YZ450FX/YZ250FX/YZ250X/YZ125X 1,058 ,400円/918,000円/734,400円/626,400円(2019年8月20日/9月20日発売)
★ヤマハ YZ450FX/YZ250FX/YZ250/YZ125X 車両解説
YZ250FXが新フレーム採用で2020年モデルに
2014年12月に国内発売された4ストロークエンジン搭載エンデューロレーサー、YZ250FX。そして1年遅れの2015年11月には、YZ450Fをベースに開発されたエンデューロレーサー、YZ450FXが満を持して登場した。
エンデューロ・レースファンにとって待望のモデルといえるこのYZ-FXシリーズ、“モトクロッサーYZのDNAを引き継ぐ次世代エンデューロレーサー”をコンセプトに開発された。最大の特徴としては、エンデューロレースでの使用環境に合わせてセルフスターターが装備された点だろう。その他にもエンデューロレース向けに数々の仕様変更が行われている。メインスイッチレスシステムを採用したセルフスターターの採用のほか、国内専用ECUおよび専用クラッチ、専用変速比を持つワイドレシオミッション、前後エンデューロタイア、アルミ製サイドスタンド、樹脂製エンジンガード、そしてラジエターファンの追加などなど。
2017年8月には、カラー&グラフィックの変更のみで2018年モデルに、また2ストロークモトクロッサーをベースとしたエンデューロマシン、YZ250X、YZ125Xも同時にカラー&グラフィック変更で2018年モデルとなっていた。
2018年8月発売の2019年モデルでは、フラッグシップといえるYZ450FXが、前年フルモデルチェンジを受けたYZ450Fをベースにした新型へと生まれ変わった。エンデューロ向けとした足周りや専用セッティングのエンジン、スマートフォンでセッティングができる“新パワーチューナー”、手元でエンジン特性を変えられる“モードスイッチ”などを搭載。容量8.2リッターの樹脂製燃料タンクの採用など。YZ450FX以外のYZ250FX、YZ250X、YZ125Xは2019カラー&グラフィックへの変更のみ。
今回は、YZ250FXが進化を果たす番で、エンデューロに最適化を図った新設計エンジンを剛性バランスを見直した新フレームに搭載するモデルチェンジとなっている。詳細は下のヤマハニュースにて。
YZ450FX、YZ250X、YZ125Xの各車はYZシリーズの新グラフィックに統一された。
★YAMAHA ニュースリリースより (2019年6月20日)
「YZ250FX」は新フレーム、スマホ対応パワーチューナーを採用
エンデューロ向け競技用モデル4機種の2020年モデルを発売
ヤマハ発動機株式会社は、排気量124cm3~449cm3のクロスカントリー・エンデューロ向け競技用の2020年モデル「YZ450FX」「YZ250X」「YZ125X」を8月20日、「YZ250FX」を9月20日より販売します。
フルモデルチェンジを行う「YZ250FX」は、1)エンデューロにおける高い戦闘力を支える新設計エンジン、2)しなやかな剛性バランスを実現した新フレーム、3)新スペックの前後サスペンション、4) 軽量・コンパクトで再始動が容易なセルフスターター、5)スマートフォンでエンジンセッティングが可能なパワーチューナー、6)耐久性の向上を主眼にした大容量クラッチなどの採用により、クロスカントリー・エンデューロレースでの戦闘力向上を実現しています。また、各モデル共通の新カラー&グラフィックを採用しました。
なお、本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2019年6月20日から12月8日までの期間限定で予約の受付を行います。
- <名称>
- 「YZ450FX」
- <車両本体販売価格>
- 1,058,400円(本体価格980,000円/消費税78,400円)
- <名称>
- 「YZ250FX」
- <車両本体販売価格>
- 918,000円(本体価格 850,000円/消費税68,000円)
- <名称>
- 「YZ250X」
- <車両本体販売価格>
- 734,400円(本体価格 680,000円/消費税54,400円)
- <名称>
- 「YZ125X」
- <車両本体販売価格>
- 626,400円(本体価格 580,000円/消費税46,400円)
- <発売日>
- YZ450F、YZ250X、YZ125X、2018年8月20日
- YZ250FX、2018年9月20日
- <カラーリング>
- ■ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
- <販売計画>
- 500台(シリーズ合計/国内)
- ※「YZ450FX」「YZ250FX」「YZ250X」「YZ125X」は、国土交通省の認定を受けていませんので、ナンバープレートを取得できません。また道路を走行できません。道路を走行すると道路交通法及び道路運送車両法の違反となります。私道、寺の境内、海辺、堤防上、農道、林道など道路の形態を整えていないところでも、人や車が自由に出入り出来るところは道路とみなされます。
- ※保証(クレーム)の対象外製品となります。
- 【2020年モデル「YZ250FX」の主な特徴】
- 1)エンデューロにおける高い戦闘力を支える新設計エンジン
-
新作アルミ鋳造ピストンを採用し、高回転域での性能向上を実現しました。バルブリセス(ピストン上部の凹み)を深くとるなど独自のメカニカル加工を追加して、圧縮比の安定化を図り、優れたパワー特性に貢献します。
さらに、優れた吸入効率を得るために吸気側カムプロフィール(ワーキングアングルの変更、バルブリフト量拡大)の最適設計を行い、新仕様のカムチェーンガイド&テンショナー、軽量設計のトランスミッションとシフトカムなどを採用しています。 - 2)しなやかな剛性バランスを実現した新フレーム
