はいみなさんどうもこんにちは。すっかりご無沙汰してしまって申し訳ありませぬ……、というわけで数戦ぶりにレースの現場へやって参りました。
今回の舞台はイタリアGP、トスカーナの山中にあるムジェロサーキット。二輪ロードレースが国技のような国だけに、シーズン中で最も盛り上がる会場のひとつである。 イタリアGPのレースウィークは、各クラスに数多く参戦するイタリア人選手たちに本気モードのスイッチが入り、ホームグランプリを記念したスペシャルカラーのマシンやツナギ、ヘルメットなどがあちらこちらでお披露目されて、華やかさにさらに拍車がかかる。特にスーパースター、バレンティーノ・ロッシ(Monster Energy Yamaha MotoGP)の創意工夫を凝らしたヘルメットのアイディアは毎年最も大きな注目を集めるが、今年はイタリアントリコロールをベースとしたモノで、予想外にやや地味な印象もあった。
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そのロッシヘルメットよりも、今大会のナンバーワンスペシャルヘルメットという個人的な贔屓目だけではなくパドックでも大いに注目を集めていたのが、Moto3に参戦する鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)のシッチパパメットである。これはいろんな選手が様々な機会で披露してきたスペシャルデザインのなかでも、近年屈指のひとつだと思うのですがいかがでしょうか。 |
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で、日曜の決勝レースには8万3761人の観客が来場。その大観衆の前で優勝を飾ったのがダニロ・ペトルッチ(Mission Winnow Ducati)。イタリアGPでイタリア製マシンを駆るイタリア人ライダーが、そのメーカーのホームコースでキャリア初優勝を遂げたのだから、盛り上がらないわけがない。しかもこの日は、”Festa della Repubblica Italiana”というイタリアの共和国記念日。イタリアの人々にとっては、何重もの意味で記念すべき一日になった、というわけだ。 ペトルッチの過去の成績を振り返ると、初表彰台は2015年のイギリスGPで獲得した2位。2017年にはオランダGP とサンマリノGPで2位に入り、ここムジェロのイタリアGP と日本GPで3位入賞を果たしている。また、昨年はフランスGPで2位。いつもあともう少しのところで優勝に手が届かなかっただけに、今回の勝利に感極まるのもむべなるかな、である。ドゥカティサテライトのプラマック時代にムジェロで3位を獲得した際は、「もし昨日、『日曜に表彰台をくれる代わりに何か差し出せ』と言われていたら、きっと家を売るのもためらわなかったと思う」「レース前にプラマックのボスから『ムジェッロではがんばれ』と激励されたので、『じゃあいっそ金で表彰台を買っちゃいましょうよ』と返答した」と周囲を笑わせるユーモアの持ち主で、多くの人から愛される人物である。
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[「MotoGPはいらんかね」2019年 開幕戦|イタリアGP|」2019年 イギリスGPへ]