『KTM 200 DUKE 濱矢文夫試乗』 こちらで動画を見られない方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/kqDrPXdvWV8」で直接ご覧ください。 |
『KTM 200 DUKE メディア対抗レースでMr.BIKEチーム出場、見事優勝!』 こちらで動画を見られない方は、YOUTUBEのサイト「http://youtu.be/l8BnHB0Jt_Q」で直接ご覧ください。 |
125 DUKEはエンジンパワーに対し、とても豪華で高性能な車体や足周りが勝っていて、思いっきりやっても大丈夫な感じが素晴らしく楽しく乗れるバイクだ。以前から、オンモデルだけでなく、オフモデルも含めてKTMは“楽しいと思えることに必要なツボどころを押さえるのが巧みだ”と思っている。KTMのバイクに乗ると、偉そうな言い方だけど、「ああ、これを作った人はバイクが好きで好きでたまらなくて、気持ちいい所をよく判っているなぁ」といつも感じる。自ら「READY TO RACE」と言って、コンペティティブな部分を大切にしているけど、その中に必ず快楽的な部分があった。125 DUKEもそうで、排気量や速いとか遅いとかで単純に語れない奥深い面白味が入っている。
それでも、このままもうちょっとパワーがあったらもっと楽しいだろう、と夢想したのは私だけで無いハズ。それが現実になった。125 DUKEと基本は同じながら、エンジンは124.7ccから199.5ccへ拡大し、パワーは15psから26psと大幅に増量した200 DUKEの誕生である。125 DUKEの魅力を知っているだけあって、スペックだけでも面白くないなんて言わせないという主張が伝わってくるもの。実際に乗ってみて────────期待通りだった。
試乗したのは大排気量スーパースポーツではほとんどギアチェンジをすることがない大きさのクローズドコース、トミンモーターランド。違いを感じるために、同日用意されていた125 DUKEにたっぷり乗った後に200 DUKEのシートに腰を下ろした。
基本は125を踏襲しているのでサイドのシュラウド的な部分に「200」の文字が入っていなかったら125と区別するのがムズカシイ。並べると200の方がエキパイは太くなっているが見比べて判る程度。走りだすと、当たり前だけど125より格段にパワフルで加速が鋭い。エンジンは低速から十分なトルクがあって、そのままスロットルを開けていくと6千回転後半くらいから伸びがさらに良くなる。過度な変化はなく、どこから開けてもスムーズに回転が上がっていく。ボアアップだけすれば簡単なのに、ボアだけでなくわざわざストロークまで変更するこだわりが結果を出しているのだと思う。前述のとおりこれがKTMらしい「判っているなぁ」なところ。
専用にセッティングされた足周りを含むシャシーは、11馬力増えてもまったくの余裕。減速から倒しこみ旋回して立ち上がり、一連の操作は軽快ながらへこたれるような素振りはない。思うようにコーナーをクリア出来た。クローズドコースで飛ばせる環境もあって、楽しいからどんどんペースが上がっていくと、唯一インド製のタイヤが標準サスセットのままだとへこたれるだけ。荒れている路面に突っ込んでいけば前後のタイヤが外に逃げていく。立ち上がりで開けていくタイミングをどんどん早くするとリアタイヤがスルスルっと横に逃げる。125の時よりそれを意識した機会は多い。パワフルになりながら125同様エンジンパワーよりシャシーや足周りがまだ勝っているから、そんな場合でもとっ散らかることもなく平常心でコントロール出来る余裕がある。ちょっと前に初めて乗ったバイクなのに、ごく普通のライダーである私でも前に誰かを見つけると、「ちょっと頑張っておっかけてみよう」という気にさせる信頼が生まれた。とにかく125のフットワークの軽さを維持しながらそのままパワフルになっただけと言えるもの。
コースでの試乗はこんな状態だから、ハイペースで走ることに集中して細かな部分が判らないので、ナンバー付きを幸いに、コースを後にして一般道に走り出てもみた。そこで驚いたのはエンジンのフレキシブルさだ。信号が少ないありふれた田舎道。速度制限は40km/hだったからトコトコとゆっくり。メーター内のインジケーターで5速に入っていることを確認して速度を落とし、エンジンは2千回転を少し下回るところから大きくスロットルをひねる。それでも息継ぎもせず回転が上昇して加速していけた。懐深く神経質なところがないから公道で流して乗るのが楽チン。
125と200を乗り比べると明らかに走りの魅力は200が勝る。だけど125を食ってしまうことはそれほどないと思う。保険など維持費の安さの中で最大限に楽しめる125と、これ1台だけのメインバイクとしても使える200は住み分けが出来そうだ。
