年々盛り上がりを見せる国内バイク関連最大のイベント「モーターサイクルショー」。
3月15日から17日までは、大阪のインテックス大阪で、3月22日から24日までは、東京のビッグサイトでそれぞれ開催された。
ここでは大阪モーターサイクルショーの速報に続いて、東京モーターサイクルショーの速報をお伝えしよう。
●レポート:編集部 ●撮影:富樫秀明/依田 麗/舟橋 朗/MT
かつてのモーターサイクルショーといえば、ショーモデルやコンセプトモデルを中心とした“夢のバイク”の祭典だった。それが今や販売、購入に直結した“下見”や“比較検討”などのためのイベントとして定着してきたといえる。メーカーも実際に跨がることもできる新車の展示を中心とするようになり、また近々に発売が確実な“市販予定車”が間近に見られたりと、バイクライフに直結した催しに様変わりしてきている。まあ、その分“夢”の部分が少なくなってきてしまっているのは致し方ないことだが。
そしてさらに今年のモーターサイクルショーで感じたのは、いよいよバイクの世界も変革の時代が訪れようとしている、ということ。
我が国のトップメーカー、ホンダが特別に公開したのは(報道向け、プレスデーのみの展示だったが)なんと電動スクーター「BENLY ELECTRIC」のプロトタイプだった。そしてこれまたモトクロッサーのCRF250Rを電動化したモデルも公開(こちらは一般公開日も展示)。そして電動化の波はそれだけにとどまらず、なんとKYMCOが電動スーパースポーツ「Super NEX」というモデルをジャパンプレミアしてくれたのだ。
クルマの世界で急速に広がりつつある電動化の大波がいよいよバイクの世界にも及ぼうとしている平成最後の記憶に残るモーターサイクルショーとなった。
それではさっそく各メーカーのブースを紹介していこう。
■Honda
こちらの動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトで直接ご覧下さい。https://youtu.be/ZlX_cey8qts |
大阪モーターサイクルショーでは、スズキが新型KATANAを展示して注目を集めていたが、東京モーターサイクルショーでは、ホンダが頑張ってくれた。
急遽発表が決まった電動スクーター「BENLY ELECTRIC」。「PCX ELECTRIC」に続く新世代の電動スクーターをワールドプレミアしてくれたのだ。PCX ELECTRIC同様の着脱式のバッテリーやシステムを搭載しているという。すでにPCX ELECTRICで実績のある電動化システムと組み合わせるだけで様々なスクーターモデルに応用が可能となるだろうことは想像に難くない。
そしてもう一台の電動バイクは、なんと「CRF250R」をベースにした電動モトクロッサー「CR ELECTRIC PROTO」だ。プレスデーのわずか3日前に展示できるように外観やスタイルも整えたというが、それを微塵も感じさせない完成度の高さに、もうすぐにでも市販化か、と思ってしまうほど。電動化技術に詳しい無限とのコラボレーションということで、モーター、インバーター、そしてバッテリーは日立マクセル製を採用していた無限マシンとこれらもほぼ共通だろう。すでに2年の開発期間を経ているというから完成度の高さは当然か。ただし「実際に走らせられるレースが…」確かに参戦可能なクラスそのものから作り上げなければ、という現実があるのだそうだ。
電動化への道を歩み始めていることをしっかりと印象付けたホンダでした。
さて新車に目を向けると、4月19日発売のCB250R、6月21日発売のクロスカブ110・くまモンバージョン、そしてニューカラーのモンキー125とスーパーカブC125が“市販予定車”として登場。“市販車”としては、CB1300SUPER FOUR、CB400SUPER FOUR、CB1000R、CB650R、CB125R、CBR1000RR SP、CBR650R、CBR400R、CBR250RR、CRF250RALLY、CRF250L、レブル250、グロム、スーパーカブ110・ストリート。そして旧車ファンに懐かしいドリームCB750FOURとCB1000SUPER FOURも展示されていました。
ちなみに今年、2019年は、ホンダさんにとってベンリィCB92発売から60周年、CB750FOUR発売から50周年、CB750F発売から40周年の記念すべき年なのですね。おまけにホンダWGP参戦60周年でもあります(詳細はコチラ→ http://www.mr-bike.jp/?p=156712 )。
プレスカンファレンスで「BENLY ELECTRIC」を発表したホンダモーターサイクルジャパンの加藤千明代表取締役社長。 |
BENLY ELECTRIC。PCX ELECTRICのシステムをベースに電動化。 |
電動バイク、その2。「CR ELECTRIC PROTO」。 |
無限とのコラボレーションで開発した電動モトクロッサー。CR ELECTRIC PROTO。 |
モーター、コントローラー、バッテリー以外は基本的にCRF250Rがベースに。 |