- ギャップ走破性を高めるため、バイラテラルビーム・フレームのベースをモトクロス用YZ250Fと共通化。さらにエンジン懸架メインブラケットの補剛(フロント側に6mm厚の補剛材追加)、テンションパイプ配置の最適化などエンデューロ専用セッティングを施すことで縦・横・捻れの剛性を平均約15%アップ(従来比)するとともに、剛性バランスをレース仕様に最適化。いっそう軽快なハンドリングとしなやかな走り、落ち着きと安定感に貢献します。
- 3)新スペックの前後サスペンション
- 前後サスペンションは、モトクロス用YZ250Fをベースとして、エンデューロレースに合わせたセッティングを施しました。フロントは、倒立式サスペンション(気液分離タイプ)で、アウターチューブの剛性バランスを最適化し、接地感を向上。リアはリンク式モノクロスサスペンションのストローク長やリアアームの垂れ角などを調整し、良好なギャップ吸収性と作動性の向上を両立しています。
- 4)軽量・コンパクトで再始動が容易なセルフスターター
- セルフスターターは電源に軽量なリチウムイオンバッテリーを採用しました。さらにスターターモーターは軽量・コンパクト化をはかり、車両中央に寄せて配置することで、車体の重量バランス最適化に貢献しています。
- 5)スマートフォンでエンジンセッティングが可能なパワーチューナー
-
エンジンセッティングを行うパワーチューナーは従来の付属コントローラーから、専用アプリケーションをインストールしたスマートフォンなどにデバイスを変更。セッティング操作は、デバイスと車両搭載CCUとのワイヤレス通信によって行います。車両本体に2パターンのエンジンマップを保存でき、ハンドル左に配置したモードスイッチにより、レース中でも状況に合わせて切り換えが可能です。
※スマートフォンは車両本体に付属しておりません - 6)耐久性の向上を主眼にした大容量クラッチ
- 間のレース中に行う、頻繁なシフトチェンジや半クラッチ操作など、負荷の大きい状況に対応しました。プレートの表面は、ナーリング加工(細かな凹み加工)により、摩擦力・スプリング荷重を向上させており、良好な操作フィーリングに貢献しています。
- 2020 年モデル「YZ250FX」フィーチャー
- ・エンジンマップ切り換えスイッチ(走行中に2マップ選択可能)
- ・レギュレーターとコンデンサーの一体設計
- ・2種のスポンジを熱溶着、防塵性に優れたエアクリーナーエレメント(「YZ450F」と同様)
- ・エンジン懸架ブラケット最適チューニング
- ・エンデューロ専用セッティングの倒立サスペンション
- ・強度を向上したアクスルブラケット
- ・頂面形状をチューニングしたピストン
- ・高圧縮比の燃焼室(13.5:1→13.8:1)
- ・吸気ポートのバルブシート内側に斜め加⼯
- ・新排気ポート
- ・FX専用 ECU (メインスイッチレス設計)
- ・バランサーのバランス率最適化
- ・耐久性に優れたクラッチ(高耐熱性のフリクションプレート)
- ・6速ミッション(レシオは従来の「YZ250FX」と同一)
- ・形状変更で軽量化したシフトカム
- ・バイラテラルビーム・フレーム(エンデューロ最適チューニング)
- ・硬度を高め、着座位置を変更しやすいシート
- ・厚く剛性に優れ、握りやすいリアフェンダー
- ・アルミ製サイドスタンド
- ・軽量設計のスターター
- ・軽量リチウムイオンバッテリー
- ・18インチ軽量DID製リム
- ・エンデューロ用18インチタイヤ
- ・エンデューロ用セッティングのリンク式モノクロスサスペンション
- その他の特徴(モトクロス用「YZ250F」と同様)
- ・スマートフォン対応のパワーチューナー
- ・“前方ストレート吸気・後傾シリンダー・後方排気”エンジン
- ・(2本リングピストン、チタン製吸気・排気バルブ)
- ・燃料の霧化を促進するアルミ壁面のスロットルジョイント
- ・ニッケル・クロモリ鋼のコンロッド
- ・優れた脈動効果を⽣み出すエキゾーストパイプ
★主要諸元
車名型式 | - | |
---|---|---|
YZ250FX(BAJ4) | ||
発売日 | 2019年9月20日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.175×0.825×1.270 | |
軸距(m) | 1.480 | |
最低地上高(m) | 0.320 | |
シート高(m) | 0.955 | |
車両重量(kg) | 111 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費(km/L) | -(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | G3N1E | |
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 77.0×53.6 | |
圧縮比 | 13.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | -[-]/- | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | -[-]/- | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 0.95 | |
燃料タンク容量(L) | 8.2 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.384 |
2速 | 1.812 | |
3速 | 1.444 | |
4速 | 1.142 | |
5速 | 0.814 | |
減速比1次/2次 | 3.352/3.923 | |
キャスター(度) | 27°10′ | |
トレール(mm) | 116 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M |
後 | 110/100-18 64M | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |