のカワサキ車だという。夏は長野が定番ツーリングコースだそうで、カワサキライフを楽しんでいる様子。この後、じゃんけん大会でShinyaさんは見事にデザイン画をゲット!おめでとうございます。 宮城からやってきたZX-12R乗り、BIRDMANさん。長年親しんだZZRからZX-12Rに乗り換えた。ブラックのボディーカラーと黒レザー系を纏ったスタイル。速いビッグバイクとの融合はカワサキ乗りがイチバン! という印象でした。 茨城からやってきた320km/h owner’s club会長、池川幹夫さん。お馴染みのクラブも創立20年を迎え、バイクの集まりから人の集まりという側面も強くなってきた、と語っています。あの頃、ぺーぺーだった人が今は社長になったり、初期のメンバーの中には年齢とともに社会的にも成長した人が多くいるそうです。ZZRというバイクを通じてつながる人、面白いですね、とも。

さ、最後はみんなで集合写真! って、向かって右の人、全然入りきってないですよ
さ、最後はみんなで集合写真! って、向かって右の人、全然入りきってないですよ。