4月19日発売のCB250R。 | 「Honda Fun」。モンキー125やスーパーカブC125って楽しいですよ。 |
■YAMAHA
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“二輪車の祭典”、つまりお祭り騒ぎから方向転換、徹底してバイクライフの楽しさを表現する展示へとシフトしているヤマハさん。今回のテーマは『GO with YOU -風香る旅へ-』。
仲間とのツーリングとその先での楽しさ、サーキットでのスポーツ走行、カスタマイズの楽しさ、などなどバイクとある生活の楽しさをブースの中で演出。
また、ワイズギアとのコラボで、バイクライフに欠かせないアクセサリーや周辺アイテムも含めて、トータルでのヤマハの魅力を発信していた。『ヤマハ発動機の企業ヒストリーを語る上で欠かす事の出来ない資産を、頂点を知る不偏的カラーを用いて、「本物」「信頼」「正統」を現在モデルで未来へ語り繋げていく』というワイズギア定番の“オーセンティックスポーツ”のコーナーも変わらずの人気でした。
TRICITYをオフイメージにする発想が新しい。 | 「YAMALUBE GARAGE LIFE」。 |
こちら「FASTER SONS」のコーナー。 | 「Authentic Sports」人気も健在です。 |
LMWスポーツのNIKENにツーリング性能を向上させたNIKEN GTが登場。 | 3月28日発売の新型YZF-R25。カウルやタンク周りを一新。倒立サスも採用。 |
■SUZUKI
こちらの動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトで直接ご覧下さい。https://youtu.be/TC6fMy1Bb4s |
大阪モーターサイクルショーでは、新型KATANAで注目を一身に集めていたスズキ。日本での人気の高さが世界の市場を振り向かせたとさえいえるのだが、その震源地のわが国での熱烈歓迎ぶりに新型KATANAも喜んでいることだろう。
1980年の登場から始まるKATANAの歴史や魅力の紹介から、初代KATANA、GSX1100Sとの同時展示を行うなど、東京モーターサイクルショーでも人だかりの多さに変わりはなかった。国内発売も当然予定されており、しかも会場では実際に跨がれるように展示され、購入を検討しているファンには絶好の機会となっていた。
この他スズキのブースでは恒例となったMotoGPマシンに跨り疑似サーキットランを楽しめるコーナーやノベルティグッズを購入できる物販コーナーも設置。スズキファンには楽しいブースとなったことだろう。
出展車両はこの他、MotoGPマシンのGSX-RRをはじめ、GSX-R1000R ABS、GSX-R125 ABS、GSX-S1000 ABS、GSX-S750 ABS、GSX-S125 ABS、SV650X ABS、SV650 ABS、GSX250R、ジクサー、V-Strom 1000XT ABS、V-Strom 650XT ABS、V-Strom 250 ABS、バーグマン400 ABS、バーグマン200、SWISH LIMITEDなど。
今年のモーターサイクルショーの“主役”の1台。新型KATANA。国内発売も決定。 |
ベースとなっているといわれるGSX-S1000とは全く異なる顔つき。 | オリジナルのKATANAとは異なるラジエターカバー部のプレートの造形。ここに刀の文字が入った。 |
スズキ車では初のスイングアームマウントフェンダーを採用。 | エンジン周りの基本はSGX-S1000とほぼ共通のように見える。 |
見て、触れて、跨って…。 | 恒例の“MotoGP体験コーナーも人気。 |
オリジナルKATANAも展示。初代KATANAのファイナルモデル。 |
■Kawasaki
こちらの動画が見られない方、大きな画面で見たい方はYOU TUBEのWEBサイトで直接ご覧下さい。https://youtu.be/2GqmhL3A8iQ |
以前から「触れられて、跨がれて」の展示を中心としていたカワサキ。今年もブースの中心を占めていたのはそれらの“体感車両”のコーナーだった。
車種としてはVERSYS 1000 SE、Ninja ZX-10R SE、Ninja 1000、Z900RS、W800 CAFE、W800 STREET、Ninja ZX-6R KRT EDITION、Ninja 650、Z400、Ninja 250の各車。新型ZX-10Rと期待に応えて復活したW800 CAFEとSTREETなど最新のニューモデルに注目が集まっていた。
体感を重視するブース展開、といってもそこは華々しいショーらしく壁に組み込まれて展示されていたモデルももちろんありました。それはNinja H2 CARBON、Ninja H2 SX SE+、Ninja ZX-10RRの3台。さすがにブランドイメージの旗艦らしく誇らしげに光り輝いておりました。
見て、触って、跨って…。 | Ninja ZX-6R。 |