(試乗:濱矢文夫)
写真のライダーの身長は170cm。自在に振り回せる手ごろなサイズ。シート高は810mm。 |
■KTM 200 DUKE概要 200 DUKEは、エントリーユーザーからベテラン・モーターサイクリストまで訴求できる本格的なスポーツバイクです。 先行の125 DUKEに比べると、高速道路などの走行が可能になって行動半径が飛躍的に向上、他にも動力性能や所有感の面でもユーザーの高い要望に応えた商品性を実現しています。 プラスアルファのパワーと軽量な車体で、クラスを超えたパワーウエイトレシオを実現しました。 アクセサリー類は既に豊富にご用意している125 DUKE用とほぼ共通。200 DUKEの発売とともにさらに新しい商品を用意し、KTMならではの豊かなカスタマイズの世界を広げます。 200 DUKEはインド生産ですが、ラインアウト後は直接日本にデリバリーされ、新たに国内にてPDIを実施することにしています。これによって、デリバリータイムを約半減。「時間」「コスト」を削減しながら、国内ユーザーの厳しい要望に応える、十分以上の品質を確保します。 ■KTM 200 DUKE価格 ■パーツ・メカニズム 200 DUKEは、125 DUKEの軽さ、ダイナミックさはそのままに、よりパワフルなエンジンを搭載することで、排気量クラスを超えた俊敏なパフォーマンスを手に入れました。外観こそ125 DUKEとほとんど同じですが、スポーツバイクとして目指すところ、とりわけエンジン・駆動系は専用設計・チューニングとなっています。 |
最新鋭のマルチファンクション・ダッシュボードを搭載。KTMオレンジに光るバックライトに、スピード、レブカウンター、トリップなどの基本機能に加えてギアポジションや燃料計、燃費計算機能を備える。 | シート左サイドのロックを解除してリアシートを取り外すとちょっとした収納スペースが現れる。工具を標準で装備。ヘルメットをロックするためのフックも左右に2箇所備わる。 |
“フルサイズ”の車体を支えるサスペンションは前後ともWP製を装着。フロントにはφ43mmの倒立式テレスコピックサス。 | リアはWP製のプリロード調整機能付のモノショックを装着。ハードなライディングを裏付ける本格的な足周りに。 |
鍛造ピストンやバランサーを採用したモトクロッサー用エンジンをベースに開発された水冷4ストロークDOHC4バルブエンジンは、199.5ccから19kW(26PS)の最高出力(125は11.3kW)と、20N・m(125は12N・m)の最大トルクを発生する。 |
■KTM 200 DUKE主要諸元■ ●全長×全幅×全高:2,029×836×1,267mm、ホイールベース:1,350±15mm、最低地上高:185mm、シート高:810mm、車両重量:約126kg(半乾燥)、燃料タンク容量:11L●水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ、排気量:199.5cc、ボア×ストローク:72×49mm、圧縮比:11.5、燃料供給装置:フューエルインジェクション、始動方式:セル、潤滑方式:オイル圧送式、最高出力:19kW(26PS)/10,000rpm、最大トルク:20N・m/8,000rpm●6段変速、一次減速比:72×22、二次減速比:14×43●フレーム形式:クロームモリブデン鋼トレリスフレーム、サスペンション:前φ43mm、WP倒立フォーク、サスペンションストローク150mm、後WPモノショック、サスペンションストローク150mm、ブレーキ:前φ280mシングルディスク、後φ230mmシングルディスク、タイヤ:前110/70R17、後150/60R17●価格:489,000円 |
当日は、今年シーズンもXDL SPORTBIKE FREESTYLE CHAMPIONSHIPで活躍しているシン・キノシタ(木下真輔選手)によるエクストリーム・ライディングショーも行われた。これが、市販状態のままの200 DUKE本来のパフォーマンスか! の“驚きのワザ”を連発してくれた。また、200 DUKEばかりではなく、125 DUKE、そしてRC 8を使ってのエクストリーム・ライディングも披露してくれた。その驚きのパフォーマンスはコチラの動画で↓ 「http://www.youtube.com/watch?v=ynJngzwrXkU&list=UUZtWTPiJ0vgq4onpbTwKI-Q&index=4&feature=plcp」 |
最新DUKE一族、揃い踏み。125 DUKE、200 DUKE、690 DUKE、990 SUPER DUKE。 |