当初は決勝前日となる7月27日(土)の前夜祭での走行も予定されていたが、東海地方を襲った台風6号の影響で鈴鹿周辺の雨はいつまでも降り続いたためキャンセルとなってしまった。
しかし鈴鹿8耐の決勝日となる7月28日(日)、ウォームアップ・セッション後のオープニングセレモニーは快晴の真夏の日差しの下で行われた。ホームストレートに登場した青木三兄弟、「(拓磨が)鈴鹿に帰ってきたよ~」というMCの言葉に、グランドスタンドはもちろん、ピットウォーク中のピットロード側からも盛大な拍手が沸き起こる。
そしてこの多くのファンが三兄弟の様子を見守った。兄弟に抱えられてバイクにまたがった拓磨の姿に場内からは多くの拍手が沸き起こり、拓磨はタンクに顔を伏せて涙を流す。もちろん、その様子はファンの涙も誘い、場内全体が非常に暖かな雰囲気に包まれた。
エンジンに火が入り、ゼッケン24をつけたCBR1000RR SP2が走り出すと、場内全体が拍手でこれを送り出し、それに応えるように拓磨はスタンドに手を振りながら走り始める。すべての観客スタンドはもちろん、フラッグポストからも拍手を受けながら、鈴鹿のフルコースを2周半走行した。ピットロードに戻ってきた拓磨は多くのファンに取り囲まれ、身動きが取れないほどだった。