W800 CAFE。右のテクノロジーの塊と同じ時代のニューモデルというのがバイクの面白さ。 | Ninja H2 CARBON。これぞハイテクの塊。 |
壁に鎮座するフラッグシップ、Ninja H2 SX SE+。 | Ninja ZX-10RR。ザ・スーパー・スポーツ。 |
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昨今、小型二輪車市場で前年に対し販売増を続けるメーカーも多い輸入車勢。原付二種から大型モデルまで世界各国から個性的なモデルが集まっている。今年はお膝元と言える日本車勢よりも東京ショーにある種“華”を添えていたように感じられた。
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BMW Motorrad
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本邦初公開となった大阪モーターサイクルショーに続き、スーパースポーツの新型S1000RRをはじめR1250R、R1250RSをアンベール。また2019年ニューモデルとしてアーバンモビリティのC400X、C400GTなどを展示。 | ||
DUCATI
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スーパーバイク世界選手権にデビューするやいなや2戦6レースを完全制覇してしまったマシンのベース車とも言えるパニガーレV4 R、新型ディアベル1260、ムルティストラーダ950、そしてスクランブラー800シリーズなどを展示。 | ||
TRIUMPH
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月に1台のペースでニューモデルをリリースしているトライアンフ モーターサイクルズ ジャパンだが、先日発表されたばかりのスクランブラー1200シリーズなどの展示に加え、世界限定1400台のボンネビルT120 ACE、世界限定900台となるボンネビルT120ダイヤモンドエディションを披露。また、今年からロードレース世界選手権(MotoGP)のMoto2クラスで採用される3気筒エンジンも公開。 | ||
KTM/Husqvarna
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KTMは新型790 ADVENTURE & 790 ADVENTURE Rをアンベール。新型690 SMC R と690 ENDURO R、進化を果たした1290 SUPER DUKE GTなども展示。ハスクバーナは新型SVARTPILEN 701 を日本初公開。 | ||
Piaggio
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ピアッジオグループジャパンは2019年より欧州で販売を開始する電動スクーター、ベスパ・エレトリカを日本初公開。また2月より生産が始まったばかりのモト・グッツィV85TT、1100へ排気量アップとなったアプリリアRSV4 1100 Factoryも日本初公開。 |
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東京モーターサイクルショーでは二輪用品メーカーをはじめとする関連各社・団体のブースもいっぱい。新製品やツーリング、学校などの情報が会場中に溢れていた。家族一緒に楽しめるブースもありますよ。 (順不同。ここに紹介するのは東京モーターサイクルショーに出展されたすべてのブースでありません)
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かつてAMAスーパーバイク・シリーズを戦っていたZ1を彷彿とさせるカラーに各種パーツを組み込んだZ900RSやモンキー125などを出展するヨシムラジャパン。早くも新型カタナ用マフラーも。また、ゆっき~こと加賀山就臣が加入したJSB1000クラスでのレース活動の発表も行われた。 | ||
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M-TEC(無限)はマン島TTで活躍する電動レーサー・神電の新型、そして電動モトクロッサーのプロトタイプであるE.REXを公開。 | ||
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ホンダ車に採用される純正マフラーやアルミテーパーハンドルなどを手掛ける熊本の合志技研工業が東京MCショーに初出展。CB1100用のアルミタンク、マフラー、ハンドル、そしてスーパーカブ用のハート型マフラーを参考出品。 | ||
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日本が世界に誇る模型ブランド・タミヤは1/12オートバイシリーズの新製品・モンキー125をワールドプレミア!? 近日発売予定だそうです。また、CB750Fourなど再生産品や限定生産品をブースにて販売。 |